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第10作UP【Bass】清水玲さんのYouTubeチャンネル

ベーシストの清水玲さんが、YouTubeにアップされた動画の感想を書いています。

◆1~5作品

1:MATINS

いやぁ…アングル…!
手元のアングルが拝みたくなるぐらい素晴らしい!
さすが清水さん!

演奏より先にアングルを褒めるなんて変だと思われるかもしれませんが、違うんですよ。
だって、せっかくの動画じゃないですか。
音色とか音圧とかプレイの迫力とかアンサンブルとしてのアレコレとかを味わうなら、ライブの方が良いわけです。
だって、動画だと再生環境は視聴者に委ねられちゃうわけですから。
だからこそ、動画ではアングルが超重要だと思うんです。

でも、両手を同時に凝視することは人間の構造上()できないんですね。
清水さんのアングルの素晴らしさは、そこなんです。
左手は横と縦の動き(運指)が分かりやすいように正面から引きで撮り。
右手は奥行(深さや方向)が分かるように斜めから寄って撮り。
ベーシストの手元を凝視し続けてきた私が、思わずお礼を言ってしまうレベルで配慮されています。

じゃぁ最初から最後まで2分割とか4分割とかしちゃえばいいと思うじゃないですか。
でもそれだと記録動画みたいになっちゃって、臨場感がないんですよね。
人間の構造上()同時に観られないし。

編集もガチですよね…。
清水さんって、何か苦手なことあるのかな…。
ロジカルな思考と深い情熱で、何事も極めてそう…。
方向音痴とかキュウリ食べられないとかミミズが苦手とか、何か可愛い弱点ぐらいあってほしいと思うほどに…。

そして、最初にアップしたのがコレというのも計算されている。
だって「ベース 弾いてみた」で検索すると、上位はスラップですからね。
それの良し悪しは置いておいて、第1作目としてのチョイスがイイ。

2:Suspiria Cover

いやぁ…敷居の高低差よ。
前回は、スラップ中心の派手めな3分くらいのプレイで「みんな~!寄っといで~!(歌のお兄さん風)」みたいな。
そして今回。
フレットレスで同じようなフレーズを延々と9分弾くっていう「あら…一見さんですか…?(京の女将風)」みたいな。

前回は「すっごい~!」とワクワクする感じ。
今回は「す…すご…?え?」とポカーンとさせられる感じです。
清水さんの意図は訊かず、私が勝手に言ういつものスタイルですけど、こうやって視聴者層を色々リサーチされているんじゃないかなぁと。
そう思っちゃうぐらいの振り幅でした。

プレイは、やっぱり左手が摩訶不思議ですよね。
これベースの弦を押さえてる指づかいじゃないですよ。
猫なでてるみたい。

私が最初に清水さんのライブを見た時、感想にこう書いたんですね。
「すっごい超絶技巧なのに退屈してそうというか、指が余ってるように感じる」
今回の動画でも、音と指が合ってないみたいな不思議な感覚になれます。

そして今回もアングルが素晴らしいですね。
私が思う「神アングル」はヘッド側からブリッジ方向ですけど、フレットレスの場合は逆なんです。
左手の微妙なニュアンスを見ながら聴きたいから、指の腹が見えるようにボディ側からヘッド方向に撮ってほしいんですね。
その辺りを清水さんはよく分かっていらっしゃるなぁと。
ベーシストの手元を凝視しながらベースを聴くタイプのベース好きを代表してお礼を言わせて頂きます。(他にも大勢いる前提)
ありがとうございます。

という感想を「地下2会」に書いたら、なんと清水さんがご自身のブログで紹介してくださいました
有難い褒め言葉まで…!

ちなみに「地下2会」というのは、プロベーシスト集団「地下室の会」を応援する目的で私が立ち上げたFacebookページです。
2020年4月7日から毎日ベース系の投稿をしています。
トップページで「いいね」を押してもらえると、Facebookのタイムラインに投稿が表示されて私が喜びます。

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数日前に発売されたベースマガジンに清水さんの記事が載ってます。
その前の(TSC)木寺さんの記事と併せて面白い。
「職人じゃなくて技術者」という木寺さんと、清水さんのロジカルかつ実用性を大事にする感じの説明が、ピタッと相性良くて。
料理に例えちゃうと、家族の好みや体調に合わせてありあわせの材料で作る料理も、ちょっと前のドラマ「グランメゾン東京」みたいに科学的に追及する料理も、どっちも愛があって好きなんですよ。
今回の記事はこの例えだと後者で、愛ある追求が(きっと一部分でしょうけど)見えて面白かったです。

