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できない文系院生の悲惨な末路(94)

どこの大学でもやっていると思っていた高校訪問.Mくん以外の門下生はやっていなかったのである.後輩Hくんが,

Hくん:「何で大学の教員がそんなドサ回りしなきゃならないのですか?」

と言ってきた.周りにいた教員になった同じ研究室のメンバーも「プッ」と笑ったように見えた.しまった,Z大学の常識は他大学の常識ではなかったのである.同期のKくんも

K君:「Mくんも大変だね.研究時間とかあるの?」

と聞いてきた.もちろん,そんなものはない.「ない」と答えると,K君

Kくん「Z大学,新入生が25人って聞いたけどほんと?」

とZ大学の新入生が25人であることを聞いていきた.聞いてほしくないことを聞いてくるなと思いながらも,照れ隠しの意味で笑いながら,

Mくん「そうなんだ,やばいよね?」

と頭をかきながら返答した.Kくんと違って少々悪意を込めた発言をする後輩のHくんは,

Hくん「まじっすかぁ?いきなりカチカチ山の泥舟じゃないすか?」

とニヤニヤしながら言ってくる.周りで聞いていた院生たちからもバカにされているようにも見えてきた.院生たちに就職するためには論文を書いた方がいいよと説教の1つもしようと考えていたのに,大学の教員になっても研究室内のヒエラルキーは依然として最下層であることを確認することになってしまった.

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