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できない文系院生の悲惨な末路(101)

嫁が実家に帰ってしまった.しかし,Mくんは常に自分に都合の良いように考えるので「自分は悪くない」と思っていた.そのうち,向こうから頭を下げて帰ってくるだろうと思いほっておいた.

気晴らしに大学時代の同期と飲みに行った.就職したあと,仕事の忙殺されプライベートな飲み会は久しく参加していなかった.そこで,たまたま声がかかったので参加してみた.

一応,就職しましたというハガキを出していたので,Mくんが大学の教員になったことは知っている.しかも,Mくんが出た三流私大では,大学教員になる人などほとんどいないので,飲み会の会場では,最初はヒーローであった.何よりもちやほやされるのが大好きなMくん,

Mくん「いやぁ,大学の教員なんて給料も安いしいい仕事じゃないよ」

と心にもないことを飲み会の席で話した.大学時代の同期からは,どんなことを教えているのか,大学では働くとはどのような感じなのか?いろいろ聞いてきた.大学院に入学以来,周りからバカにされたり,蔑まれたことは多々あるが,ちやほやされたことは皆無であったMくんは,酒の力もあり,饒舌に色々話した.さらに友人の中の一人が,

友人A「M,実際のところいくら貰っているの?」

ダイレクトに給与を聞いていた.Mくんも,自分の大学の出身の初任給はいくらか知っていたので,5万円ほど,上乗せしてかまをかけていうと,周りの動機たちは,「えっ?」という表情をしているのだ.

友人B「M,まぢで言ってるのか?」

と言ってきた.心の中でMくんは,「しまった,月給5万を水増しはやりすぎたか?」と思っている,その友人が,

友人B「まぢかぁ.確かにMが言うように,大学の教員ってもらっていないんだな」

と言い出した.その後,お前,どれぐらい貰っているの?と参加していたメンバーの給料暴露合戦が始まった.大学の学部時代,自分が試験対策で何べん教えても理解しないバカだと思っていた同期など,Mくんが水増しでかました給与の倍を貰っていた.そのほかの同期も倍まではいかないがすべてMくんが5万円水増しした金額より多く貰っていた.ネットでは大学教員の給与は高いと思っていたが,Z大学の給与は三流私大出が勤める民間よりも低かったのである.

これでは,大学教授と結婚し,セレブな生活を予想していた嫁が自分の給与に幻滅したことは想像に難くなかった.HくんやKくんが貰っていないと言っていたのでそれを真に受けていたが,彼らは単に謙遜というか自分の給与を自慢するなどデリカシーがないことをしないのでそう答えていたのかもしれないが,Mくんの場合は,リアルで高くない,むしろ平均以下であったのである.通常,大学の教員の給与は通常の27歳ぐらいを想定したものになっているのだが,どうやらZ大学そうでないらしい.

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