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俳句と川柳の違い


👇俳句についての記事をまとめてあります。
随時追記あり。ご参考になれば幸いです。
(´>∀<`)ゝ


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●俳句と川柳の違い

俳句を作ったはずなのに
「あれ?川柳っぽい?」(";△;)
と思うことしばしば・・・。

では川柳との違いは何でしょうか?


季語があるのが俳句で、季語がないのが川柳?

俳句には季語を入れるという約束事があるけれど無季語の俳句もありますし、季語の入っている川柳もあります。
季語の有り無しだけで区別はできなそうです。

真面目な文芸が俳句で、笑いの文芸が川柳?

確かに川柳は「笑い」の文芸です。サラリーマン川柳とか面白いですね。
しかし俳句にも「笑い」の作品はあります。
明治34年「滑稽こっけい俳句集」が正岡子規の弟子、佐藤紅緑こうろくによって編まれています。江戸時代より明治時代に至る滑稽句を集めたものだそうです。
「滑稽」は「笑い」です。
どうやら「笑い」は川柳だけのものとは言いきれないようです。

文語で詠むのが俳句で、口語で詠むのが川柳?

うーん。最近は口語で詠まれた俳句もありますよね。
川柳はもともと柄井川柳からいせんりゅうという人の名前。江戸時代の方ですからこの頃の川柳は文語じゃないかな~?(知らんけど)

俳句は四季や自然の描写を通し、心象を表現するもので、
川柳は世相、風俗、歴史、人事などを風刺的に描写するもの?

表現方法の違い。これは何となく分かる気がするけど、風刺的な俳句もありそうな・・・。


うーん。むずかしい。
もっとこう、バチッと「これだ!!」
という答えが欲しい。


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●俳句と川柳のなりたち


俳句と川柳の成り立ちを確認します。

和歌→連歌→俳諧はいかい俳句
和歌→連歌→俳諧→川柳

俳諧から俳句と川柳に別れてます。ココがポイント!☝️
(ただし別れた時期は違います。)

俳諧というのはマジカルバナナ的に、数人で句を連ねていく文芸です。江戸時代に流行ったそうです。
🍌🍌🍌

代表的な【三十六句の形式の俳諧】を簡単にまとめます。

①一句目。五七五を詠みます。これを発句ほっくと呼びます。
決まりは「季語をいれること」「切れを入れること」
②二句目。次の人が一句目を受けて七七を詠みます。これを脇句わきくと呼びます。
③三句目。次の人が五七五を詠みます。第三だいさんと呼びます。
④~㉟は五七五と七七を続けていきます。
季語はあってもなくても構いません。切れ字を入れてはいけません。平句ひらくと呼びます。
㊱最後の七七は、春の穏やかな句を詠んで終わりです。挙句あげくと呼びます。

これが俳諧です。
ここから【俳句】と【川柳】に別れていきます。


●平句を付ける稽古から川柳がうまれた


平句を付ける稽古として始まったのが前句付まえくづけです。(七七の前句まえくに五七五の付句つけくを付ける)
前句付は江戸時代に流行したそうで、柄井川柳からいせんりゅうという人の前句作品を選ぶセンスが人気で、特別に「川柳点の前句付」と呼ばれました。(つまり川柳セレクト👍)
そして七七の前句がなくても五七五の付句だけで充分に鑑賞に耐えうる作品を集めたのが【誹風柳多留はいふうやなぎだる】です。

●正岡子規により俳句が生まれた


明治時代、俳句の革新を目指した正岡子規は、
「発句は文学なり、連俳れんぱいは文学にあらず」
と主張して、俳諧を切り捨てました。
残ったのは発句だけ。
詠み連ねていく連俳(連句)を捨てたので、発句という呼び名も捨てて、俳句と呼ぶようになりました。




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●まとめ「俳句とは」

発句→俳句
発句は「季語がある」「切れがある」のがルールでした。

平句→川柳
平句には季語はあってもなくても構いません。
脇句、第三、平句には切れ字を用いてはなりません。切れ字を用いると一句に完結性がもたらされ、前句に付けることも、後の句を呼び起こすことも不可能になるためです。

つまり、川柳との違いは、「切れ」があるかないか、という事になります。
俳句には切れ又は切れ字が必要。
川柳は切れ字を用いない。

俳句とは
●五七五で詠む
●季語を入れる
●切れ又は切れ字を入れる


●おまけコラム●

一応の結論は出ました。
しかし、【川柳に切れ字の使用は原則禁止されているが、絶対に使ってはいけないということではない】という情報もあり、切れ字を使用している川柳も存在するようなのです。
(/´△`\)あれま

例えば下記の川柳作品
湯豆腐のうまく掬えぬ人が好き 杉山昌善

プレバト!春光戦の予選2位の俳句作品
春昼やこんどの人はパンが好き 筒井真理子

川柳作品の「湯豆腐」は冬の季語でもあります。切れはありません。
俳句作品の「春昼」は春の季語。上五に切れ字「や」があります。


でも景は似てますね。
プレバトの俳句は予選2位の句で、季語を工夫すれば1位だと夏井いつき先生のコメントがありました。つまり【パンが好き】の俳句は夏井先生が俳句と認めていらっしゃるのですね。


俳句も時代と共に進化しています。
風俗や人事を詠むこともあるし、固有名詞やアルファベット、記号の入った句もあります。
川柳だって、切れ字を使用する場合もあります。
俳句と川柳、お互いに進化してきて垣根が低くなったのかなぁと思いました。
私は個人的には素敵な事じゃないかと思います。
俳句も川柳も、楽しく詠むのが一番大事だと思うから。
(b`>▽<´)-bイエーイ☆゛


袋小路 綴乃ふくろこうじとじの



参考図書:

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