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TTL47 「ここがへんだよ日本の教育、いいんだよ日本の教育」レポート

GEG Hiroshima City×問い立てラボ 共同開催
「ここがへんだよ日本の教育、いいんだよ日本の教育」
2022年5月28日(土)19:00~21:00 実施レポート
(筆:山﨑)

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0.はじめに

※日本と中国の学校の両方にお子さんを通わせた上海在住11年のゆきかさんと、2年間上海在住の山﨑が見て感じた個人的な情報です。偏っていたり、部分的に誤っていたりすることもあると思います。
また「ヘンだ」と思ったものも、逆の見方をすると「いいもの」にとらえることもできます。どちらが正しいと考えるのではなくて、自分の身の回りの教育を見直してみるといいと思います。

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1.二人のお子さんが通った小学校の様子

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日本の学校の正門に警備員は立っていないし、小学1年生から一人で登下校してる。
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正門の掲示板に子供の成績が・・・。そんな時代って日本もあったような・・。
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日本と中国の子育ての考え方や子供への愛情表現の違い。中国では子供がかわいそうという考えから、手伝ってあげることが当たり前だという。

日本の親の感覚だと「自分で持ちなさい!」だけど、その考えも古いのかも。なぜなら、日本ではこんな商品に非難が殺到しているという。↓
小学生に大人たちの批判が1000件超【悲しい発売】

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日本だと全員で発表したり、全員で体育祭も種目に出場しますよね。ここは考え方が違う。中国ではすべて勝ち負けが優先され、競争が激しいという。
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「眼の体操」、これは日本でもやっていいのでは?

中国の小学校で必ずやっている眼の体操

2.まだまだある、日本との違い

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ゆきか談
◯いじめはない。学校に行く目的が中国は勉強だけだから、人に関わっている時間がない。中国では友達に関わる時間がなく、単独で行動し、グループにならないので友達の輪がない。よっていじめが発生しづらい環境。
◯国語の教科書を毎回暗記
◯親が家庭で宿題を教える。親が横にいないと無理な質と量が出る。宿題をやっていないと廊下に立たされる。
◯家庭の経済状況や教育レベルが子供の学力に影響が出る。

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ゆきか談
◯給食を食べられない子に親が呼ばれて食べさせることがある。家庭でも、親が子の口まで運ぶこともよくある。
◯生徒の名前は呼ばない。番号で呼ぶ。

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ゆきか談
◯教師のモチベーションは生徒の成績を上げること。生徒の成績を上げて自分の成績を上げるため必死になり、教師は常に感情的な言動。
◯何をするにも段階をふまない。例えば、美術の絵を描くときに、鉛筆で下書きをせず、いきなり油性ペンで描く。段階を踏むということを知らないまま育つ。
◯想像力、創造力、技術力が育たない。学校は勉強だけ。自発性や協調性も育たない。ロボットのように詰め込まれるだけ。

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ゆきか談
◯日本の学校は、英語と中国語が弱い。でも心と体の教育、人間関係などを学び、コミュニケージョン能力やチーム力を伸ばすことができる。図工やポスター作りなどの制作物も充実している。
◯子どもたちの計算力と暗記力はかなりついた。日本人はメモすることを当たり前だと思っているから暗記させることをしない。中国人は暗記力がすごい。でもメモしない。

4.中国と日本の違い、まとめ

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小学2年生でこの文字量は多い!(補足:中国の場合、正解は「✓」、誤答は「×」です。)
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そっか、九九は半分でいいのか!数学の教員をしている私でも気づかなかった。
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小学1年生から、この辞書を持ち歩く。この字の小ささ、情報量は日本の小学1年生ではできない。

5.山﨑が考える、上海での気づいた3つの「ない」

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●統一感が「ない」
(解説)先生によってレポート提出方法が異なったり、試験範囲を示すときも先生によって提示方法が異なったり、本質以外のところで時間や労力がかかりすぎている気がする。
(逆に)日本では、会計方法が多用にあるように、コンビニに行っても商品のバラエティーが豊かな国。上海ではここまで種類が多くない。統一しないからこそ、日本は創造性が豊かになるのではないか?

●お金をかけ「ない」
(解説)ある中国人に「なぜ日本は公立の学校はお金がないの?」と言われた。中国の公立(ほぼ国立)の学校に国が投資する額が大きい。また、家庭内の出費の割合も教育にかける額が大きい。
(逆に)中国の先生の給料は少ないという。聴くところ、日本の先生に比べて半分くらい。おかげで日本の先生は、お金のことを気にせず教育に打ち込めるのではないか。

●リスペクトが「ない」
(解説)中国の生徒に学校の特徴を聞くと、「私の学校は、先生が素晴らしい!分かりやすくて優しくて熱心です。」と平然と言います。毎年9月10日「先生の日」には、先生へ花や手紙を送る文化もある。日本の学校でも母の日・父の日に特別なことは行わないが、中国の学校ではイベントや手紙を書いたりするそうです。
(逆に)日本は自分のことを自慢するより、自分を下げて相手を謙譲する文化がある。賛否はあるかもしれないが、これが日本の文化であり、美徳である。日本の先生が生徒に「先生はえらいんだぞ」と教えるのはとてもはばかれる気がします。
ちなみに、日本は諸外国と比べて自己肯定感が低いというのは、本当に低いのか、山﨑は疑問である。

6.山﨑が考える、ここがいいんだよ日本の教育

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◎地域が安全
小学生が一人で登下校する国は他にないのでは?子どもたちが学校の周辺を気軽に学びのフィールドにできるのは日本ならではだと思う。

◎特別活動
日本に留学したい高校生が憧れるのは
「日本の部活」と「体育祭・文化祭」
です。体育祭の種目も豊富で、文化祭も時間をとって準備するようなものは中国にはない。部活に至っては、中国にはほとんどない。
放課後の部活動の在り方は議論をされているが、放課後に生徒が自分でアクションを起こせる時間があることは憧れるみたいです。

◎探究学習
中国には、詰め込み教育がまだまだ一般的です。知識は暗記するものではなく、知識は使うものというマインドが日本には芽生え始め、自己の生き方在り方を考える探究学習が走り出している日本に期待している。


最後まで読んで頂きありがとうございました。イギリスに行っても日本の教育を見つめ直していきたいです。

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