「透明な心臓が泣いていた」の“あの日の僕”が選んでくれた道に救われているオタクの話 #甲斐田晴3D

 たった3分に、もう1週間も囚われている。その3分には大好きな人の2年間、いやそれ以上の時間、人生が詰まっているから。
 過言ですかね。でも、少なくとも彼がこちらに“見せたい”と思ってくれたぶんの全部はここにあると私は勝手に信じています。

 これを今読んでいるのは、私のTwitterの数少ないフォロワーさんかもしれないし(いつもありがとうございます)、検索でたまたま見つけてくれた人かもしれない。
 とりあえずこのnoteにたどり着いてくれた方、上の動画だけでも見ていただけないでしょうか。
 大好きなVtuber、甲斐田晴さんのはじめてのオリジナル曲です。一緒に狂ってほしいなどとは言わないので、ちょっとでも聴いて知ってくれたら嬉しい。それだけで十分です。あわよくば良いね!と思ってくれたら喜びます。

 ここからしばらく備忘録含めた自語りなんだけど、甲斐田を好きになったきっかけは、2020年秋頃、仕事を辞め、趣味へのモチベも下がり、何もできず死にかけだったところに、友人から「にじさんじ」(※甲斐田が所属しているVtuberグループ)ハマったという話を聞き、流れで教えてもらったものを見る中で辿り着いたこの切り抜き動画だった。

 2020年8月に配信されていた、ARKというゲームのにじさんじ内企画での加賀美ハヤトさん視点のワンシーンで、当時友人から「社長(※加賀美さんの愛称)好きそう」と言われいくつか見ていた中のひとつ。実際社長のこともかなり好きでアーカイブをよく拝見しているので友人の見立ては正解だった。クッキングシュミレーターがここ数か月の中だとお気に入りです。
 閑話休題。
 私は元々少し高めの男性の声が好きだったから(例:二宮和也さん、斉藤壮馬さん、土岐隼一さんなど)甲斐田も声も好みで、なんとなく「他にも見てみようかな」になった。前述したけれど当時の私は本当にすべてにやる気がなかったので、今考えるとかなりの進歩だったのかもしれない。
 そうして彼のチャンネルを見に行って、ある1本の動画が目にとまった。

 体調を崩す前までガチでハマっていたゲーム「A3!」の楽曲の弾き語りだった。勿論当時も今も大好きなゲームだけれど、女性向けの作品だったから甲斐田が知っていることに驚いてそれからすごく嬉しくなった。
 そしてなにより歌がめちゃくちゃ上手かった。この人の歌をもっと聴いてみたいと思って歌動画を見たり、数日後には弾き語り歌配信も見に行った。

 記憶が正しければはじめて生配信で見たのはこれなんだけど、途中で「コメントから楽曲を拾い、それをメドレー形式で歌う」ということをやっていてめちゃくちゃめちゃくちゃ驚いた。たくさん歌を知っているのも即興で繋げられるのもすごすぎる。
 この配信で彼の歌にたいする感情が「上手いな」から「好きだな」に変わった。技術への感想じゃなくてシンプルな気持ちになったというか。うまく言えないけど。私は歌のプロではないので。とにかく、柔らかく伸びやかな声だとか、ちょっと掠れたファルセットだとか、そういうもの全部がすごくすごく好きだなあと思った。
 “好き”ってすごくエネルギーがあるもので、甲斐田の歌を聴いたあとだけは「何もできない」から「少しだけ何かやってみよう」ができるようになって、少しずつだけど生活をこなせるようになった。
 病院なんかの義務的な外出や家族に引っ張られて以外で外出ができた。夜に意味なく泣く日が減った。辛くても歩けるようになった。

 甲斐田に出会えて救われた。
 
ちょっと大げさかもしれないけれど、でもどうしても勇気が出なかったり頑張れないときに、背中を押してくれたり支えてくれるのは甲斐田晴の歌だった。ASMRでの優しい言葉や、ゲーム配信とかで笑わせてくれるのも支えだったけど、いちばんは歌だ。もうずっと、甲斐田晴の歌に救われ続けている。

 「にじさんじ」のVtuberは、イラストを動かすLive2Dというシステムで活動をはじめ、登録者が一定のラインを到達すると3Dで立体の身体を手に入れることができ、それまでの活動の集大成として「3Dお披露目」が行われる。
 しかし甲斐田は、ちょっとイレギュラーな形で3Dが実装された。

 無人島に連れ去られたと思ったら、ユニットを結成し、そのユニットでの冠番組で初出しされたのだ。
 何度見ても意味わからん字面……。
 でもすっごくすっごく嬉しかった!!!!3Dも、推しが新しいことをはじめる面子に選ばれたことも幸せだと思った。音楽活動があるのもテンションが上がった。心無い言葉を投げてくる人もたくさんいたけれど、それ以上に応援しようというモチベーションになった。
 甲斐田たちが新しいことをはじめるなら私も一歩踏み出したいと思って、病院の先生などに相談して、短時間ではあるけれどアルバイトをはじめた。社会復帰への一歩まで支えてもらってるの、すごくありがたい。

