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観劇 柿喰う客『空鉄砲』 ①

この毒後感は二度は味わえないだろうから拙い文章だろうと残しておいた方が良いと思ってこれを書いています

でもまだちょっとしか打ち込んでいないのに(今はメモ帳に打ってる段階)既に語彙力のなさに泣きそうになっている
やっぱり語彙力はいつになっても足りないし常に求めてしまうものだな

ぐっちゃぐちゃになる前に一つ大事なこと

ライブ配信+2/13(日)までのアーカイブあり
各3000円
https://w.pia.jp/t/kaki-kuu-kyaku/
4公演
19(水)19:30〜【本公演】
20(木)14:00〜【新人公演】
20(木)19:30〜【乱痴気公演】
21(金)14:00〜【新人公演】

新人公演は日にちによって出演者が異なり、乱痴気公演は本公演の出演者配役がシャッフルされます
13日18:00までぴあで購入可能

本当はこれを読む人がいたらその後に配信を見たくなるような感じに書きたいとか考えたりもしたのだけど、読まれる意識をして書くのが苦手だから難しくて
ただ私が後で読み返してやっぱりこの作品が好きだ〜ってなるための文章にしたいのでネタバレがメイン

★なんとなくだけど目次を分けていて
1あらすじ程度の宣伝
ってところでネタバレなしの「とにかく配信を観て私に感想を送ってくれ」って気持ちを書いているので、とりあえずそこを読んでいただいて
もうあとは配信チケットを手に入れるためURLを押していただくということで

こういうブログみたいなもので感想をまとめることをしたことはないのだけど読むことはよくある
そもそも話が出来る人が観ていない演目は自分で感想をまとめる→パブサする
これしか方法がなくて、一方通行な意見だけでもパイプライン
(中3の時CFYにハマって通っている人のブログをひたすら読んでいたのが始まりかも)

世界で1番好きなのは生の舞台で
2番目は特大感情抱えたオタクの生きた感想

同じ舞台を観て狂ってしまった人の話が少しでも繋がりとして得られたらどんなに良いかと思ってしまう
だからこそ、今これを書いているのかもしれないですね

1あらすじ程度の宣伝


(HP引用)
演劇界の風雲児「柿喰う客」の最新作は愛と欲望が支配する密室劇。 
男×男×男が激しく火花を散らす本格官能サスペンス。

(YouTube)
https://youtu.be/YTmdg8gOao0


もうこの通りなんですけどね
BLかと言われるとまあ間違ってはいないけど、そこだけで終わらせられる話ではなくて

たしかにフィクションだし台詞数は多いし3人がやり合ってるし柿喰う客の舞台なことはたしか
ただ、観客を置き去りにしないギリッギリ座席に座っていられる程度の勢いとスピード感で進んでいくからそこは安心してほしい

何より配信であれば2/13まではアーカイブ見放題だし!

何でこんなに観てほしいかと聞かれれば
完璧な答えは私自身も分からずにいる
こうやって言語化していれば答えが見つかるかなという思いもあるのだけど

演劇をあまり観ない(ミュージカルは観る)先輩にこの作品を勧めた時は、発表された時点で先輩が絶対好きだろうと思うビジュアルだったことと学生料金が安かったことと“浴びる”ことで絶対的な何かは持って帰ってもらえる自信があったから

配信は生ではないので“浴びる”ということは難しいかもしれない
ただ、私が初めてこの劇団の舞台を観た時はYouTubeだった
スマホの小さい画面の奥にある世界
それでもたしかに掴まれてしまったのだから、きっと配信でもと思ってしまう

紹介にもなっていないのだけど
騙されたと思って配信チケット買ってみてください!!!!!!!(圧)



2 登場人物


ここからは宣伝したいからでも作品を観た人に向けてでもなくただただ自分の感情吐き出して少しでも苦しみから解放されて、
そのあとでパブサして他の方の意見を読んでまた苦しむためのものなので
読まれる意識がほとんどなくなっていると思います

