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行動の機能 Functions of Behavior

お菓子が欲しくて泣いている。

宿題をしたくなくて強化者を投げた。

見てもらいたくてわざと牛乳をこぼす。

ずっと指を舐めている。

行動を考える際、私たちは行動そのものだけを見るのではなく、行動の前の出来事(先行刺激)と、行動の後の出来事(結果)についても見ていかないといけません。

これらを見ることによって、「なんでその行動が起こっているのか」=「行動の機能」を知ることができます。


行動の機能

行動の機能は4つあります。
1) 獲得
2) 逃避
3) 注目
4) 感覚(自己刺激)

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行動の機能を調べる理由

なぜ行動の機能を考える必要があるのでしょうか?
それは困った行動を良い行動に変えていくにはこの行動の機能に沿った介入をしていく必要があるからです。良い行動を作っていく戦略書のことを「行動契約書」といいます。


行動の機能1 獲得

1つ目の行動の機能は獲得です。


お菓子が欲しくて泣いている。

人からおもちゃを取り上げるために殴る。

帰る時間だよ、と言われてももっと遊びたいと指示に従わない。


このように「獲得」とは何かが欲しくて行う行動のことです。おもちゃや食べ物の場合もありますし、遊ぶこと・取り組んでいることの場合もあります。

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行動の機能2 逃避

2つ目の行動の機能は逃避です。


宿題が嫌で本を投げた。

今から準備運動をするよ、と言われたら体育館から脱走した。

歯磨きをするよ、と言われても頑なに口を開けようとしない。


このように「逃避」とは何かをしたくなくて行う行動のことです。人を叩いたり叫んだりすることもあれば、貝のように動かなくなる・反応なくなることもあります。

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行動の機能3 注目

3つ目の行動の機能は注目です。


褒められたくて、描いた絵を持ってくる。

お母さんに見てもらいたくてわざと牛乳をこぼす。

叱られたくてわざと間違った答えを言う。


このように「注目」とは自分を見て欲しくて行う行動のことです。褒めてもらいたい、笑いかけて欲しいという場合もありますが、叱られたい・笑ってもらいたいなどの欲求を持っている場合もあります。

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行動の機能4 感覚(自己刺激)

4つ目の行動の機能は感覚です。


指をしゃぶる。

鼻を必要以上にほじる。

貧乏ゆすりをする。


このように「感覚」とは自分の内なる感覚を楽しむ行動のことです。人と関わらず自分の中で完結することで誰にでもあることです。発達障害のお子さんは外界とのコミュニケーションが濃密でない場合も多くハンドフラッピングや跳びはねるなど感覚刺激を楽しむことが多いと言われています。

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まとめ

行動の機能 4つ について解説しました。


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Reference
応用行動分析学 – 2013/5/30ジョン・O・クーパー (著), ティモシー・E・ヘロン (著), ウイリアム・L・ヒューワード (著), 中野 良顯 (翻訳)

日本行動分析学会 「体罰」に反対する声明
http://www.j-aba.jp/data/seimei2014.pdf

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