男性はかわいそうじゃない。
「かわいそうランキング」という言葉をご存知でしょうか。
「かわいそうランキング」とは、人がひどい目にあっているときに「どれくらいかわいそうと思ってもらえるか・どれくらい支援をしてもらえるか」には、序列があるという考えです。
かわいそうランキングでは、他人からの共感や同情をより多く集めることができる人ほど大事にされ、逆に共感や同情を得にくい人ほど低い位置に置かれると唱えます。
たとえば、若くて、偶然襲われた女性は「かわいそう」と思われやすく、素行に問題があり、年を取った男性は「かわいそう」と思われにくいという話です。
もともと、この傾向は「理想的な被害者」論として犯罪学者ニルス・クリスティによって提唱されていましたが「かわいそうランキング」という、よりキャッチーな言葉がうまれたおかげで、一気に広まりました。
差別主義者は「強者」に多い
男性は、追い詰められてもかわいそうに思ってもらえない。だから助けてもらえない。これは、男性自身の声からよく語られています。男性へインタビューをしていると、どんなに親の、学校の、会社のせいで追い込まれても「自分のせい」と語りがちです。
特に、弱い立場の男性ほどそうです。ネットでよく女叩きをしているアカウントを「弱者男性」と罵る人がいますが、かれらの正体は中年収~高年収で、大卒の正社員、何なら妻子持ちだったりするケースが多く見られます。
以前、SPA!さんで連載させていただいた『弱者男性パンデミック』での調査は、自分のつらさを「女性の(社会進出などの)せい」と答えた弱者男性は、わずか2%しかいませんでした。
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