なぜ断熱性能が高い家が必要なのか? 断熱の歴史編
突然ですが『なぜ断熱性能が高い家が必要なのか?』
僕がこの様な質問をされた時は、
1.健康に良い
2.ヒートショック予防になる
3.光熱費の削減になる
4.その他
などの説明を、させて頂きます。
しかし、現在でも無断熱の住宅がまだまだ現存しているにも関わらず、
何がきっかけで、そしていつ頃から『住宅の断熱性能』を考えるように
なったのでしょうか?
今回は家の断熱についての、歴史を簡単にでは有りますが、振り返ってみたいと思います。
『家の断熱の歴史』
1.住宅無断熱時代
日本の住宅は、『家のつくりようは、夏をむねとすべし』
これは徒然草で、吉田兼好が書いたフレーズです(西暦1300年頃)。
この頃は厚着をして暖炉で温まれば、冬は越せるが
クーラーや扇風機が無い時代ですので、夏は風通しが良くないと暑さを凌げなかったんでしょう。
ですので、この時代には断熱などと言う考えは全くなかったと思われます。
当時のこの考えは、関東以南だけだは無く
蝦夷地(現北海道)でも同じ考えだったそうです。
しかし蝦夷地(現北海道)では、さすがに寒さに耐えきれないという事で、
1953年にオガクズなどを利用した、断熱材の使用が始まったそうです。
2.断熱材登場!
本格的な断熱材の登場のきっかけとして、
1973年に起こった第一次オイルショック、
1978年に起こった第二次オイルショックが上げられます。
この時代の冬に欠かせない『石油ストーブ』の燃料である、『灯油』
この灯油がオイルショックにより『急激な価格上昇』を起こしてしました。
燃料の高騰は家計に多大なる影響を及ぼし、燃料を節約しながら冬を凌ぐ方法として国が動き、やっと断熱材が開発されました。
3.高気密高断熱住宅
現在になりと断熱材を駆使して、高断熱住宅を作ると共に
『気密』の考えも取り入れられるようになりました。
せっかく暖房で室内を温めても、気密が良くない住宅では
その温度が、外に逃げてしまう為です。
1985年に『新在来木造構法(高気密高断熱住宅の工法)』が学会から発表されましたが高断熱住宅より高気密高断熱住宅の方が暖房効率が3~5倍良いとのデータも出ています。
住宅にとっては、断熱と共に気密も重要なんですね。
4.まとめ
今回は、『なぜ断熱性能が高い家が必要なのか?』を歴史の振り返り
と言う観点で、書かせて頂きました。
生活の必要に応じて、考え方がや工法が変わってきていたんですね。
僕自身も今回のブログを書くにあたって、沢山の資料で勉強をさせて頂きました。
しかし、そうしているともう一つ疑問に思う事が出てきてしまったんです。
最近ようやく『ZEH』『HEAT20』『高気密高断熱住宅』などの言葉を聞くようになりましたが、『新在来木造構法』が発表されたのは、1985年です。
30年以上も前から高気密高断熱住宅の考えや『工法』が有ったのに、
なぜ最近まで使われなかったんでしょうか?
この続きは次回に書かせて頂きたいと思います。
それではまた次回にお会いしましょう。