3:Get On The Floor

今回はマイケルジャクソンの「Get On The Floor」を、ご本人曰く「弾いてみた」だそうです。
なんというか、そういう「弾いてみた」っていう軽い言葉が合わないのは編集なのか演奏なのか。
なんせクォリティがすごい…。

表現が合ってるか分かりませんけど、2小節ごとに出てくる1拍目の引きずるような音
グリスダウンとグリスアップが交互にある感じ?ですか?
それのグリスダウンの方の音が、特にカッコいいなぁと思いました。
4小節ごとに「おぉ…」となる感じ、好きです。

そしてパーカッシブすぎないのが好みです。
こういうダンサブルな曲って、ベースが華やかっていうか、踊ってるみたいなパーカッシブさがあって。
それはそれでいいんですけど、ベースがいない気がして耳が泳いじゃうんですよね。
でも清水さんの演奏はちゃんと音色感とか音程感があって、ベースがいて安心します。

4:Naima Cover

今回はコルトレーンの「Naima」をベースソロで演奏された…ということなんですが。
なんていうんでしょうか…「ベースとは」という哲学っぽいことが頭をぐるぐる回るような演奏でした。

YouTubeの概要欄をご覧になってみてください。
もう、そこだけでも「はい、これ清水さん」って判るほど清水節がスパークしてます。
概要欄の文言をググりながら読んだの初めてかも。

アンビエントって環境音楽のことなんですね。
でも確かに「宇宙っぽいな」ってふんわりイメージしながら聴いていて、途中で森林の映像が入っても違和感なかったんですよ。
だから、ちゃんと音で伝えられてるってことなんですよね。

きっと清水さんは「難しいことを言ってやろう」とか「難解な音楽をやってやろう」みたいなことは思ってないと思うんです。
むしろ「お楽しみください!(にっこり)」っていう真っすぐな熱意を感じますもん。

話は最初に戻って「ベースとは」。
コントラバスなら空間を鳴らして、エレキベースなら弦を振動させてピックアップで拾ってアンプで出す。

この清水さんの動画は、こう…ちょっと表現がアレですけど「ベースがコントローラー」みたいな。
弦ごとに音色が割り当てられてるというのが私にとっては異次元で、まるでコントローラーみたいに感じたんですね。
なんだかんだ5回ぐらいリピートして、どの弦がどんな鳴らし方でどういう音が出てるのか聴いて楽しみました。

5:Seamoon FX / Seamoon Funk Machine Review

今回はエフェクターの試奏動画なので、正直ちょっと私にはハードルが高かったんですね。
でも、別の部分ですごく感動したので聞いてください。

それは、清水さんのブログ
今回の動画について書かれてあります。
その一部。

今回、初挑戦したナレーションは、意外と難しくてびっくりしました。
アナウンサーやラジオDJのプロってすごいんですね!!
日本人なら日本語は喋れるのが普通だと思っていますが、綺麗に喋ろうとすると難しいのです!
今回は暮れから、2ヶ月程度、アナウンスの教材を手に入れて基礎練習を敢行。
拙い結果ですが動画として使用できると判断する状態になるまで、そのくらいの練習期間を必要としました。

すごくないですか。
この…なんていうんですか…言葉が追いつかないんですけど「執念」レベルの探求心
本当に清水さんらしい。
すごいです。

私は17歳からミュージカルの世界で勉強をしてきたので、発声や滑舌の基本的なところは通ってきました。
「ういろう売り」とか「あえいうえおあお」とか。
生まれも育ちも大阪なので、アクセント辞典を調べる習慣とか。

でも清水さんはベーシストじゃないですか。
だから、なんていうか普通はそこはスルーすると思うんですよ。
だって「伝える内容」がメインだから。

なのに清水さんは、伝える内容はもちろんのこと、動画編集や話し方までしっかり勉強して「伝える内容」と「伝える技術」の両輪を整備されているんです。
すごいなぁと感動しました。

6:BOSS / AW-3 DYNAMIC WAH Review (Bass)

いやぁ楽しかった!
エフェクターの試奏動画は苦手意識があるというか、敷居が高いというか、途中で飽きちゃ…ゲフンゲフン…今までは避けてきたんです。
でもこれは面白かったです。
もっと正しく表現すると「楽しませてもらえた」というか。
清水さんが言葉で説明している時は、正直「う…うん…なるほど?(私はついていけてるかな?)」って感じなんです。
でも弾き出すと「あぁ~そういうこと!分かる!」となりました。
実際には細かく理解できてなくても、音によってトーク部分の意味が分かるっていう「分かる」レベルかもしれませんが(照れ)。

