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東大現代文過去問2000年度~2024年度第1問・第4問

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東大現代文の2000年度から2024年度までの第1問と第4問をセットにしたものです。
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記事一覧

東京大学2024年国語第1問 『時間を与えあう―商業経済と人間関係の連環を築く「負債」…

 前年の2023年第1問と同じく、文化人類学をあつかった説明文であり、東大第1問のあらた…

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togenka
3か月前
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東京大学2024年国語第4問 『クレリエール』菅原百合絵

問題文はこちら 設問(一)「ガラスは薄くなっていくが、障壁がなくなる日は決して来ない」(傍…

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togenka
3か月前
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東京大学2000年国語第1問 『社会哲学の現代的展開』加茂直樹

 東大国語の大問の数がそれまでの7から4に減った最初の年の最初の問題である。(この変化は…

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togenka
1年前

東京大学2002年国語第4問 『転校生とブラック・ジャック』永井均

 入試の受験会場で初めて読まされ、短時間で解けと言われたら途方に暮れるような難問。  こ…

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togenka
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東京大学2010年国語第1問 『ポスト・プライバシー』坂本俊生

 2010年といえば、世界経済がリーマンショックから立ち直ろうとしていたもがいていた頃。…

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東京大学2015年国語第1問 『傍らにあること―老いと介護の倫理学』池上哲司

 2015年の第1問『傍らにあること―老いと介護の倫理学』は、私が2000年以降の東大国語第1問の…

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1年前

東京大学2016年国語第4問 『青空の中和のあとで』堀江敏幸

 とても解答しにくい問題という印象だ。  普通の人は晴れた日に外を歩いていて「これから降るらしい」という情報をたまたま得たら、「雨が降るのはいやだな。でも、事前に知ることができてよかった。雨をしのぐための準備ができる」くらいの思考をめぐらせると思うのだが、筆者は不意打ちのような天候の崩れに救いを求め、予報には息苦しさを覚えるというのだ。  なかなか共感しにくい内容だが、それはそれとして著者の独特の論理をたどり、筋道を立てて解答をつくるしかない。心理的には賛同できないことでも、

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東京大学2009年国語第1問 『白』原研哉

 2009年第1問の『白』は、私が以前書いていた東大現代文過去問ブログにおいてアクセス数がダ…

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togenka
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東京大学2023年国語第4問 『詩人であること』長田弘

 端的に言って、問題文は難解であり、設問は難問である。  問題文が難解だというのは、筆者…

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東京大学2000年国語第4問 『海辺の博物館』三木卓

 筆者の感性にもとづく心象風景が、かなり抽象的な言葉で表現されているため、なんとなくは理…

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東京大学2001年国語第1問 『ぼくの日本語遍歴』リービ英雄

 近年の東大国語第1問にはないような文学的文章だが、子細に読めば、きちんとした論理に裏う…

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1年前

東京大学2016年国語第1問 『反知性主義者たちの肖像』内田樹

 東大による出題が賛否両論を呼ぶこととなった「問題」文。  この年の入試が行われた201…

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1年前
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東京大学2020年国語第1問 『神の亡霊』6 近代の原罪 小坂井敏晶

 「学校教育を媒介に階層構造が再生産される事実が、日本では注目されてこなかった。」  日…

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togenka
1年前
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東京大学2004年国語第4問 『写真論集成』多木浩二

 含蓄に富むが、読みやすさの面では、意味が十分に説明されない比喩が現れるなど読者の読解力を試すものでもあり、まさに芸術家的文章。じっくりと読み進めていく必要がある。 問題文はこちら (一)「このような事情」(傍線部ア)とあるが、どういうことか、説明せよ。  「このような事情」とは、直前の文の「こうした問いと二種の答えの繰り返し、どちらか一方ではありえない」ことである。この中の「問い」とは、「写真に何が可能か」という問いを自らに発すること、「二種の答え」とは、「写真には何も

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