「ルポ 食が壊れる」を読んでみた件

 食が抱える問題は多数あるけど、もっとも重要な問題は、「安全な食を十分に供給できるか」問題だろう。最近よく耳にする言葉、フードテックは食の抱える問題を解決できるテクノロジーとして期待されているが、その裏には経済的な思惑が見え隠れする。
 本書は、そのような思惑を解りやすく紹介してくれていることに加えて、食の問題は農業の問題、ひいては土の問題であることを述べています。既に私たちは、経済優先の選択を止めた方がよい時代に突入しており、優先すべきことを見失うことなく、選択していかなければ、人類の手によって人類が滅びる日がやってくると考えさせられた一冊でした。
 私自身も食品科学という分野で研究をしており、フードテックという言葉を使うことが多々あります。自分自身の研究でも足を踏み外さないように、食に携わる者が守らなければならないことを大切に研究を進めないといけないと再確認。
 ちなみに、本書とは関係ないですが、昨日の所信表明で、首相が経済を29回唱えたそうですね。ちゃんと未来を考えてくれているのだろうか。国民の顔色を窺って、次の選挙で勝つことだけを考えているのではないだろうかと疑いたくなりました。国会議員たちにも読んでもらいたい本でした。
 

https://www.amazon.co.jp/ルポ-食が壊れる-私たちは何を食べさせられるのか-文春新書-未果/dp/4166613855


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