なんていうか当たり前に聞こえるかもしれませんが、違いが分かりやすい弾き方とか設定を熟知されているような…?
私は素人なので「ぜんぶ同じベースラインを同じ奏法で弾いてくれたら違いが分かりやすいかも」って思っちゃうんですけど、たぶんそうじゃないというか。
そんなことは分かったうえで、あえてその設定の良さが生きるラインを弾いているような気がします(主観)。

以前から「アンプ直は女性のすっぴん」と表現している私なので、ちょっと例え方がアレですが聞いてください。
清水さんって、デパコスのカウンターでメイクしてくれる売れっ子の美容部員みたいなんです。
「これはとても発色が良いので、頬に乗せると〇〇ですが全体に乗せると〇〇ですごく使いやすいですよ~」とか言いながらメイクして「あっ本当だ!」って驚かされるみたいな。
視聴者(わたし)に専門知識がなくても、技術があるからトークが伝わりやすいという。
(で、家に帰って自分でやったらBAさんにやってもらったような仕上がりにならない感じも同じな気がします 笑)
楽しかったです~!

7:Don't Start Now Played With BOSS SY-1000

カッコいい!
特に、0:55~と1:50~で後ろがダンサブルじゃなくなってジャーンっていう感じになるところ。
そこのトゥットゥーンの1回目(0:59と1:54)と、その後で小気味よく動くところ(1:03と1:57)のタイミングがすごく好きです。
それと、1:16~が分かりやすいんですけど、指弾きとプルの間みたいな音がちょうど良い塩梅のアクセントになってて好きです。

で、原曲を知らなかったので清水さんの動画を見てから原曲を聴いたんですけど、さっき私が書いたポイントは清水さんオリジナルだったんですね。
前者の方なんて鍵盤ですもん。
後者の方も、最後はプルっぽくなってるけど普通の?プルだし。
カバーだけどコピーじゃなくて、でも原曲を清水さんなりに敬愛しているっていうのが伝わる良い「弾いてみた」でした!

清水さんの動画レビューって、もうちょっと高尚なことを書かなきゃいけないんじゃないかって思わされる凄みがあるんです(勝手に)。
でも、これからも私らしく「ベーシストじゃないただのベース好き」として書いていきたいなぁと思います~

8:【BM連動企画】スラップであらゆる表現を自在に

8作目は、2021年5月号のベースマガジン(P76~79)と連動した企画。
私は、動画を見る前にベースマガジンを読みました。

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ベーシストじゃないのにベーマガを購読している私ですが、お目当てはコラムやインタビュー系。
機材紹介とか奏法解説はササッと眺める感じなんですね。
だから清水さんがスラップを解説した今回の記事も、ちょっと敷居が高い予感が…。

でも、読んでみると面白かったんです。
けして簡単なことを言っているわけじゃなくて、むしろかなり難しいことを説明しているのに面白い。
これが清水さんのすごいところですよね。
たぶん、清水さんがベースめちゃめちゃ好きなんだろうなぁ(普通の感想ですみません)。

特にグッときたところを箇条書きにしてみます。
・スラップを3タイプに分けて命名
・安全であることを重要視
・スタビライザー=ピックアップフェンス
※私なりの理解なので、ちゃんと知りたい人は誌面を見てくださいね~

「パーカッション型」「ピック型」「ウッドベース型」という命名と、実際に演奏しているベーシストを挙げた説明がすごく分かりやすかったです。
言語化が上手だなぁ~

動画の最後でもきちんと「安全」について言及されていたのが、清水さんらしくて素敵。
ロジカルな説明ってちょっと冷たく聞こえたりするんですけど、実は「気合!」とか言われるより丁寧で優しい指導方法なんですよね。

スタビライザーについての説明も面白かったです。
脱力の説明もそうですし、マーカスミラーの例を挙げたところも。
というか「マーカスミラーがピックアップフェンスをスタビライザーとして使ってる」みたいな(あくまでも私の理解)文章で、スタビライザーのイメージがハッキリしました。

さて、ここから動画についての感想です。

誌面の感想でも「言語化が上手」って書きましたけど、動画でもそうなんですよ。
普通は「言葉で理解したい人は文章を、プレイで理解したい人は動画をご覧ください」って感じになると思うんですが、清水さんはどっちもロジカルというか。
なんだったら、プレイそのものもロジカルっていう感じ。
「聴けば分かる」てきな説明じゃなく、譜面と言葉でしっかり全部説明してから、その通りにプレイする…っていう。

