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Twitterにあげた詩(2022/01/29~2022/03/11 10作品)

『祈り』

穏やかな波は
あなたのささやきに聞こえる

水平線はどこまでも広がり
どこへでも繋がっていると
信じていられた

手を伸ばせば届くはずだった
握った手は離さないはずだった
明日は必ず来ると思っていた

限られた明日に花束を贈ろう
あなたが笑顔でいられるように

祈りは神に捧げるだけじゃない
あなたを忘れない
誓いにも似た愛の歌

今日も私は
あなたのささやきを聞いています
(2022/03/11投稿)


『moonshine』

心は月に侵食される

目を眩ませる力の無い
穏やかな光は
見つめ合い
心を絡めとるための
作戦かもしれない

魔物も月に力をもらう
銀色の罠を仕掛けられ
命を捧げる

女は月を孕む
牙を尖らせ
優雅なふりをして
膝を抱えて眠る
(2022/03/06投稿)


『涙パレット』

涙の数を数えるだけでは
強くなれなかった

涙を見ているだけでは
優しくなれなかった

強くなれたら
優しくなれたら
浮かんで消える新しい自分

色んな涙をこぼして
混ぜてみたら
どんな色になるのか

あの時の涙
悔し涙
嬉し涙
訳もなく泣けた日も

全て全て覚えていた

難しく考えなくていい
流れるままの
あふれる色で
描いていこう
(2022/03/04投稿)


『寝ても醒めても』

いつも全力で駆け抜けていたい
かっこ悪くても
バランス崩しても
前を向けばあなたがいる
怖くないよ

ジャンプの飛距離が
空に届かなくたって
手の届くもの
しっかり掴む力があればいい

寝ても醒めても
夢のことばかり
考えているよ
昨日、今日、明日
全部に足跡を残して

寝ても醒めても
楽しいことばかり
考えているよ
泣けるくらい辛い時も
顔を上げればあなたがいた
(2022/02/23投稿)


『子羊は踊る』

ワルツを踊ろう
不器用なワルツを

外れた三拍子を
軽やかに
星空を踏みつけるように

綺麗な円を描けない僕は
くるくる回る
当てもなく

口がきけない僕は
踊るしか出来ない

僕の手を誰か取って

一人で踊るワルツは
涙も出ないほど哀しい
(2022/02/15投稿)


『早熟』

上下に動く唇から
紡がれる毒に
目を奪われる

周りよりも
緩やかに震える
低い波に
鼓膜が揺れる

急激に熟れた果実は
落ちるだけか

夢で終わろうとも
今は踊り方も分からない

見よう見まねで
濃いめのリップを引いた
(2022/02/08投稿)


『サイレントキラー』

針で刺す
カッターで切る
ナイフで刺す
包丁を突き立てる

どれがいいのか差し出され
微笑んだまま
傷の無い傷の
返り血を浴びて
これが正義と高笑い

見えない傷は
赤子の正義

心を殺すのは罪では無いと
また高笑い

お前は誰だ
その二枚舌から刃物をちらつかせ
偽善者と笑う

お前こそ何者にもなれない
(2022/02/03投稿)


『純愛』

出逢いが運命と
言われても
私は知らない

ドラマチックに
演出したいだけの運命なら
道端の石コロくらい
無数に落ちてる

余計な言葉も
プレゼントもいらない

今すぐあなたを抱きしめて
髪を撫でて
一言だけ唇に乗せて
特別じゃない
代わり映えのない毎日を
繰り返したいだけ
(2022/02/03投稿)


『夢』

見る夢だって
叶えたい夢だって
幸せな方がいい

悪い夢だって
破れた夢だって
笑って話せる方がいい

小さくても
大きくても
夢を見ることを知りたい

見たいもの
聞きたいもの
欲しいもの
全てを夢にしてみたい
(2022/01/31投稿)


『マニュアルと語る』

白いベッドは静かに眠る
カーテンは寂しげに踊る
ぬいぐるみは別れに笑う

色あせた写真を撫でる
テーブルの埃を払う
シミの付いたタオルを畳む

洗ったばかりの服を
パジャマを
下着を
靴下を
丁寧に折り重ねる

一つ一つ
触れるもの全てがあなた

あなたに会えて良かった
あなたを愛して良かった

もう少しだけ
時間が欲しい

いつもいつも繰り返す後悔

生き続けるには必要なこと
(2022/01/29投稿)




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