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3項随伴性(4項随伴性)

3項随伴性

3項随伴性はオペラント行動を考える際の基礎的な考え方です。現在は3項ではなく4項であると考えられており、ここでは4項随伴性として解説します。

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行動を考えるときには行動そのものだけでなく、行動の前の出来事(先行刺激)と、行動の後の出来事(結果)、そしてどんなときに行動が起こりやすくなるか(動機付け)についても考えていかなければいけません。

3項随伴性を考えることで、「なぜその行動が起こったのか」を分析することができます。


4項随伴性

かつては上記のように行動の前と後を見る3項での分析が中心でしたが今はその人が置かれた環境も行動の起こりやすさを規定する、という考えから、4項随伴性として分析に組み入れます。

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4項随伴性① 動機付け操作  Motivating Operation

動機付けとは刺激の魅力を上げたり下げたりするものです。たとえば、あなたがものすごくお腹が空いていたら、机の上のご馳走はとても魅力的に映るでしょう。一方でお腹がいっぱいであればどんなに素晴らしいご馳走が机の上に並んでいても対して魅力を感じないと思います。

動機付け操作は
1) 確立操作 EO( Establishing Operation) 先行刺激の魅力を上げる
2) 無効操作 AO(Abolishing Operation)  先行刺激の魅力を下げる
に分かれます。

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4項随伴性②  先行刺激 Antecedent

先行刺激とは、行動の前の出来事です。
弁別刺激(Discriminative Stimulus(SD))とは先行刺激の一種で、行動を惹起させる刺激のことです。弁別刺激の後の行動の結果は、強化もしくは弱化が続きます。

例えば、あなたはゲームをしたいと思っていました。新しいゲーム機を見つけてボタンを押したらゲームを始めることができました。この場合、新しいゲーム機を見つけたことが弁別刺激、ゲームをするためにコントローラーのボタンを押すことが行動、ゲームで楽しい思いをすることが結果(強化)です。


一方、強化も弱化もされない先行刺激もあります。そのような先行刺激のことを 刺激デルタ (Stimulus delta(S△) )と言います。
例えば、あなたはゲームをしたいと思っていました。古い壊れたゲーム機を見つけてボタンを押しても何も起こりませんでした。この場合、古くて壊れたゲーム機を見つけたことは刺激デルタ、ゲームをするためにコントローラーのボタンを押すことが行動、何も起こらなかったことが結果(消去)です。

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4項随伴性③  行動  Behavior

行動とは生きている人/動物が行う全ての活動のことです。走る、話す、食べる、宿題をする。これらは死人には出来ないことです。
これは行動・・・?と疑問に思ったら「死人テスト」をしてみてください。もしそれが死人にもできることであればそれは行動ではありません。

宿題をしない:死人にも出来ます!:これは行動ではありません
宿題をしたくなくてノートを投げた:死人には出来ません!:これは行動です

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4項随伴性④  結果 Consequence


結果とは行動の後に起こる出来事のことです。
嬉しいことのこともあれば、嫌なことの場合もあります。

男の子がゴミ掃除という行動をして、ご褒美にお母さんからお小遣いを貰うという嬉しい結果がありました。このような嬉しい結果がもたらされたら、その行動(ゴミ拾い)は将来増えると考えられます。このような結果のことを「強化」と言います。

男の子が本に落書きをするという行動をして、先生に起こられたという嫌な経験をしたとします。このような嫌な結果がもたらされたら、その行動(本への落書き)は将来減ると考えられます。このような結果のことを「弱化」と言います。

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まとめ

オペラント行動を考える際の基礎的な考え方である4項随伴性解説明しました。
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Reference
応用行動分析学 – 2013/5/30
ジョン・O・クーパー (著), ティモシー・E・ヘロン (著), ウイリアム・L・ヒューワード (著), 中野 良顯 (翻訳)

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