南平台の記憶・その8 渋谷西武の屋上遊園地
前回、渋谷のデパートのことを調べたとき、渋谷西武の開業が昭和43年4月だと知った。
わたしの写真アルバムの中に、その西武の屋上遊園地で撮られた三枚の写真が残っている。
一緒に写っている母のお腹が大きいので、昭和43年の8月ごろに撮られたものだとわかる写真で、この屋上遊園地ができて間もないころのものだと断定することができる。
夫馬信一氏が東急東横店の屋上遊園地の遊具機械であった「ひばり号」と、その周辺事情についてまとめた「渋谷上空のロープウェイ」(2020年)という労作の中に、「屋上遊園地の興亡」という章があり、デパートの屋上遊園地に関する正確な資料が各デパートに残されているケースが圧倒的に少なく、いつ頃できて、いつ頃消滅したかや、どのような遊具があったかなどの歴史を辿ることが非常に困難であるということを知った。
何かの参考になれば幸い(というほどの情報量があるとも思えないけれど)と思い、ここに載せておくことにする。
東急東横店にも東館屋上に遊園地があったことは、前回も使わせてもらったジオラマの写真からもわかり、そこには観覧車など大掛かりなものもあったようだが、わたしには、そちらに行った記憶がない。でも「どっちに行きたい?」と親に訊かれた覚えもあるので、東横にも行ったことはあるに違いない。
渋谷西武はお店も開業したばかりで、親にとっても物珍しかったのだろうか、屋上遊園地といえば西武ばかりだったような気がする。
「渋谷上空のロープウェイ」によると、西武の遊園地は「おとぎの国」という名前で、回転木馬、シンデレラ馬車があったということだ。後者は、地面より少し高くなった軌道を一周するものだったような・・・。
そう言われてみると、おとぎのくに、という音に、なんか、そういえば・・・と、聞き覚えがある。
下は、ジオラマの東急東横店東館の屋上部分。
ついでながら、部屋の整理中に、西武の「お控伝票」用の小封筒が出てきたので、本日のトップ写真に使ってみた。このデザイン、非常になつかしい。子供の字(もちろんわたしの字)で、封筒に「お年玉切って」と書いてあり、お年玉付き年賀ハガキの景品切手を保管してあった。切手を「切って」と書いているから、小学校1、2年ではなかろうか。昭和46、7年ごろ?
リンドベリという北欧のデザイナーによるものだったそうだ。
2016年にはリンドベリ生誕100周年展が池袋西武で、2020年には「スティング・リンドベリー西武の包装紙展」という展覧会まで開かれていたということを今、知った。
このデザインの包装紙は、1959(昭和34)年から1975(昭和50)年までの間に使われていたのだそうだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?