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Turing Machine α(赤い車)の話

明日から、東京モビリティショーが開催される。出展に先立ち、この車についてまとめておこうと思う。

半年と少し前、入社したばかりの僕とT山口さんは途方に暮れていた。Turingが初めて自動車を設計するプロジェクトが頓挫仕掛かっていたからだ。

スタートアップでは、理想と実力が全く擦り合わないことがよくある。この時もまさしくそれで、自分たちでゼロから設計したシャーシを使って保安基準に適合させ、組立車登録を取ろうと考えていたのだが、スケジュール的にも予算的にも極めて難しいことが判明した。

CEOからは、「車欲しいよー」と毎日強いプレッシャーがかかっていた。

パートナー企業さんとの打ち合わせの後、割と失意の中、厚木のパーキングエリアに車を停めて、これからどうすんべとディスカッションを行った。

熱いディスカッションの末、EV版ロータス7に最新のIVIと自動運転を盛り込んだギャップ萌えな自動車を作り、組織力の底上げを狙いつつ、Turingの広告塔にしよう、という内容でまとまった。

この車はナンバー取得を目標にしているため、デザインに際しては以下の無理ゲーな制約をかけさせていただいた。

  1. 国内某OEMの乗用EVをベース車とする。

  2. 保安基準適合を考え、座席・タイヤ・ステア等の位置関係はベース車と同じ

  3. インパクトがあり、めちゃくちゃ格好いい車とする。

そのディスカッションの時の画像が以下である。

2023年3月末 厚木某所にて

すでにラフスケッチであるが、この車の原型が見えている。

その後、弊社の天才デザイナー様がささっと3日で3Dに起こして生まれたのが以下のデザインである。弊社のデザイナー様は制約条件が多ければ多いほどすごいデザインを生み出すという謎スキルをお持ちで凄すぎる。

デザイナーさん曰く、シンプルなボディデザインが際立つように、鋼鉄フレームを露出させ、リアの造形を大きくし、全体を低く見せることでFF車を感じさせないデザインを実現したとのこと。

特に象徴的なのが、座席上部のツノだが、これは緊急停止ブレーキ用のセンサーや、自動運転用のカメラが配置されている。これは保安基準適合において極めて重要な部品である。

最終的に仕上がってきたのが以下の車である。

Turing Machine α

この車にはTuringの今が詰まっている。

IVIに関してはAndroid Automotiveを使い、スクラッチで開発。Mapboxさんと提携して3Dマップを導入している。自動運転機能に関しては、先日販売したThe First Turing Carと同等のものをインストールした。組み付けに関しては全て、弊社のTuring Kashiwa Nova Factoryで実施した。

写真で見ても格好いいが、実物はさらに格好いいので、是非JMSの会場に見にきてほしい。



Turingに興味がある自動車エンジニアさん、ソフトウェアエンジニアさんは以下のリンクからお問い合わせください。募集職種になくても、Turingに僕が必要なのでは?と思われる方は、Twitter経由でぜひ @tokchin までご連絡ださい。カジュアル面談もドシドシ受け付けています。




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