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4.クーポン制の日替わり弁当

お好み焼きのイベントを一週間やったところ、予想外にたくさんの日本人客が来たので、日本人向け和食の方が需要がありそうだと考えた。ネットで調べたところ和食弁当の価格は500~700ルピー(800~1200円)と気軽に頼める感覚ではなかったので、10食分の弁当をまとめ買いして貰う代わりに破格の350ルピーで提供するデリバリー弁当を始めることにした。

その時販売していたWEBサイトは以下のような感じ。

日本人駐在員の数がムンバイはとても少なく合計600人で単身赴任者は200人しかいないので、如何にしてに注文をまとめて受けるかがポイントだと考えた。そのため、販売日は週三回に限定し、クーポンを事前にまとめ買いしてもらい、前日に注文を確約してもらうことで食材ロスをなくすプランで販売を始めた。

これが丼の日のメニューで、トップ画の様なお弁当と丼メニューが交互に来る様な構成にしていた。また、メニューは一ヶ月でローテさせていた。

とにかく早く金を稼がないとと必死だったので、アポなしでいろいろな事業所に営業をかけた。その結果、一ヶ月後には一回に30~50食程度注文が来るようになった。(月の売上が15万ルピー前後)

とりあえず、そこそこ売れそうなので始めたは良いものの想定通りそこそこしか売れず、初めて2ヶ月くらいした頃には、200人に対して30食売れてる状態から、さらに売上伸ばすのもきつそうだなぁとか考えていた。(←我ながら始める前によく考えろと思うww)

調理作業はメイドのおばちゃんを二人雇って作業をさせていた。

飲食の経験がなかったので最初は毎日朝7時から仕込みを始めてやるのがとてもきつかった。メイドのおばちゃんに基本的な作業はさせていたけれど、味のチェックや焼き加減の判断がインド人のおばちゃんには不可能なので、結局自分達で仕上げの調理をせざるを得なかった。

なお、飲食店のライセンスは役所に自分で取得に行った、自宅のキッチンを使う簡易ライセンスだったので、一週間くらいで取れたと思う。

正直な話、飲食ド素人でオペレーションも無茶苦茶だったのに継続して注文してくださっていたお客様には感謝の気持ちしか無い。

事業を進める中で一点誤算だったのは、独身でインドに駐在されている方の多くは、インド国内を飛び回ってる方が多いので、そもそもクーポンで事前にまとめ買いしてもらうシステムが合わない事だ。そのため、継続して注文いただいているお客様はすべて、銀行やメーカー等で出張がほとんどないお客様に限定されていた。

これは致命的な問題で、拡販しようとする場合には、事前発注を取りやめて単品販売を始める必要があるが、それに見合った数の注文が取れるとは思えなかった。

この弁当事業は2016年の2月から5月中旬まで続けたのだけれど、損はしていないけれども儲かっていないいないみたいな状態であまり将来性を感じなかった。

その時に考えていたのはとにかく日本人向けの弁当サービスだけだと先が見えてるからもっとマーケット大きなマーケットターゲットにしないと考えていた。また、自分は先進国である日本から来ているのだから、タイムマシン経営の様に、今はまだインドに無いけれどこれから爆発的に広がりそうな事業を始めたいという想いがあった。

弁当事業を進める上で難点の一つが日本食の味をインド人スタッフが確認できないという点だ。そのため、自分がまとめて味見したものを冷凍食品にして、インド人スタッフに毎朝温めて出荷させればいいのではないかと考えた。また、オーブンやレンジでで温めればすぐにお客様に提供できる冷凍食品があれば、和食をメニューに加えたいオシャレなバーなどにも販売できるのではないかという希望的観測もあった。

また、特に根拠はないのだが、今はない冷凍食品市場を自分で作り出すみたいなプランはその時の自分を凄く高揚させていた様に思う。

というわけで、冷凍食品事業を始めるため、2017年の3月末に30万ルピーくらいの業務用ブラストフリーザーを1台発注した。

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