 4月にはミニアルバムも発売された。大好きな歌を歌う人が最高のメンバーと最強のクリエイター陣と一緒につくったCDがこの世界にあるの、神に感謝してもしきれない。

 それでもやっぱり、どんなに活躍していようと3Dを見ていようと、「お披露目」の日が来ることはずっと心待ちにしていて。来たる5月6日は、周りの人に笑われるくらいそわそわしていた。

 甲斐田晴の今までが詰め込まれた1時間だった。
 ボイスに力を入れている人が劇を入れるのわかる。同期やROF-MAO、ARKのチーム魔武天に、星川サラさん。協力してくれた人みんなが、甲斐田の転換期に関わっている人たちだ。フィクションながら甲斐田の「研究者」の姿が見られたのも嬉しい。
 コラボの歌で呼んでいる面子も彼らしかった。
 不破湊さんはまじで甲斐田にとってデカイ存在で、優しくてかっこいいアニキで。「アイムアビリーバー」のちょっと泥臭くてでも爽やかな歌詞がアニコブの二人にぴったりだった。
 本間ひまわりさん。甲斐田が「にじさんじ」に憧れたきっかけのひまちゃんとステージに立ってるのすごく嬉しかった。本間甲斐なのダンスめちゃくちゃ可愛かった、踊ることを提案してくれてありがとう。
 三枝明那さんとはライブ形式の歌コラボもしてて、いつか3Dでも見たいと思っていたから夢が叶った。次は甲斐田のギターで歌う明那を3Dで見たいな、すだちが一緒に音楽をやる配信、好きです。
 ソロもすごく良くて、特に弾き語りはもう何度も見てる。オリジナルモデルのギターを演奏してるの、何よりも見たかった光景で。すっごく丁寧にギター演奏してて、歌声もいつも以上に一音一音を大事にしてる感じがして本当に美しかったな……。
 インストは1周年のオンラインライブのバンドの方たちで、「夢地図」のピアノは仲良しのハニワの宇都圭輝さんで。
 甲斐田が頑張ってきた、関わってきたものすべてに繋がっていた。
 それだけで感無量だったのに、最後の最後でオリジナル曲を発表してくるの、ずるいと思う。

置いて行かれたホームで 空へ行く列車を見ていた
冷えていく指先で 星を追いかけても その手で掴めと 照らされる

https://youtu.be/mXtmU1Rmel8

 オリジナル曲発表前、彼は「僕は才能がないけれど、でも少しだけ諦めが悪い」と自分を称していた。
 何度も置いていかれたことがあったのだと思う。ライバーになってからも色んなことがあったのも知っている。他の道に進んでいた可能性だってあった話も聞いている。
 それでも諦めずにつかみ取ろうとしてくれた。そのおかげで、私は甲斐田晴を知ったし、前を向けるようになった。

見つめ合って 許し合って 息をして
ここに居るよ 居るよ

置いて行かれて ひとり
ホームで夢を見た からっぽへ
今、迎えに行く

https://youtu.be/mXtmU1Rmel8

 これは多分偶然なんだろうけど。
 活動をはじめて最初の誕生日に「幽霊東京」で「景色に透ける僕は幽霊みたいだ」って歌った人が、次の年の誕生日に「離ればなれの君へ」で「ここにいるよ とどいて」と歌って、オリ曲でとうとう「迎えに行く」と歌ってくれたの、嬉しくて涙が出る。

君を照らす 僕の名は

https://youtu.be/mXtmU1Rmel8

 名前が「晴」の人の歌がこれで終わるの、本当に本当に眩しい。
 他の誰のためでもない、甲斐田晴の人生の歌だ。甲斐田晴の、これからも続いていく物語だ。


 3Dや楽曲については振り返り配信やフミさんの企画「にZIP」でもお話しているので、ここまで読んでくれて興味を持ってくれた方がいたら合わせて見てほしいです。


 ちょっと危なっかしいところもあるし、アホみたいな過密スケジュールで動いたりもするし(普段の仕事に加えて3Dの準備しながら毎日ワンコーラス歌ってみたを収録mix動画制作やってなんと新衣装の準備もしていたらしく、15日にはろふまおトークイベントがあり、17日には外部ニコ生出演もある。キャパどうなってんの????)、大丈夫!?!?と思うときもあるけれど、まっすぐで、素直すぎるくらい素直で、優しくて親切で、どこまでも前を向いて進んでいく、そんな甲斐田晴をこれからも応援させてください!

 ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました。
  読んだからには絶対「透明な心臓が泣いていた」を聴いてください!
 YoutubeのMVだけでなく配信リリースもしています!!よろしく!!!

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