ステップアップ

大企業を4度渡り歩いてわかった転職活動のコツ

こんにちは、塁です。某金融系企業で新規事業企画を行っています。

現在に至るまで4つの会社を転職活動を通じて渡り歩いてきました。経験している4社は全て兆円規模のビジネスを展開する大企業で、いわゆる就職人気度のランキングで見ると上位に位置している企業群になります。

振り返ってみると自分の意思によって所属を換えるのは、1社目で新規事業企画部門への社内公募に応募したのが始まりでした。社内とはいえ人気のある募集案件でしたが、突破するための方法を考え抜き、なんとか合格を勝ち取りました。
その時のノウハウがベースとし、はじめての転職活動で効果的な活動方法を確立し内定を勝ち取りました。その後の3回の転職も一貫して同じ活動手法で活動をし、全て成功をしてきています。

最近、友人やSNSを通じて転職活動の効率的/効果的な進め方について質問を受けることが多くなってきました。同じ方法論で面接を突破している事から再現性のある手法であると感じており、同じ方法で行えば誰でも効率的に転職活動を進められるものと思っていますので、私の方法論を纏めてみました。


目次
 1.求人情報の収集

 2.職務経歴書の作成

 3.面接への準備

 4.面接での振る舞い

 5.転職活動の進め方の全体的な留意点とポイント


1.求人情報の収集

希望する企業の中途採用サイトに直接アクセスしても良いですが、個別のアクセスは効率が悪いことと、企業が表に出さずエージェント経由でのみ出している求人が存在しているので転職サービスを活用することが網羅的に情報収集をする上でも必要となります。

転職サービスは大きく2つあり、1つは転職エージェントを介するもの、2つ目は求人情報の掲載をメインとする求人情報サービスとなります。それぞれメリットデメリットが存在するので補完するためにも両者への登録が有効です。

私が主に利用していたのは以下です。

BizReach
ここ最近の転職市場では存在が大きくなっていて、企業とエージェント共に多く利用されています。使い勝手の良い悪いは思うところはありますが、参加企業が多くなってきているので、情報を効率的に入手するツールとしては押さえておくとよいです。
また、何より利用価値があるのは職務経歴書のブラッシュアップを行うためのツール。自分のレジュメの企業やエージェントによる閲覧回数や、レジュメを検索する際の検索ワードがランキングで見える仕組みが提供されています。それらを確認することで転職市場でのニーズ把握と閲覧されやすいレジュメへのアップデートができます。
リクナビNEXT
立ち位置としてはBizReachに近付いていっていて、転職希望者と企業・エージェントを繋ぐマッチングサービスです。
求人掲載量が非常に多く情報収集ソースとして非常に有効です。閲覧履歴に応じてメールでリコメンドされる求人案件は結構精度が高く、日々の案件チェックには非常に重宝します。
リクルートエージェント
エージェント系サービスの大手です。特筆した特徴はないですが、大手のためエージェント特化型の求人情報は多く有していると感じます。エージェントの質は当たり外れが大きいです。私が初めて良いエージェントに会ったのはここ。
DODA
エージェント系サービスの中でリクルートエージェントと並ぶ大手です。求人案件の数とエージェントの品質は正直似たり寄ったり。後述しますが応募したい企業の担当エージェントの質を比較するための当て馬としてエージェント系サービスは複数登録しましょう。

上記サービスに登録をすると、ほぼ毎日メールで求人情報がリスト化されて配信されてきます。それらを通勤の最中などに眺めていって希望する求人がないかを監視していきます。
閲覧履歴や希望に合わせて求人が絞られていますが、ドンピシャで入ってくる案件は多くなく眺める程度に気長に毎日チェックをします。

正直に言って転職エージェント系のサービスは担当するエージェントによりサービス品質に非常にブレがあります。
エージェント系サービスのメリットは、一部の優秀なエージェントが企業の人事部と非常に強いパイプを作っているケースがあり、そういったエージェントが入手している「特別な求人情報」や「正式公開前に先んじて出される求人案件」を入手することです。

この「企業の人事部とパイプを持っている」というエージェントに当たると非常に強力で、面接で他候補者と競っている時のエージェントからの有効なプッシュや、果ては筆記問題の傾向なども精度が高く情報提供を受けることができます。

これまで数多くのエージェントとも話をしてきましたが、同じ求人案件に以前エージェント経由で申し込み落とされたにも関わらず、パイプの強い他エージェントから同一求人に再度申し込み(これが受理される時点で異例ですが)、内定まで獲得しているというケースも存在しているようです。

