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実践すれば間違いなく単価が上がる「すごいライター」になる極意

私は、編集者とよくご飯を食べる。そうすると、「ライターについてどう考えているのか」という観点で、大変勉強になる。特に、編集者さんがライターさんについてポロッとこぼす愚痴は「すごいライター」になるヒントなのだ。

というわけで、これまで編集者さんの愚痴を楽しみに聞きながら抽出した「すごいライター」ってどんな人? という要素を並べたい


「すごいライター」は、募集要項を読んで連絡をくれる

募集要項を読んでください

たとえば、あるWeb媒体がライターを募集したとする。その媒体はそこそこ名が知れていたので、応募が100件以上きた。ところが、応募者のほとんどが「まともに募集要項を読んでいない」のである。

募集要項を読まずに突撃してくるライター応募者たち

たとえば、募集要項が以下のとおりだったとしよう。

  • ファッション、コスメに関心がある方を募集します

  • 実際の体験談をもとに、記事を書いていただきたいです

  • SEO対策よりも、SNSで拡散される記事作りを目指しています

  • 過去のご経歴を記載の上、メールでご連絡ください

このうち、もっとも「読んでいない」層は、公式SNSへメッセージを送ってくる。「メールでご連絡ください」と書いてあるにもかかわらず、だ。

続いて、いかに御社のファンか、いかに媒体が好きかを語ってくださる長いメールが来る。それは募集要項に書かれていない。したがって、一言添えるだけならまだしも、延々と採用担当に読ませるべきストーリーではない。
それよりも募集要項にある「ファッション、コスメに関心がある」部分で、いかに自分が知見を持っているかアピールすべきだ。

そして、もっとも多いのが、なぜか全案件に「SEO対策を得意としています」と売り込んでくるライターである。

「募集項目にSEO対策不要って書きましたよね。それより実体験が必要って言いましたよね!?」と、採用担当者を怒らせるのはこの応募だ。なぜトンチンカンな応募文を書くかというと、コピペで多数の企業に応募文を出しているからである。募集要項を、読んでください。

なお、最悪のパターンだと一行メールで、
「応募します」
とだけ届く。メールのタイトルも、署名もない。いったい何の応募? あなたは誰? さすがに返信を貰えることすら、期待しないでいただきたい。

「すごいライター」は募集要項に合わせて応募文を変える

対して、文字単価がアップする「すごいライター」は、応募文の段階で差が出る。相手に合わせて売り文句を変え、応募してくれるのだ。

たとえば、先程の募集なら、こう書き始める。

初めてご連絡いたします。
ライターの○○と申します。

私はコスメ・ファッション関連の記事制作を得意としており、
これまでに10媒体以上で執筆してまいりました。
特に得意な分野は基礎化粧品です。
貴媒体は基礎化粧品に関するコラム記事で体験談を豊富に掲載されていることから、少しでもお力になれればと思い応募いたします。

コスメ・ファッション関連の実績では過去にこういった記事を書いておりますので、ご高覧いただければ幸いです。

肌に優しい「本当の綿」ってどれ?工場見学で分かった肌触りの本質
https://www.xxxxxx.xxxx

こうして見ると、至って普通である。だが、これくらいの気遣いがある応募文は、20通に1通くらいだ。だから採用担当者は感激する。

単価が高い案件=フォーマルな表現を求められる案件で応募時に切られるライター志望者たち

どれくらいフォーマルな文体で応募すべきか

続けて、「きちんと敬語が使える」ことも、単価アップに繋がる。
「何言ってんの?」
と思うかもしれないが、尊敬語、謙譲語、丁寧語が使えるライターはごく少数なのだ。

たとえば、編集者がライターを募集したとしよう。募集媒体は誰もが知るビジネス系のWeb媒体で、堅い文体での筆致が求められる。それを踏まえて募集文を書いたつもりでも、こういうメールが大量に届く。

こんにちは!
ライター募集を見て応募しました!
私は専門学校卒業後、XXとして勤務し、副業でライター活動をしています。
得意ジャンルは育児、生活、ライフハック……(以下、媒体に関係ないジャンルの自己紹介が続く)です!
過去の実績は下のリンクからご参照してもらえますでしょうか。
貴社様と働ければうれしいです!
よろしくおねがいします!

カジュアルな文体の媒体なら、これでも採用されるかもしれない。接客のバイトでも好印象だ。だが、ライティングの高単価案件では大概、業務内容に別のクライアントとの打ち合わせや取材、メールのやりとりも含まれる。この敬語レベルの人を、たとえば三菱商事の人事部長に会わせられるだろうか、いや、会わせられない。

たとえ自己PRで「堅い文体も得意です」と書かれていても、肝心の応募メールがこれでは、「本当か?」と疑念を抱かれても仕方がないのである。なにしろ、初対面の相手にライターとして応募するメール文で、すでにカジュアルなのだから。

「すごいライター」は、応募文から丁寧さがにじみ出ている

翻って、高単価案件で採用されやすいライターは応募文や契約書締結など、初期のやりとりから丁寧さがうかがえる。

Slackでもないのに「了解しました!」と一文でメール返信を送って終わらせることはしない。確認したいポイントについては「念のためお聞きしたいのですが」などと枕詞も入っている。大変お堅い。

堅いことが常に良いわけではないが、これなら企業取材や、官公庁案件でも任せたいと思われるのは間違いない。

自分の経歴と募集要項が全くマッチしていない、ライター志望者たち

その職歴記載は、応募に役立つのだろうか

ライティングの応募でありがちなのは、募集に関係ない「わたしの経歴」が、長々と連ねられた文章だ。たとえば、介護情報を提供する媒体で、ライター募集があったとしよう。

その媒体には、こんな応募文が殺到する。

初めまして。私は専門学校を卒業後、アパレル店員を5年経験しました。現在は主婦をしながら、ライターとして活動しています。アパレル業界に関する記事を多くてがけておりますので、ポートフォリオをご覧いただければと思います。

趣味はスノーボードなどのウインタースポーツで、よく家族でスキー場に出かけています。また、自宅では料理にこだわっており……。

この方が、アパレル店員としてプロであるかどうかは、介護情報媒体には全く関係ない。なにしろ、介護情報の媒体なのだから。もちろん、募集要項に近いジャンルでの経験があれば経歴を記すのにも意味があるだろう。だが、無関係な職歴と趣味は応募文にいらない部分だ。あなたが私的な領域で何者なのかは、あなたと親しくなりたい人だけが知ればいい。

特に冒頭から無関係な情報がつらつら書かれてしまうと、それだけで「この人、審査落ちで」となる可能性が上がる。実際に原稿を依頼しても、骨子とは関係ない情報を思いのままに書かれるリスクがあるからだ。

特に、「HSPです」「パニック障害です」「毒親持ちで」といった、自分のトラウマやセンシティブさにかかわる部分を、挨拶もそこそこに書いてくる人は警戒される。
*HSPやパニック障害、毒親に関する媒体でのライター求人ならOK。

「そんなこと、初対面の会議で対面していたら、会議室で言うだろうか?」
という観点で考えていただきたい。いきなりのカムアウトは、相手を警戒させる。

「すごいライター」は、応募情報に過不足がない

では、すごいライターはどのような応募文を書くのか。
応募文は極めてシンプルなことが多い。だが、そこには

  • 自分の名前(ペンネーム)

  • 募集要項に関係した職歴、実績

  • ポートフォリオ(過去実績を記したページ)のリンク

が、過不足なく掲載されている。殺到する応募の中で、必要な情報がさっと目に入る。これなら、記事を依頼しても端的にわかりやすい記事を書いてくれるだろう、と期待できる。

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