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かけめぐる頭脳と自意識

大木です。
日々稽古しております。


さて、todokeru,の稽古ですが大きく分けて二つ。

・演劇の稽古
・公演の稽古

であります。
前者は演劇とは演技とはなんぞやと思考しつつ舞台に立ち舞台を作っていくための稽古で、それは個人・集団規模でとり行っております。

後者は公演の為の稽古。
上演台本を用いて舞台を作っていく稽古です。
で、今はこちらの公演稽古のターンに入っております。


あれや
これや
なんじゃ
もんじゃ

↑ってな感じで日々稽古けいこ。


うちでの稽古は明確に「失敗して良い場所だよ☺️」と常々優しくやさしーく口すっぱく言ってまわっております。失敗を恐れる意識を持ったまま稽古の場に立つ事は、それすなわち自意識に囚われている事に他ならないからですね。

「積極的にぃ!失敗していこぅぜぃ!」
※稽古中に原田泰造さんの「俺にぃ…まかしとけいぃ!」調で言いました。


稽古場は失敗を重ねていく場所であります。
その過程を楽しんでこそ俳優としてのスタートラインに立てるものと思っております。
上手くいかなくても悔しい思いを垂れ流すんじゃなくて、平気な顔して稽古に集中して、家帰ってシャワー浴びたり寝る時枕に顔突っ伏して「あ"ぁあ〜」って言うのが粋ってもんですよ。

良い俳優さんは役や物語を稽古場に立ち、作っている時は目がキラキラ・ギラギラと楽しんだり愉しんだり燃えたり集中したりしてるもんです。
上手くいかなくて焦ったり凹んだりする人の目には何の魅力も感じません。
感じないと思いませんか?
僕はほんとに感じません。


まあ不安になるのもわかりますが、大体そういった人は何の用意もなく稽古場に臨んで来ているものです。
「考えてませんでした」「そこまで読んでませんでした」「わからないままやってました」

いやそりゃ不安でしょうし上手くいくはずなかろうってもんでしょう!
「わからないままやる」ってどんな概念持ってやってんの笑

運転に例えてみましょう。
運転した事ない人にとりあえず私有地で最低限アクセル・ブレーキ・ハンドル操作を教えたとします。ある程度車を走らせ、停める事が出来る程度です。

で、急に自動車教習所に連れて行って教官に査定されると。道路交通法のいろはも知らずに。


稽古場に用意をせずに来るという事はそういう事です。
それどころか免許も取得してないのに公道(舞台)に出たがる輩のなんとチャレンジ精神に溢れていることか!!!(皮肉です)

ちゃんと本と役と向き合ってあれこれ考えて来て稽古を楽しむ事が結局一番楽なんですよね。
作る事に没頭出来るし、自意識に囚われる暇なんて無くなりますから。

あと、もう一つ(というかこれが一番)大事な事が、お芝居は一人で作るもんじゃないという事です。これにはスタッフワークがあるという意味と、目の前の俳優とで作り上げていくという意味があります。
めちゃめちゃ用意してきたものの、相手役に「私はこれだけ用意してきたんだから私に合わせて!」なんて言ってた人が昔いたなあ。
会話は相手がいて始めてなされるものです。
相手の話を聞く。相手に伝わるように話す。
日常からこれをサボってる人はなかなか大変な様です。

なんて事を日々言うてまわっているのです。
まあ愚痴なんですが、それでも昨夜の稽古でそれぞれ何かがハマったのか、終わって役作りについての質問の嵐となりました。
「おお!いいぞ!」と思いつつ、めいめいの話をして終わっては帰って行くのを見て結局外で90分も話に付き合わされる目に合いました。
まあ良いんですが事前にこちらの予定を聞いて時間を合わせるようにしてとは思いますね。

まあ愚痴です。ぐちぐち。


楽しい瞬間もあります!

・〇〇と〇〇の制作ホットライン
・〇〇が良い美術・装置案を持ってきた→大木の演出プランに一石を投じた!
・久々稽古に参加した〇〇の安定感が増していた
・〇〇が舞台未経験なのに俳優として大事なものを持っていた
※名前は伏せております

などなど。

毎日楽しい稽古がしたいです。
そこから生まれるものが良い舞台に繋がっていく…ハズですから。きっと。

ってな想いでお芝居作っている次第です。
若手もヒーコラ頑張っております。
座興公演『ショートアソート』ご期待ください。

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