塔に出した自作の月詠まとめ 2023年4月号~6月号

結社誌に掲載された3か月分の歌をまとめます。この号までが若葉集でした。リーフグリーンというのか、この3号は表紙が素敵な緑色です。

2023年4月号
両手からこぼれるひかり半休は湯水のようにお日様がある
背の高いハンバーガーは取り分けて発展的に解散しよう
ラザーニャに似たふりをしたラニーニャはラテンの響きなのに冷たい
牛だなあ旬のりんごでお茶にして秋の牧場を想ううたた寝
バクラバは病葉に似てパイ菓子は切り分けた時もろく砕ける
ステージが4の教授のピアノに泣く私は人を癒せているか
鏡餅の裏面に描いてあるような鏡開きに人が足りない

2023年5月号
今月は早くインクが減るわけを暫したどってゆく走馬灯
温かい座席の下に足を寄せ今日の車内はお行儀がよい
日脚伸ぶ園芸店に幾鉢も今が盛りと咲くクリスマスローズ
刻んでるそばから香る柚子の皮ほんとは隠し味だったのに
ほろ酔いでGO TOをする登別入浴剤が頑張っている

2023年6月号
御時勢で短くなった御塔婆がからから揺れている三回忌
不燃ごみ有害ごみとより分けて袋の陰にナガミヒナゲシ
世の中がマスクを捨てるより先にもう口紅を捨ててしまった
四月からそのヘルメット努力義務なのねと義母は視線を逸らす
フォントにも二重敬語をするように御社名だけ大きめにする
うつ伏せるマスターの背に影落ちてバイト募集のカフェに夕暮れ

6月号にて若葉集を終えての欄に一言を載せていただきました。そこにも書きましたが入会を悩むだけで五年もかかるスローペースです。慣れるのにもまだまだ時間がかかるでしょう。短歌のある生活を末永く楽しんでいきたいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

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