#10 遺伝のヘビ話
産まれるヘビなんて親と同じなんじゃないの?と思われがちですが同じ色しか産まれないなら自分で繁殖させていないわけで…
真剣に書こうとすると自分の浅い知識では、この魅力的な面白さを伝えきれないのは分かっているのですが、自分の中では「この為に繁殖しとんねん!」くらい楽しい事でもあるのでザックリと書いていく事にします。
詳しく知りたければ本格サイトは沢山有りますのでそちらを!(謎フォロー)
◆実例
まずはこちら。コロンビアレインボーボアのオスとメスです。どちらもだいたい茶色くて目が黒い。
そしてこのペアの子供達がこちら。黒いのと白いのがワラワラと。白!?という。
◆メンデルの法則
中学か高校で習う、緑と黄色のえんどう豆の遺伝の話は記憶の片隅にありますでしょうか?家で聞いたら「ハエだった」と言われたので豆じゃない世代もあるのかも….
自分たちの世代は学校で習った際に「優性/劣勢」で習ったのですが、数年前に色々とイチャモンが付いたようで現在は「顕性/潜性」という名前に変更されました。…使わな過ぎて顕性が変換されないじゃないか。
最初の写真のオスメス共に潜性で白くなる要素を持っているわけです。
簡単に身近な話で言うなら
「A型のご両親から産まれる子供の血液型は?」という感じでしょうか。
答えはA型かO型ですが、どこからO型?となるのと同じ感じ。
A型にはAAとAOの2種類が有りまして、両親がAOのA型同士の場合
子供は両親からA、Oの形質をそれぞれ受け継ぐので
考えられる組み合わせはAA:AO:AO:OO。
このうちAAとAOの様にA型として出て来る形質の事を表現型と呼びます。裏に隠れているO部分は遺伝子型と呼ばれます。ちなみにOOの表現型は「O型」。
◆ホモヘテロ
コロンビアレインボーボアの場合に置き換えると
血液型で言うところの
Aの表現型=「体が茶色で目が黒い」
Oの遺伝子型=「体が白くて目が青い」の2つがあります。
AA、OOの様に形質を決める遺伝子が同一の場合をホモ
AOの様に揃っていない場合ヘテロと呼んでいます。
…少し勉強ちっくになりましたがここまでです。
うちに居るコロンビアレインボーボアの親たちは白くなる性質(=リューシ)をヘテロで持っているという事です。
ノーマルな茶色い個体を飼育していても、次の世代で自分で白いリューシを作れるかもしれない!…という所が楽しいんです。
面倒臭い?買う方が楽?
遺伝の確率上、上記の組み合わせの場合は茶色3:白1の比率で生まれて来るので、当然ながら白の個体の方が高額になります。
これを書いている時点でのざっくりしたショップでの販売価格は
ノーマル2~3万、ノーマルヘテロリューシ6~8万、リューシ20万↑(あまり売ってない)といった感じです。
リューシというの白い個体の詳細は次項で。
コーンスネークの場合は遺伝の色要素が赤・黒になりますので更に複雑な事になるので次回に「モルフ」として書いてみたいと思います。
◆リューシスティックとアルビノ
「体が白くて目が青い」コロンビアレインボーボアはリューシスティックという種類です。アルビノではありません。
コロンビアレインボーボアのアルビノは茶色い部分を薄めて退色させた様に黄色くなります。チロシナーゼ(tyrosinase)と呼ばれるメラニンを作る酵素の働きが欠損していて作用しない(T-)事で色が黄色っぽくなります。
アルビノ=赤い目のイメージが強いかと思いますが、本来黒くなる虹彩部分が血液の色で赤く見えて赤目になっているという訳です。
一方のリューシスティックの場合、メラニン色素を持っているけれども突然変異でメラニン色素が働かなくて白くなってる(T+)ので目は黒くなります。
ヘビ以外だとホワイトタイガーとか、少し前に有名になった白い競走馬ソダシがリューシスティックです。
時々ニュースになる「白いカラス」もニュースでは白いカラスとしか言われませんがよく見るとアルビノとリューシと2種類居ますので目の色で見分けてみると楽しいかも??
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