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とある先生とアシスタントの日常♯46~50

♯46(2022/12/21)


「…先生、何か言って下さいよ?」
「あ、あぁ…ごめん。」
初めての真っ直ぐな「好き」に一瞬言葉を失った。
「正直言って、僕の気持ちはまだ定まってない…」
「でしょうね。」
「でも、一つだけ言いたい。」
僕の中で一つだけハッキリしてる事。
「…君に、璃々香ちゃんに会いたい。」


♯47(2022/12/22)

「…先生にしてはハッキリ言えましたね?」
「…ありがとう。」
「今、私の名前呼びましたね?」
「…ごめん。」
「名前呼びはあまり好きじゃないんです。」
「…知ってるけど、ハッキリ君に伝えたくて。」
「…私も、会いたいです。龍二さんに。」
…今まで聞いた事のない声だった。


♯48(2022/12/23)

「先生、遅刻ですよ?」
「…ごめん。」
年末の忙しい時期。会える日がクリスマスしか無かった…
街の雰囲気に僕達の関係は不釣り合いだ。
「お久しぶりです。」
「…元気?」
「先生が私の欲しい物プレゼントしてくれたら元気になりますけど…」
…その上目遣いには流されないぞ。絶対!


♯49(2022/12/24)

「先生、答え出ました?」
「…ごめん。」
「謝ってばかりですね。」
「…うん。」
「でも、キスされて嫌じゃなくて会いたいって答え出てません?」
「…でも、まだ僕からキスしたいとは思えなかった…」
「…」
「…ごめん。」
答えを出せない僕じゃ震える君を抱きしめる事も出来ない…


♯50(2022/12/25)

「先生…まだですよね?」
「ん?」
「これからキスしたくなるかも…」
「…」
「今まで通りじゃダメですか?」
「…でも、僕の我儘で…」
「私の為に、5年分の気持ち整理出来るまで側においてくれませんか。」
「…いいの?」
「…先生だからです。」
…一瞬唇見つめちゃったのは内緒で。



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