それでも読んでくださる方がいるのだとしたら、繋がった感想を言い合いたいと思ってしまいますね(繋がるが隠語みたい〜とか思ってるから本当にこの先は自己責任で☺︎)


さて、
もう3回本痴気を観るからキャストさんの感想はその時にしようかな
好きすぎてさ多分論文になってしまうと思うんだよね


じゃあ何を書くんだって.......登場人物の名前.......
こういうのめちゃ好き............いくらでも考えていられる
大学では日本の文学勉強しているけど専門が近世だから詳しくなくてこれ専門だったらもっと色々分かるのかなとか考える


特に何も考えず公演が終わってから先輩に「波瑠杉夏来(はるすぎなつき)って百人一首ですよね〜」とか送ってた自分が恥ずかしい

いや、全員そうだよ

【弾倉介凪(たまくらかいな)】

春の夜の 夢ばかりなる 手枕に
かひなく立たむ 名こそ惜しけれ

(訳)短い春の夜の、夢のようにはかない、たわむれの手枕のせいでつまらない浮き名が立ったりしたら、口惜しいではありませんか。

最初は弾倉ってすごい作品の内容に沿ってるな、かいなって不思議な名前だなって思っていたのだけど“たまくら”が全然意味合い違ってくる


【波瑠杉夏来(はるすぎなつき)】

春過ぎて夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ天の香具山

(訳) いつの間にか、春が過ぎて夏がやってきたようですね。夏になると真っ白な衣を干すと言いますから、あの天の香具山に(あのように衣がひるがえっているのですから)。


【一旅御幸(ひとたびみゆき)】

小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば
今ひとたびの みゆき待たなむ

(訳) 小倉山の峰の紅葉よ。お前に人間の情がわかる心があるなら、もう一度天皇がおいでになる(行幸される)まで、散らずに待っていてくれないか。

なんだこれ.......人間の情がわかる心?ああもうなんかダメだ


【網代木冬(あじろぎ とう)】

朝ぼらけ 宇治の川霧 絶え絶えに あらはれわたる 瀬々の網代木

(訳) 明け方、あたりが徐々に明るくなってくる頃、宇治川の川面にかかる朝霧も薄らいできた。その霧がきれてきたところから現れてきたのが、川瀬に打ち込まれた網代木だよ。

これだけ冬は部立からというか季節が冬だってのからかもしれないけど、歌には入ってなくて、
冬はトウさん(父さん)という響きにも掛かっているのが秀逸

「亜城木夢叶(あしろぎむと)」
バクマンの主人公2人のペンネームだけど網代木冬の本名弾倉ゆめさん(ゆめの字は分からない)なんだよね?
若干被る気がするけど気のせいってことにさせてほしい(そこまで入れられるとバクマン好きとしては今はもう無理)

最初は介凪の百人一首にも夢入ってるけど

◎夢の手枕(ゆめのたまくら)
夢の中で恋しい人がしてくれる手枕。また、うたた寝に見る夢。非常にはかないことのたとえ。

って意味でしょ?
全体的にしんどくて私は何をするにも脳内にあの舞台を思い描く
“御幸がいなくては眠れない“
夢すら見られない
網代木冬のままでしかいられない
そんな弾倉夢さんを思い描く

同じ歌の中に名前があるのが実の親子感を出しているなと感じて

波瑠杉父の名前は同じ百人一首から取られているのに弾倉母は違うということ
ここで親子ではなく父と子の関係なのが凄く伝わってくる

これを知った上で観る公演はどんなに楽しいだろう、ああ早く観たい

3 ストーリーというか終わりというか


「心中」という言葉が出てくると本当に反応してしまう
この言葉を聞いて他の人は誰を思い浮かべるのだろう
私の中で「心中」は近松門左衛門
卒論では彼の作品からどうしてあの時代に筆一本で人々を死に導いてしまったのかについて書いている
あの作品は今でいうところの週刊誌のような役割もあったと考えているが“男女が一緒に死んでしまったという結末”があってそれは皆んなが知っていて、だけど本当のことなんて当人以外はわからない
それなのに近松はその間をフィクションで埋めて作品にしている
リアリティなんてその経験をしたことがない人はわからないはずなのに妙にリアルに感じてしまう

