数学 Project note#3【数学全般】算額プロジェクト
テスト・受験のためだけの教科書”を”教える授業からの脱却を目指し、高校数学のプロジェクト学習を紹介する記事です。お気づきなことがあればご指摘いただければ幸いです。
0.はじめに ~3種のプロジェクト~
生徒にはこのような話をします。
(なぜ、数学プロジェクト学習が必要なのか、を話をした後に)
数学プロジェクトには大きく3種類あります。
今回、行うプロジェクトは、日本人には古くから数学を楽しむ文化があったことの歴史を追体験する「知的発見型」と算額を創る「創造型」になると伝えました。
1.日本人には数学を楽しむ文化があった
江戸時代にベストセラーになった塵劫記(じんこうき)とよばれる数学の本がでました。以下の問題は生徒と考えると結構盛り上がります。
ベストセラーになった塵劫記の続編「新編塵劫記」が出版され、これまたバカ売れになったのですが、「塵劫記」と比べて「ある工夫」をすることで、一層バカ売れになりました。では、その「ある工夫」とは?
参考:『タカタ先生の笑う!さんすう教室#2』(生徒と一緒に見ました。)https://www.youtube.com/watch?v=0BHB3GsTAa8
2.超バカ売れした理由とは?
「ある工夫」をすることで超超超バカ売れした「新編塵劫記」は「あるものを無くした」のでした。
それは、「解答を無くした」のでした。
そこで、解答を求めて盛り上がる庶民たち、問題が解けたらみんなに発表したくなるのが人間の性。そこで、当時はみんなが集まる場所「神社」に自分の回答を奉納したのです。(コンビニでたむろする若者やゴミ捨て場前で話が盛り上がる奥様方のよう)
ちなみに、日本の神社の数はコンビニの数より多いそうです。(神社約88000か所、コンビニ56000か所)
その神社に解答が解けたことに感謝し神社に奉納する意味と、みんなに見せるびらかす意味もあったようです。
さらに、発展していったのが、解答を神社に掲示するだけで物足りず、「問題を作って出題(遺題という)」をし始めたのです。その問題がまた庶民の関心を呼び、問題に答えては出題する(遺題)ことが流行したのです。
このような流行により「算額」が誕生しました。
解けたことを投稿したり、みんなの関心を集めるために投稿するSNSみたいですね。
3.生徒の成果物(一部)
実際に、算額のように、学校の廊下へ掲示しました。↓
4.生徒の振り返り
5.最後に
数学が江戸時代に庶民で流行するほどの感性を持つ日本人は、特別なのでしょうか?見渡せば、漫画、映画、小説、TV番組など数学を楽しむ文化に溢れています。それらは日本だけでなく、世界中に溢れていると思います。
自分の数学の授業は、数学を愛する気持ちを殺いでしまってはいないだろうか・・・(自問自答)
最後まで読んで頂きありがとうございます。ワクワクする数学教育の一助になれば幸いです。
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