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それは言葉をめぐる冒険

【読む・詠む】
①数をかぞえる
②文章・詩歌・経文などを一字ずつ声を立てて唱える
③詩歌を作る
④文字・文書を見て意味を解いて行く
⑤漢字を国語で訓ずる・訓読する
⑥(講釈師が)講ずる
⑦(外面にあらわれたものから)了解する・さとる
⑧囲碁・将棋などで先の手を考える

新村新 編 広辞苑 第五版より


文字をたどる。
行間を想像する。
会話の合間に意図を汲む。
相手の様子から気持ちを察する。


文字をたどることは、好き。
新しい知識が、情報が入ってくる感覚が好き。
文字から行間から、意味を紐解いていくその過程が好き。
先の手を考えるのも、楽しい。



会話の間や、相手の様子から気持ちを察する…は特に好きじゃない。
気を遣ってしまうのに、どうしても目や思考に入ってきてしまうから。

好きではないけど、得意なことなのかもしれない。

詩歌となると、考えすぎてしまい言葉が出てこない。 
作るには壊滅的だが、音を楽しむなら良い。

声に出すことは、文字になって横たわっている言葉を開放しているような感覚があって心地よい。



私にとっての「読む」とは探究心そのものだ。
冒険といってもいい。

文字の連なるその先に
どんな景色が待っているのか知りたくてワクワクする。
考察する、その過程にドキドキする。

相手が今、何を考えどんな気持ちでいるのかをできる限り探ろうとする。
状況を把握しようと注意深くアンテナを張る。
時にヒリヒリする。

目の前の情景や心情をいかに人に伝えるか、丁寧に言葉を連ねる。
言葉を探しているうちに言葉の中に立ちすくむ。
選んだ言葉に、声色から自分が透けてしまうことに、オドオドする。


好きで探求していく分野もあれば
特に意識していないのに探究心を働かせてしまい、苦しくなることもある。

それらは結局のところ全て、純粋な好奇心であり、それ以上でもそれ以下でもないのではないかと思う。

特に読書は言葉をたどる旅のようなものだ。

旅の果てにどんな景色が見えるのか、知りたい

それは純粋な探究心であり、立派な冒険だ。


読書が好きな私は漠然と「読む」ことが好きなのだと思っていた。
けれどそれ以外にも、色々な物事を「読ん」でいる自分に気付いた。

それらすべての「読む」冒険は
これから私をどこに連れて行ってくれるだろうか。


・・・と、ここまで考えて
その思考を「読む」ために目を閉じた。


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