近松の作品を読んでいくうちに私はきっと虚と実の間がたまらなく好きなのだと思っているのだが
それは柿の舞台が好きな私を1番納得させてくれるものでもある

とにかくやったら心中の話を観たり聞いたり読んだりしながら卒論を書いているから
最後の曲がKinKi Kidsさんだと分かると居ても立っても居られなくなった

「心中ver.出してる2人ぼっちのジャニーズだから聴いてみなよ」
そう言ってくれた友達の言葉を思い出しながら、解釈の一致に震えた

心の中で嘘だろ..............が止まらなかった

ありがたかったのはこの曲を聴いたことがあったこと
生まれる前の曲だから分からなかったら1回目はまた別の印象を受けて帰ることになっていたと思う

あーーーでももしガッツリこの曲というか歌詞を知っていたら
最初に「夢遊病」って聞こえた瞬間にピンポーーンって早押しクイズできたのかも

最近、曲に物語を付けるのが流行っているが
これはもうその次元を超えていた

二次創作が二次創作を呼び
混沌は二次創作から生まれると教えてくれているような
そもそも一次創作ってなんだよってなるようなそんな感覚を持たされた

『時間は若さの味方だよ』
こんな歌詞を介凪が歌うの???

あのリズムがこの作品全体を通しての圧倒的なリズム感と相まって
ただただ見惚れているしかないのかもしれないと思い始めてしまった瞬間

銃声が脳を揺らすもんだから
何を観ていたのか、それとも私は観ていなかったのか
そういう諸々のものが分からなくなった

ただ言わせて欲しい
あの曲頭から離れなくてしんどいんですけど!???????
生活に支障が出てる!!!!!


寒い下北沢を歩きながら

もしこの終わり方がハッピーエンドでないのなら、世の中の何がハッピーエンドなのか分からない

そう思った

私は御幸さんが幸せに死んでいくさまを観たってことで良いのかな?
良いですよね?

かつての夢さんに抱かれて、いや、抱いて死ねるなんてほんとなんかもう...............

カテコで存在がなくなった御幸さんを
手に入れたのは誰だったのか

既に亡くなっている『網代木冬/弾倉ゆめ』が狂わせた3人が脆く儚く自分の欲求を自分から発信する様を観て
これは幻覚だって分かっているけど

その狂わせた人物に屋敷さんを重ねてしまう

そうすることで
最も愛される男“玉置玲央”を透かして見ることが出来る気もするし(幻覚だよ?)

男性が書くそれは
女性が書くそれとは全く別物で
私が思っている以上に男性器に対する思いがあることも伝わってくると同時に、
ああ、私は妊娠できるんだよなって
毎月くるもんきてるんだよなって
思わされる

パンフを読んで余計にそう思う

普段BLというか同人誌とかそこまで読むわけではなかったのだけど、まあ文学部というものは布教活動が活発で
私が心中物やるって話をしたらぬるっと紹介されて、
自分で決めていることとして「布教は基本受ける」にしているのだけど
こんなにも読後感を変えてくれるとは思わなかった
なんでも受け入れてみるものだな

ただなんか
L=愛
だけではないから一概にBLではないと思う

心に矢印が向いているところがまた良かった
(だいぶデカめだったけど)

4 好きな作家の新刊買いに行ったら鈍器で殴られた


こういう初見の感想は早いうちが良いなというのもあって今書いているんだよね
多分文字にすれば多少まともだけど(嘘)
実際に話していたら生きていくのに支障が出るくらいの特大感情抱えているから......言葉にならない声みたいなのが出ちゃってて
吸う息より吐く方が多くて軽く命削ってる

私の中で言語化するまではあまり他の方の感想を読みたくないというのがあって、
他人の力を借りると楽に咀嚼が出来る場合もあるのだけど、それをすると本当の意味で舞台を観たことにならない気がしてしまう

