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統計表の数値じゃない箇所は…

公表されている各種の統計表を見ていると、数字があるべき箇所で数字ではない記号だけが書かれている場合があることに気が付くと思います。これは統計としては数字が発表できない事由があるため、それを記号で知らせているのです。

実際どの記号で何を表すかについては、法律や標準があるわけではありませんので、各統計の注記を見ていただくことになりますが、以下ではそのような表記が必要となる典型的な事由を紹介します。

秘匿

集計といっても実際には対象者が1人しかいない等、個人のプライバシーを公開してしまう結果になることがあります。そのような場合には数字は公表できませんので「秘匿」されます。

もっとも、どこまで秘匿するかは大変厄介な問題で、合計欄の数字からそれ以外の項目の値を引いて秘匿されていた数値を逆算できてしまう場合が結構あります。大人の対応をお願いします(なお統計によっては秘匿を除いて合算という配慮がされているものがあります)。

不明・未詳

要するにわからないので、数字が無い。究極の事由ですね。当然合計値も、本来の集計項目の中にわからないものを含んでいるので、自ずと実態をどれだけ反映しているかは「不明」になってしまいます。

統計はそういう点でも慎重に見るべき情報なのです。

実績なし

0と実績なしとどう違うの? と疑問に思うかもしれません。この区別を行う必要がある場合がいくつか考えられます。

例えば、本来 0でない数字がありえるところ、たまたま 0だった場合と、そもそも絶対に0以外ありえない場合を区別したいとか。
具体的には、市町村別の「自動車」の生産量という統計があったとして、そもそも工場が存在しているなら 0以上の数がありえますが、何らかの事情で 0の時がある。一方工場が存在しないところでは 0以外ありえない。といったことが考えられます(あくまでも例のためのものなので本当にそういう統計があるわけではありません)。

統計モデルの推計を行っている場合、この区別は必要になるケースがありますね。

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