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読書リハビリ:魔法をさがして

すっかりご無沙汰でしたが、それなりに読書は続いています。
文芸誌を毎月チェックしては購入して読んだり、また新たな文芸誌に手を出してみたり。
時々、これはと思うものもありますが、それ単体で何か記事にするところまでは至らなかったという状態。
ずっと魔法を探している、そんな気分でした。

スピン 7

日常に「読書」の「栞」を
という文芸雑誌、スピンの7号を購入しました。
この前の6号に掲載された小原晩の短編「けだるいわあ」を目的に購入したのがきっかけで、せっかくなので定期購読してみた、その7号が届いたのです。
(けだるいわあもかなり良い)

16号限定・オールジャンルの新雑誌が創刊!

2026年に創業140周年を迎える河出書房新社が、そのカウントダウン企画として刊行する16号限定・オールジャンルの季刊誌です。小説からエッセイ、コラム、企画連載、さらには新たな書き手の誕生まで、毎号ジャンルを超えた作家による作品をお届けします。 多種多様な本や書き手との出会いをお楽しみください。

16号限定、しかも激安330円というのが定期購入のポイントでした。
もう、これは購入しておくしかない。

相川英輔「魔法をさがして」

6号から購入しているので、連載はなかなか入りにくい、でも短編やエッセイはすぐに読める。
そんなわけで、7号でも短編から読んでみたところ、冒頭の「魔法をさがして」がなかなかの良作でした。

離婚により父子家庭となった主人公、そんな時に父親のもつ「魔法」の秘密を聞きます。
そしてそんな「魔法」が自分にもあると、さがしていく主人公、辿り着いた彼の「魔法」は・・・。という内容。

母親はあまりよく描かれておらず、この話の上では重要ではなく、ただ「魔法」が中心なのです。
果たして見つかった「魔法」はどうだったのか。
父子の繋がりと魔法がうまくリンクしていく素敵な話でした。

Looking for the magic

そんな折、ちょうどこの曲をよく聴いていました。
タイトルもそのもの、「魔法をさがして」ですね。
こちらはシンプルなラブソングなので、父子の話ではないのですが、妙なタイミングでマッチしてしまったので、この曲も深くぼくに刺さっています。

異人たちの夏

そしてついでにこの映画も。
これはたまたまチラリと見かけたXで知った、山田太一原作の映画です。
風間杜夫、片岡鶴太郎、秋吉久美子、監督は大林宣彦。

シナリオライターの主人公が、なぜか過去に事故死した両親と浅草で出会う話。
両親は亡くなった歳なので、主人公よりも若い、でもお互いに「親子」だと認識している。
不思議な時間を共有するわけです。

この映画には「魔法」は出てこないのですが、父子の繋がりというのは濃密に感じられるもので、これまたタイミングよく観たこともあり、ぼくの中で連結していくのでした。

「魔法」の在り方

父子の話と言っても、ぼくにはあまりそういった関係性というか、経験がなく。そういう意味でも憧れがあって妙に心に残ったのかもしれません。
相川英輔の「魔法をさがして」は短編でさらっと読めて、読後感もよく、そして「魔法」について、考えてしまうような、ユーモアも残る。
ただ、「魔法」そのものは重要ではなく、その在り方というか、存在こそ大事なのでしょう。

サポートをしていただけたら、あなたはサポーター。 そんな日が来るとは思わずにいた。 終わらないPsychedelic Dreamが明けるかもしれません。