説明も「簡単ですよ」とむやみに敷居を下げたり「これは激ムズですwww」って盛ることなく、すごくフラットなんですよね。
まぁ…フラットな結果が「高難易度手順の総合デパート」っていうアレな表現になっちゃうところが恐ろしいんですが(笑)。
説明部分がプレイより長いですけど、ぜひそこも飛ばさずに聞いてほしいです。

難しいことを、それ以下でもそれ以上でもなく正しい難易度として理解して、その実現のために手順を組み立てる。
そういう数学みたいなプレイだから、あんなに冷静な手元なんでしょうね。
それでいて音はちゃんとワクワクするところが清水さんだなぁって感じました。

※同じ誌面(ベーマガ5月号)のP178~179に掲載されている記事はデジマート・マガジンと連動していて、試奏動画が見られます。

9:Zombi Cover LIVE by Elements of Quartz

これ「“Zombi Cover LIVE ” ( Performed by Elements of Quartz ) Bassment Party Live Vol.72 2019 7/5@club251)」っていうタイトルだから気づきにくいんですけど、地下室の会ライブ映像ですよ~!

しかも私が初めて清水さんの演奏を聴いて衝撃を受けたあのライブです。
なんかこう…懐かしいじゃないんですけど、当時の「すごすぎて笑う」みたいな感覚を思い出してニヤニヤしてしまいました。

以下がその当時書いたライブレポを移したnote。

そして予想以上というか、予想以上なのが予感通りって感じのプレイで。
最初はアップライトだったんですけど、すっごい超絶技巧なのに退屈してそうというか、指が余ってるように感じるというか。
まだまだぜんぜん余裕ですけど~というのがヒシヒシと。
だからギターの音が出るテルミン(造語)の操作もあわただしさとかなくて、むしろベースのネックを手の代わりに近づけたりとか、もうホント余裕って感じでした。
変身前のフリーザみたいでしたよ。(一部の人にしか伝わらない表現)

我ながら「そうそう!」って今でも共感するっていう。

動画はけっこう遠い場所からの画なので、清水さんがちょっとエキサイトしてるように見えると思うんですけど。
現場でかぶりつきで観てると、それすらも「エキサイトしている風のパフォーマンスをすることでお客さんを乗せる」みたいな冷静さが感じられたんですよ。(いつものように勝手に言ってるだけですよ~)

ライブ動画の前に、ご本人の解説が入るのイイですね~。
私はベースラインを追う時は他の音がノイズキャンセルみたいに薄くなるので、副音声みたいに喋られるとちょっとアレっていうか。
だから、こうやって演奏の前に解説してくれるスタイルは私好みでした。

演奏も解説もすごく難しくて、例えば「ベース知らない人でも楽しめますよ」みたいなオススメはできないんですけど、逆に「潜水艦で海溝探索しているみたいなワクワク感ありますよ(ニヤッ)」みたいにコッソリ分かる人にだけ勧めたい感じ
YouTubeの動画は50年先でも残っていると思うので、ジワジワと観る人が増えたらいいなぁと思います。

10:Resolution LIVE by Elements of Quartz

地下室の会ライブ映像を動画にした第二弾。
前回の動画と同じライブですから、この演奏は現場で実際に見ています。
でも、動画を見て「あれ?こんな感じだったっけ?」と。
ちょっと書き方が大変アレなんですけど、より正直に書くと「こんなに長い曲だっけ?」と。
それぐらいライブが凄かったという意味です。

で、これは私が勝手に感じたことなんですけど、もしかして清水さんは「動画よりライブが良い」とか「これをライブで見たい」と思わせる作り方をしてるんじゃないかなぁ…なんて。

だって、上下左右にすごくスペースがあるから、さすがにもうちょっと寄ることはできると思うんですね。
でも、あえてそれをせず「臨場感を出しすぎない=動画だけで満足させない」工夫をされているんじゃないかと。

ぜんぜん違うかもしれませんけど()

前回も書きましたが、演奏を聴く前にご本人が解説してくれるの良いですね。
特に、清水さんがアドリブで弾いているのを、キーボードの堀越さんが絶対音感で聴きとって瞬時に音を出しているという部分。
私みたいな楽器をしない人は「そう言われてみれば凄いことしてる!」と気づけるから有難いです。

あ、それと。
「けしてフリージャズにはならない」のところで、地下室の会でのMCを思い出してニヤニヤしました。
確か「メンバーを決める時にジャズを弾ききれるという基準はありました」みたいな。
清水さんの、過小評価も過大評価もせず高みを目指す…みたいなカッコ良さが出ているような気がして、とても良かったです。

というわけで、清水さんのYouTube動画の感想でした。
皆さんもぜひチャンネル登録を~!

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記:2021年1月4日(追記:2021年5月22日)

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