こういったスーパーエージェントに当たるかどうかは自分側からは残念ながらアンコントローラブルで運の要素が大きいです。そのため、複数のエージェントサービスに登録し、同じ企業の求人においてどのエージェントが”より強いパイプをその企業に持っているか”を見極めていくということが転職成功率をあげる一つの要因になります。

エージェントと顔を合わせて会話をしていくと、そのエージェントから出てくる各企業に対する情報量や仲の良さ/接点の深さが読み取れてきます。そういった情報を元に、パイプの太さを判断し、どの企業に応募する際にはどのエージェントから応募するかを優先順位づけをしておくと良いでしょう。


2.職務経歴書の作成

ネット上には職務経歴書のフォーマットが色々と溢れていますが、構成の仕方には一つのとても重要なポイントがあります。
企業の採用担当者は当然ですが人気企業であればあるほど応募が多く、大量のレジュメを毎日のように読んでいます。そのため、1枚のレジュメに割いている時間は”わずか数十秒”で、殆どの応募者は詳しい内容まで読んでもらえる前にその数十秒の判断のみで脱落をしていってしまっています。

そのため、レジュメ作成において強く意識しなければいけないことは、その数十秒で相手の意識に「もう少し詳しく読んでみようか」というとっかかりの興味を”刺す”ことができるかが勝負なのです。そしてレジュメはその構成になるように作っていかなければなりません。

構成としては以下の2つとなります。


サマリーシート
採用担当者にあなたへの興味を”刺す”シート。1枚にまとめる。詳細シートに誘導するための撒き餌。
現在の自分のスキルの骨格を成す業務経験の要点をまとめた”職務サマリ”と、それにより得られた”自己アピール”を明確に分かりやすく記述。(箇条書き形式)
原則はこのシートだけが採用担当者に読まれると思って、短時間(数十秒)で理解できるように記述。
メインパート(詳細の記述)
時系列に沿って、「所属部門/担当業務/役割(ポジション)/成果」を詳細に記載する。
詳細パートはサマリーシートで興味を引いた後、詳しく知りたいと思って見ている前提ですので詳しく書いていきます。
当然ですが成果の記述は、具体的な数値を活用して明確にしていきます。

基本的な事ですが、段組みや見出しなどの見栄えの構成はしっかりと意識して、資料の見やすさを意識していきましょう。資料構成の仕方もスキルの一部として心象を左右しています。

職務経歴書のブラッシュアップにはBizReachの統計データを活用すると転職市場トレンドを抑えた形での更新ができます。
BizReachでは職務経歴書を登録すると企業やエージェントから閲覧が可能となり、毎日、自分の職務経歴書が前日にどれだけ閲覧されたかがレポートとして見れるようになります。また、どのような検索ワードが多く使われているかが、職種や業種ごとにフィルタリングをして見ることもでき、企業やエージェントの求める人材像が把握できます。
これらの統計情報を元にして随時内容を更新して結果を日々チェックし、できるだけ閲覧がされやすいようなワードを埋め込むようにして行きます。


3.面接への準備

面接の準備というと、企業のWebサイトを見て製品ラインナップに目を通す、企業の強みを分析しておく、志望動機を再確認する、...となりそうですが、面接に向けて準備をすべきことの非常に重要な事は、”その会社に入って何をしたいか”をまとめたパワーポイントのスライド1枚です。
その1枚が
 ・強い熱意
 ・会社でやりたいこと≒志望動機
 ・その業界への思い
を間違え無く強烈に伝え、かつ、競合する候補者に大きく差をつける要素となります。

商品企画部門への応募であればどのような商品を実現してみたいか、マーケティング部門であればマーケティング施策案を、自分の経験や業界知識を元に1枚のスライドにラフで良いので資料に落としましょう。詳細までは書く必要ありません。また、奇抜すぎる内容である必要はありません。これを作る目的は考える力と熱意を伝え、そのシートを元に面接で話を広げるタネにすれば良いのです。

面接官側の視点に立ってみると、事前課題として依頼をしていない内容を、現職で忙しい中に作って面接に臨んでくるというのは、それだけでも他候補者と比較して非常に強い印象を持ちます。
転職動機もしくは応募理由は面接時に必ず質問される内容です。その質問がされたらその回答として資料を取り出し内容について説明をして行きます。面接官は突然の資料出現に驚きますが、次の瞬間には期待を裏切られた良い意味での笑顔に変わり、その後は資料への質問(≒志望動機)へと繋がっていき良い会話の流れになっていくでしょう。

