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空白と余白の違い

先が見えない真っ暗闇に向かって、必ず誰かがいると信じて、ボールを投げる。投げ続ける。

相手がキャッチしやすいようにと投げ方を工夫しながら、諦めずにそれを続けていると、そのボールはいつか必ず誰かに掴んでもらえて、自分のところへと返ってくる。

そうなった時に初めて、ボールが辿った軌道は光で照らされ、相手の姿を目視できるようになる。


人は誰しも生まれてきた時は空っぽだ。
辺り一面、どこを見回しても真っ暗闇で、世界は空白の状態。

怯えながらも色んなものに手を出して、つまづいては転んでを繰り返しながら、最初は出来なかったことがだんだんと出来るようになっていく。

できるようになったこと、経験したことはやがて、空白から余白へと変わる。

“埋めようと思えば埋められる、けれどあえて埋めることをしない”

そこに余白を知る者だけが唱えられる美学がある。


空白を余白に変え続けていくと、自然と自信が生まれてくる。

「自分に自信が持てない」という人には、きっと余白が足りていない。

つまり、空白へと自ら突っ込んでいった数が、圧倒的に少ないのだ。


先行きに不安を感じた時、僕は過去を振り返り、暮らしぶりを眺めるようにしている。

上手くいっていた時、上手くいっていなかった時、その瞬間瞬間を点と捉え、近似曲線を描くようなイメージをする。

点自体は上に行ったり下に行ったりしているけれど、長い目で見れば、確実に右肩上がりの線が描けている。

「できることは増え、暮らしの豊かさは高まっている」と感じられた時、自然と将来への不安は解消される。これもまた、きっとどうにかなるだろうと。


よく「根拠のない自信」なんて言うけど、あれはきっと嘘だと思う。

多くの空白を余白に変えてきた者は、過去の失敗や成功の体験から、無意識にいくつもの根拠を導き出しているから、経験のないことに対しても自信が湧くのだ。

これまでも大変なことはあった。だけど何とか乗り越えてきて今がある。だからきっと大丈夫。

そう思える人はやはり強い。


1つの物事を色んな角度から見れる人、そして1つの問題に対していくつもの解決策を生み出せる人は、様々な局面を打開する力を持っている。この力を僕は余白力と呼びたい。

僕らはもっと、真っ暗闇の広大な宇宙へと飛び立ち、余白を拡げ続けていかなければならない。

余白とは宇宙(space)なのだから。

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