『ドライブ・マイ・カー』感想~これはコミュ障の物語だ~
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一般的に映画や小説などの物語は「因果応報」であることが多い。悪いことをすればその報いを受け、良いことをすれば良いことがある。リアリティラインの高い(現実に即した)物語ほどこの「マナー」が守られていないと気持ち悪く感じる。現実が必ずしもそうではないからなのか。せめて物語だけには真面目に生きていることを肯定してほしいと託してしまう。
本作は真面目に生きる主人公の人生を、感情に正直な者たちがかき乱していく。彼らは「悪いこと」(法を犯したりモラル違反だったり)をした結果、相応