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臨床工学技士の認定資格ってどんなものがあるの?

臨床工学技士として働く上で、各種認定資格のあれこれを書いてみたいと思います。

臨床工学技士が取得出来る認定資格として、
呼吸・循環・代謝・機器管理の領域で取得が可能です。

よく耳にする資格として、○○専門臨床工学技士や○○認定士といった資格です。
以下、一部にはなりますが、主な認定資格を紹介します。

主な認定資格


呼吸分野
呼吸治療専門臨床工学技士
3学会合同呼吸療法認定士
など

循環分野
不整脈治療専門臨床工学技士
心・血管カテーテル専門臨床工学技士
IBHRE試験
体外循環技術認定士
など
 
代謝分野
血液浄化専門臨床工学技士
認定血液浄化臨床工学技士
透析技術認定士
透析技能検定1級・2級
など
 
機器管理分野 
認定医療機器管理臨床工学技士
臨床ME専門認定士
MDIC認定
など
 
その他の分野
高気圧酸素治療専門臨床工学技士
手術関連専門臨床工学技士
内視鏡業務専門臨床工学技士
認定臨床実習指導
など

以上、一部になりますが主な認定資格でした。
次に、取得する理由を述べてみたいと思います。


① 自己研鑽


学術集会いわゆる学会であったり、講習会やセミナー等でも最新の情報や知識は手に入ります。また、最近ではインターネット上でも簡単に情報は手に入ります。

しかし、聞いたり見るだけでは知識として定着させる事は難しいです。
人間は、学習しても翌日には70%、1週間後には80%の記憶を失うとの研究もあります。

本当に知識が定着させるのに手っ取り早いのは試験だと私は考えます。

また、認定試験などは広範囲の知識を求められる為、普段意識していない内容について触れられる機会でもあり、いわゆる気づきに繋がります。


②病院からの評価


資格を取ることで、病院によっては資格手当等で給与に反映される施設もあります。

ただ、残念ながらその様な施設は一部です。
資格手当が貰えない施設では、今後貰える様にしていく事が、取得した後の次のステップと言えるでしょう。

また、他部署とのコミュニケーションにより、今後の院内での業務拡大や、立場向上に繋がる事もあると思います。


③自分の評価を客観視


資格試験は自分自身や上司といった身内ではなく第三者が評価を下します。
今現在の知識や技能の取得レベルを客観的に評価してくれます。
社会に出て関係者以外からの自分の知識に対しての評価というのは余り多くはありません。
「自分がどの程度知識がついているか」というのは不明瞭なもので、身内からの評価というのも余計なバイアスがかかる為、正しい判断が出来ません。
 
また、ただの臨床工学技士よりも専門臨床工学技士の方が明らかに専門や認定のほうが知識があると思うのではないでしょうか?
資格や認定は、何も知らない人が特定分野での一定の知識があると考えられる評価としても受け取る事が出来ます。
 

④転職の際、有利になる


〇〇認定士××名といった項目を、病院HPの部署欄でよく見ます。
今の世の中、臨床工学技士での就職を望む方は、病院のHPを拝見する方も多い様に思えます。
〇〇認定士や〇〇専門臨床工学技士といった資格情報があれば、少なくとも資格が取得できるくらいの業務内容は確立されていると推測する事が出来、
専門臨床工学技士ともなればその道のスペシャリストな為、より専門的な知識を学べる事も推測出来ます。
外部に魅力的な人材、施設である事をアピールするための武器の一つとしても各種認定資格は有用であると私は思います。


⑤診療報酬加算、施設基準


〇〇認定士や〇〇専門臨床工学技士が××名以上いれば加算といった具合に施設基準などに含まれる様になります。

ただ、まだまだこの様な加算は他部署に比べて少ないのが現状です。

独占業務を持たない臨床工学技士の業務範囲が増えるのは良い事ではないかと思っています。

日本臨床工学技士連盟の活躍に期待し、院内だけでなく、国内での臨床工学技士の立場向上に繋がれば良いと思っております。
 

最後に



私は現状維持という言葉は嫌いです。
医療、患者さんの状況は常に進歩し続けており、いつまでも同じレベルで物事を考えていては、どんどん遅れを取って行きます。
その為、医療従事者は常に学び続け自己研鑽に励まなければなりません。
本当の意味での現状維持は、自身が常に進み続ける事です。
更に前進して行く為には、常に最新の知識にアップデートして行かねばなりません。

また、資格を取得しても給料が上がらないから意味無いじゃんという事を仰る方がおりますが、目先の利益を追及するのでは無く、将来を見据えて行きましょう。
取得後に患者さんや現場、組織にフィードバックを行い、還元して行く事が1番の利益で有り、難しい課題です。
その積み重ねが、結果的に将来、自身の給料に反映されて行く事でしょう。

資格や認定がすべてでは有りませんが、自分自身の到達目標あるいは通過点として掲げてみましょう。

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