お金より嬉しかった

初回書いてからかなり日にちが空いてしまった。

風俗業界20年、人生の半分は風俗業の私。
風俗で働くきっかけはお金のはずだった。

社会人1年目の12月、長年不仲だった両親が離婚した。

家族みんなと折り合いが悪かったからか、
母は私に何も言わないまま妹2人を連れていきなり家を出た。
父親は長年連れ添った彼女と暮らすからと
遠回しに一人暮らしを勧めてきたので家を出ることにした。

当時通勤に1時間以上かかっていたのでちょうどよかったし、
何よりようやく家庭不和の環境から自由になれた気がして嬉しさしかなかった。
社内恋愛の彼氏もいたし、一人暮らしはワクワクの連続…と思っていたが現実は違った。

その彼氏とも何故かギクシャクし出し、
仕事後の時間潰しで飲みに行ったりして派手に散財した。
当然、支払いやばい…となった。

そこで偶然見つけたのが風俗求人誌だった。

その業界に興味がなかったわけではなかったので即購入し、
ある良さげなお店を見つけて面接の申し込みをした。

そしてその2日後の土曜日の夜には風俗嬢になっていた。
現役OL風俗嬢としてお客さんに案内された。

初めてのお仕事は何が何だかわからないまま終わったが、
今でも忘れないお客様からの一言がある。

「ありがとうね。貴方と過ごせてすごく楽しかった」

帰り際の些細なよくある一言なのかもしれない。
しかし何事も否定されながら育ってきて、
かつ仕事ができない社員だった私にとっては、
初めて誰かの役に立てたという事を直接感じれた嬉しさだった。

手にしたお金より、その言葉のが何より嬉しかった。
20年以上過ぎた今でも、明確に覚えている。
あの一言があったから、風俗を続けれた。

#風俗初仕事 #風俗嬢の独り言

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