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吹き替えアニメ 英語表現 (1) 葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End

アニメを吹き替えで全部見たので、訳に関して印象に残った部分をいくつかつまみぐいで残しておく。全体に中身がいいので、英語でも楽しめる。

魔法はイメージの世界だ / Magic is the realm of imagination

この物語には繰り返し「魔法はイメージの世界」という表現が出てくる。心の中でその現象を仔細に(おそらくは視覚的に)描き出せない限り、それは魔法としても実現できない、といった意味で使われる。

最初にこの設定が説明されるリヒターのセリフは: "Magic is the realm of imagination."
ただ、その後の大抵のシーンでは visualization と訳されている。ユーベルがその魔法を披露する前のセリフは ”This is a game of pure visualization.” この "a game of …" なんかはすっと言えたら格好が良さそうだが、いまだに実生活で言ったことはない。その他の用例は "A spell can't create anything the caster can't perfectly visualize."  など。
Visualizationという訳は、この文脈での意味をもう少し具体化しているけれど、物語が進んで後で日本語の「イメージ」から拡大解釈されたらしんどいよなと思ったりする。

ヒンメルならそうした / If he had be there, it's what Himmel the Hero would've done.

別に英語表現としてひねりはないけれど、いざというときのために、よく練習しておきたい。高校生に、仮定法の基礎を、その意義と共に説くのにも有用だと思われる。

隙だらけです / You're wide open

防御が崩れてできる隙を opening といったりする。あまり実生活では使わないが、アニメでは頻出なので、さすがに覚えてきた。ここでは wide との組み合わせ。 You're very open より wide open のほうが、英語上級者の感じがする。
関連表現として Let one's guard down も(アニメでは)頻出。こちらはバトルシーンよりは、もうちょっと一般的に「油断する」くらいの意味。

表舞台に姿を表す / Make one's first meaningful appearnce in the world

吹き替えの文全体はこう: It's been eighty years since you made your first meaningful appearnce in this world.
色々な訳があり得りそうな文で、英作文の課題には適していそう。この訳の自然さは自分には評価できないが、意味はよく分かる。こういう大仰な表現を会話に取り込んでみたい。
なお、これを書くにあたって、原文の確認のため日本語音声にしたら、アウラの声がかわいくてびっくりした。すでに英語音声で出来てしまったイメージとちょっと違う。

一般攻撃魔法=ordinary offensive magic などは、特定性の強い名称として使うにはちょっと苦しいんではと思ったが、どうしようもないんかな。

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