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住民基本台帳

住民基本台帳とは

各市区町村に届け出られた住民票の「台帳 」。住民票は本来、各人・世帯の住所を公的に証明する目的のものなので原則公開情報です。

当然、住民票を届け出ずに居住することは可能なため、国勢調査でいうところの「居住する場所」とは異なります。

なお 2012年から外国人についても住民票の届け出が可能となっています。

実際にはこの情報ソースからいくつかの統計が集計公表されているので、以下では、それらの統計について解説します。

住民基本台帳から作られる統計

住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数

住民基本台帳に記載されている人口・世帯の情報を集計した人口統計を指します。

総務省が、毎年 1月1日時点での集計結果を取りまとめ発表している統計で、都道府県別や市区町村別での人口と世帯数、及びその動態(転出、転入、自然増減)を掲載しています。外国人に関しては、国籍別の集計は無く、日本人、外国人の別のみ。発表は毎年 8月頃。

住民基本台帳人口移動報告

上記と同様に住民基本台帳を集計したものですが、毎月、人口の移動に焦点を当てて集計している点が特徴です。ただし月次では都道府県、大都市別までしか公表されません。年次集計でのみ市区町村別が公表されます。

人口推計

厳密にいうと住民基本台帳だけから出来ている統計ではありません。国勢調査の結果について、調査時点間の時点について下記の統計調査を用いて推計して求めた統計です。

  • 出生児数及び死亡者数 「人口動態統計」(厚生労働省)

  • 出入国者数 「出入国管理統計」 (出入国在留管理庁)

  • 国籍異動 法務省資料

  • 都道府県間転出入者数 「住民基本台帳人口移動報告」(総務省統計局)

なお、集計項目は国勢調査ほど詳しくはありませんが、国勢調査ベースの趨勢すうせいがわかるという点では重宝します。なお国勢調査と同様に国の基幹統計に指定されています。

各自治体発表の住民基本台帳人口統計

住民基本台帳は各市町村が業務として維持管理している情報ですので、各市町村が独自に集計公表している場合があります。これらの統計は上述の国が行っている統計よりも最新の値が得られる点で貴重です。ただし集計項目については各自治体毎に異なります。

使いどころ

国勢調査と異なり住民票ベースということを踏まえれば、比較的最新情勢がわかる正確なデータとして重宝します。最新値という点では人口推計も役に立ちますが、より詳細な集計項目となると、利用せざるを得ないと言えましょう。また特定の自治体(例えば東京都)に限っての利用ではこれに勝るものは無いといってよいでしょう。

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