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【青森の掘りおこし】縄文遺跡 村の誇り

 青森県六ケ所村の村立郷土館が、村内の縄文遺跡の魅力を精力的に発信している。核燃料サイクル施設などが立地する「エネルギーの村」として広く認知される一方、貴重な遺跡が多くあることはあまり知られていない。鈴木浩館長(66)は「素晴らしい遺跡があることは地元の誇り。多くの人に知ってもらいたい」と話す。
 村内には縄文時代を中心に約150の遺跡がある。大半は1970年代以降の大型開発で見つかった。六ケ所の遺跡だけで草創期から晩期まで縄文時代約1万年の歴史をたどることができる。草創期の隆起線文土器や末期の鼻曲がり土面など貴重な出土品は多く、郷土館は遺跡の発掘体験ツアーや出土品の企画展に力を注いでいる。
 開発を優先したため遺跡は保存されず、多くは施設や道路の建設で壊された。県内の三内丸山遺跡(青森市)などは2021年、世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」に登録されたが、村内の縄文遺跡は構成資産にならなかった。
 「遺跡が現存しなくとも、その価値は世界遺産級」と鈴木館長は力を込める。「本格的な発掘調査をすれば、まだまだ貴重な資料が多く出てくるはず。村の縄文の魅力を今後も掘り起こしていきたい」
(東奥日報社)


郷土館の来館者に、村内で出土した縄文土器を紹介する鈴木館長(右)=2023年10月

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