私は過去3回の転職面接の全てでこのスライドを準備して成功をしています。

実際、入社後に上司(つまり転職面接時の面接官)に言われたのが、「資料を用意してきたのはお前が初めてだった。すごく印象に残ったのと熱意が伝わった。」と言われ、あの時に作った資料をもう一度見せて欲しいと言われたケースもありました。

その業界、業種を志望するからには必ず思いがあるはずです。そして面接ではそれを聞き出すための志望動機/応募理由の質問が必ずくるのです。それを事前に整理して紙に落としておくことは、面接時の緊張状態で上手に話せなくなることの保険にもなりますし、加えて熱意と差別化ができるという価値の高い事前準備になるのです。


4.面接での振る舞い
ベーシックな要素ですが、面接官へ与える心象に関わる部分で潜在意識として相手に残る部分なので念のために書きます。

面接では企業側に選考されているという意識になりがちで、緊張と萎縮に陥る傾向の人が多いです。そしてその意識に起因して自身の無い雰囲気を図らずも醸し出してしまいます。
認識を改めないといけないのは転職面接では企業と応募者はあくまで対等であり、企業が選定していると同時に応募者側も企業を選定しているのです。この構造は改めて意識にセットするべきで自身を持った態度で臨みましょう。

また、質問に対しての回答や挨拶に至る全ての発言は大きくハキハキとします。大きな声で話している男性は職場でもいるのではないかと思いますが、その人への印象は少なからず強いイメージで残っているかと思います。自分への自身を伝える要素でもありますので非常にベーシックな内容ですが注意してください。


5.転職活動の進め方の全体的な留意点とポイント

転職活動が終わるまでの平均期間は約3ヶ月から6ヶ月と言われていますが、私の経験を振り返ってみても初めの内定が出るまでは3ヶ月くらいが大半で、上記の数値には納得感を覚えます。

思い返すと私の初めての転職活動では完全に暗中模索で、職務経歴書の書き方も全く理解できておらず、ただただダラダラと経験や実績を書き連ねていくものになっていました。その結果、書類選考はなかなか通過せず、自分のこれまでの経験は市場での価値は無いのではないかと落ち込みもしました。その後、失敗を重ねて色々な試行錯誤とアドバイスを受け前述したような構成に改良をしていくことで書類選考がドンドンと通るようになってきました。

初めて活動をされる方は、活動初期は資料が上手に馴染んでおらず同じような経験をするかもしれませんがグッとこらえて粘り強く資料の更新に注力をしてください。

書類選考が通過し始め面接に望めるようになっていくのですが、そこでもやはり活動開始当初の面接はうまく通らないことが多かったです。
というのも、面接を通じて聞かれる退職理由や志望動機は準備段階では頭の中では理解できていてもいざ面接になった時に言語化が上手に伴わず、伝わらないケースが多かったのです。
ひとえに事前の自己分析が十分にできていなかった、と言われればそれまでなのですが、頭の中の理解と面接で実戦で言語化をすることはやはり一つの壁があります。幸い数回の面接を通じて頭の中の整理が非常に進み、その後の面接突破率は上がっていきました。

皆さんには面接前にぜひ自己分析を深く行っておくこと、特に言葉に出して喋ってみることをおすすめしますが、それを事前に行っていてもやはり初めのうちは慣れない点が多く
面接突破率は低くなってしまうと思います。

つまり、前置きが長くなりましたが、活動開始の初期フェーズは落選率が高いということです。そのため、開始当初は本当に自分が行きたい企業ではないところでも近しい求人が出ていれば応募をして”練習”をしていくことが重要になります。

当たり前ですが、転職市場は新卒の就活と違い全ての企業の全ポジションが一斉に募集されるわけではありません。そのため、当初は希望にマッチする求人が出ていないケースが殆どで、数ヶ月活動を続けるうちにマッチする求人が突然出てきます。そういった場合に備えて、書類を洗練させ、面接の対応を十分にこなれさせておきましょう。

また、もう1つ重要な点は選考を進めていく上での企業やエージェントとの連絡は、可能な限り早くレスポンスをすることです。というのも、転職活動の競争相手は全員が在職中とは限らず、何らかの理由で既に退職をしてフリー状態で活動をしている人もいます。
そういった候補者は活動に割ける時間が圧倒的に多く、レスポンスも早くすることができます。戦っている相手のこともしっかり想定して可能な限り面接日程調整や面接そのもののアポはスピード感を持って対応するようにしましょう。

頑張ってください!


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