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Operetta「YAMA-INU」

見てきました。
鹿殺し久しぶりー

あうるすぽっと名物

これまで3回上演されている「山犬」という作品。
私はその2回目、座高円寺で上演されたものを見たことがありました。
ホラーで、監禁もので、グロで。
でも私は好きな話で。
しかし何とも後味の悪さと気持ち悪さすらあったのを記憶していて。
今回の山犬どんなだろうなあーって、前みたいにうひゃぁぁあってなるかなあーっていったんです。

随分と柔らかくなっていた。

作品の本質とか芯とかは何も変わってないし、投げつけられる暴力的なカタルシスも変わってない。
ただ、オペレッタという技法が加わり、生演奏のヴァイオリンが音を奏で、演じた演者のその有り様が加わった。
それだけで真っ暗闇だと思っていた作品が、茜色の夕焼けに変わっていた。

かーーーーー!!
だから演劇はやめられねえんだよ!!!
最高かよ!!!!

私が見た時、物語の核となる「テラニシ」は鳥肌実氏だったんですが、今回それを玉城裕規氏が演じていて、それだけで全く別のものに変わってしまうのだと…誰が気付いたよ…
鳥肌実氏のテラニシはただひたすらにエゴをぶつけてくる気持ち悪さがあった記憶があるんですが(しかし哀れさやその純粋さが見えなかったわけではないし、気持ち悪さがキャラクターを持ち上げ引き上げている。そうやり切るのはなかなか出来ることではない)今回の玉城裕規氏のテラニシはとにかく純粋で、でも今の言葉で言うなら「陰キャでキモい」存在で、社会から排除される弱者という面をよく照らしていて、感情移入がしやすかったな…と感じたり。
丸尾氏のコックも前までは黒塗りの外人という役だったのが昨今のコンプラでそれが無くなり、カタコトのセリフだけが残るが故に「社会不適応者」という側面すら見せてきて、こういう変更は逆に今の世界を見える形になるんだな、と唸らされもした。あの辺刺さる人は刺さるだろうし、あのコック絶対自首したんだろうなあ…これまでのテラニシとの会話と温度違ったもんなあ…ってなったりしましたね…

まあ相変わらずもつカレーは健在なんですけども(グロの話)
イヌはなんていうかもう舞踏というかボディランゲージというか次元を一つ超えた感じはあったし、メイン3人に関しては歌うますぎて…ざいきっちゃんマイクハウリングしてたな…
作曲の方がよく聴いてる方だったのを終わって知ってだからかーーとなったりもしました。見てる間曲の既視感が凄くて…

久々も久々の鹿殺し、とても楽しかったです。また見に行きたいーー


DVD予約したら丸尾氏のサイン会のチケもらえたのでサインいただいたんですが、その時随分柔らかくなりましたよね?って聞いたら楽曲入るとかなり変わるんだよね、って言って微笑んでたまるさんが可愛かったです。

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