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タンザニアの田舎病院の手術室を解説

はじめまして!

オペ室ナース兼新米投資家のとーかいまるです。

この度noteをはじめることにしました!

私はかつて一年弱の間、東アフリカのタンザニアの田舎で生活していました。

日本からアフリカって遠いですよね。行ってみたいと思っている人、どれだけいるんだろうか・・・?

行ってみたいと思っているそこのあなた。

その気持ちがあるならどんな形であっても行った方がいいです。経験ほど価値のあるものはこの世に存在しません。

私よりタンザニアに詳しい方、アフリカに長く住んでいる方、その他諸々いろんなことを知っている人は多数いらっしゃると思うのですが、それはそれ、これはこれ。

ここでは私の体験とそれに基づき考えたことを書いていこうかと思います。

こんな感じで書いていこうかなーという初回として一枚の写真の説明をしてみます。

今回の写真はタンザニアで勤めていた病院の手術室の風景です。

この写真一枚からもいろんなことが読み取れます。

まず、この部屋は手術室ですが、空調設備がないため窓があります。なかなか高頻度で鳥が入ってくるので、その時はさらに窓を開けて外に出てもらいます。もちろんその間手術は継続しています。日常なので動じません。

写真の中央付近に鎮座するのは、手術台ですね。普通手術台は平らで水平なものですが、経年劣化なのか、この手術台はフラットでなく、足側に向かって下がっていました。手術やりづらい・・・。

今や日本の手術台は電動式で、様々な手術に対応できるようにいろんな方向に傾けることができたり、高さも調節できますが、タンザニアの田舎の病院の手術台は手動、足踏みでした。んーまぁ動けば問題はありません。

上に載っている茶色のシートは汚れ防止用で、撥水性なので、ベッドが汚れないよにするために敷いてあります。あとは患者の移動時にこのシートごと持ち上げると楽チンという意味でも敷いてあります。

ただ撥水性なので手術中に出た血液や洗浄した水が吸い込まれることなく、そのまま高さが低いところに水路のように流れていきます。手術終わったあと床が血液と水の海になっていることもたまにありました。んーまぁ床は洗えばいいので問題ないです。タンザニア人って床掃除好きな人多いし。

ベッドの奥にあるのは電気メスです。現在日本で使用している電気メス先の多くは使い捨てで、一度使うと破棄します。ですがタンザニアではそういうわけにもいかないので使用後は洗浄し、消毒後リユースしています。もちろんリユースを前提に作られた商品であればリユースでも問題はありませんが、んーまぁ消毒の程度は日本の基準からするとお粗末ではありましたが。理想ばかり言っても何も始まりません。実現可能な範囲内での落としどころを探っていく他ないのです。

その電気メスの横にある緑の布は手術に使う覆い布です。ドラマでもよく見る光景だと思いますが、手術をする時は手術する場所以外は布で覆ってますよね?この緑色の布はそれにあたります。手術室では布で覆うという場面が患者の体だけでなく、手術用の器械や物品を準備した上に汚れないように被せておくということもあり、多くの布を使用します。

現在日本ではリユース用の布と使い捨て用布と2種類があり、年々使い捨て用を使用する割合が増えています。理由は日本の場合はその方がランニングコストが安いからです。

タンザニアではコスト的にみても人の手によって洗浄し、滅菌にかけたほうが安いため使用後は看護助手のおじさんが毎日洗濯して、外に干していました。住んでいた場所は内陸の乾燥地帯だったのでいつも気持ちよく乾いてましたね。

奥の部屋は滅菌室です。タンザニアの田舎に滅菌室あるの?はい、あります。高圧蒸気滅菌という一番安価で大量に滅菌できる滅菌設備でした。

ちなみに滅菌と消毒は清潔レベルが全く異なります。日常生活では私たちが使用するものは消毒で十分ですが、こと手術となれば滅菌ができる設備が必ず必要になります。高圧蒸気滅菌は手術室では最も安価で大量に滅菌できる方法なので、日本の病院でも素材的に問題がないようであればこの滅菌方法で滅菌されています。

写真の右奥側に見えるのは薬剤の入った棚です。麻酔に関する薬剤などが色々入っています。タンザニアの田舎の病院では麻酔は看護師がかけていました。日本では法律的にアウトですけども。なかなか荒々しい手技だなーと思うことはありましたが、ベテランおばちゃん看護師が日本人と比較すると皮膚の色が濃く、血管が見えにくい患者の腕にぶっとい点滴ルートを確保する姿はカッコよかったです。

筆者は看護師歴=手術室歴のアラサー看護師ですが、初めてタンザニアの病院の中を見たときの感想は「思っていたよりまともやん」ということ。

今後もこうした海外で見たもの感じたものを綴っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。






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