中屋敷さんのインタビュー読んでて
たしかにおかゆみたいなものも量産されてきているな〜とは思いつつ
コロナ禍で華の大学2年生になって、3年生まで過ごしちゃって、時間があったからか石みたいに硬いやつとか、弾力のありすぎるやつとか、もはや空気みたいに自由なものを観て自分なりに考えて噛み砕いてなんとか飲み込んできたなと思っていた


あ〜でも、またこれも思い込みなんだよな
だって今飲み込めてないもん
そりゃ一回で完全に飲み込める作品だったらこんなに頭を悩ませてるのに心の底からそれを楽しんだりできないんだけどさ

どうしても全てを言語化出来ないことが悔しくて語彙力のなさが悲しくて勉強不足だなと思わされてめちゃくちゃ傷を負ってるのにそれが幸せに思えるんだから怖い

そもそもこの作品を咀嚼することが間違いなのではないかとすら思わされるよね
身を任せていれば沈んでいくだけなのに



演出、照明、音響、そもそもこの作品
全部好きだった

分かっていたのに
分からないふりして行くんだよな〜いつも
どうせ打ちのめされて帰ることになるって身体は覚えているのに脳みそがその記憶を消すからさ
劇場について座席座って、その時にやっと身体が「もう知らないからな」って言う
遅いよと思いつつ
本当は脳だけじゃない心も観たいって思って分からないふりしてくれてたんだなとも思う


大好きな小説家の新刊を買いに行く時に似た感覚だと前までは思っていたのだけど、今回は余計にそれだった
いやそれ以上だった

この舞台の感想を書くなら「読後感」は外せない
読まされた聞かされた
やられた〜って気持ちと、最後に残す余白の白さがあまりにも
好きですよ、たまらなく好きなんですよ、その余白
“私がハマった柿の舞台だ”
カテコの演出を観てそう思えただけで幸せだった

なーーーーんて思おうとしても
「は?こんなんで終わらないよ?何言ってんの?」
と、ようやく脳が動き出して、アフトクの準備が始まっててツーって流れてくるものがある
舞台を観て悔し泣きをしたのはいつが最初だったろうか
そしていつが最後だっただろうか
そのどちらも柿喰う客の舞台であることを私はどんな舞台を観てなく時も思い出してしまう

どうしてだろうって分かってるのにこれもわからないふりをするんだけど

「もうこれ以上の作品には出会えないのではないだろうか」

全ては“これ”なんだよね
それほどまでに好きな作品に出会えたことに感謝をしつつ同じくらい苦しくもなって幸福の奴隷状態になってしまう
逃れたくても逃れられない
このことを認めたくなくて十分殴られているのに痛くないふりしてる

今ボッコボコにされてるのにまた観たいとか思ってしまうのがおかしい
狂わされている

殴られた感覚は最初後頭部にあるのだけど、段々と全身を駆け巡っていくし
時間が経てば経つほど考えてしまって、本当に毒だった


今回も照明が最強だった
始まった瞬間これはもう良いもの観たわって気分にさせられる
全体的には青っぽい感じ、アフトクで衣装の色を青にした話をされていたからそれに合わせているのか、とにかく世界観が完璧すぎる

そこと対比していくような火縄銃と性行為の赤さが良かった


5 どうして人に勧めたいのか


私が誰かに物を勧める時本当にそれを素晴らしいと信じて疑わない気持ちがあることに間違いはないが
この苦しみを少しでも軽くしたいという己のエゴが混ざっていることもある
(この場合はそれでしかない)

だからこの作品に関して

何でこんなに観てほしいかと聞かれれば
完璧な答えは私自身も分からずにいる

なんぞと言っているが

そんなの決まってんじゃん
「一緒に死んで欲しい」から



柿喰う客に出会ってから出会う前には戻れないことの恐怖と喜び混じり合いなんだよね

これから就活が始まって自分のことを話さなきゃいけない機会が増えるだろうし
落ち着いたら私の人生狂わせたこの劇団について書くと決めた


よし、とりあえずの感想は書き連ねたので
これから2回目の本痴気を観てこよう
そして今日の帰りは他の方の感想をひたすら読んで眠ろうと思う





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