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帝王切開の執刀医がチャラかったお話

noteのね〜記事がね〜
なかなか書き終わらないのです(´;ω;`)
あ、イラストレーターのトウドです。こんにちは。
1話辺りのボリュームがいつもフルボリューム過ぎてなかなか進まないんです〰️(泣)
なので今日は閑話休題ということで、先日イラストレーター仲間のyanaさんを泣かせるほど笑わせた第二子出産時のエピソードでもぶっこんでおこうと思いたちました。

生きるか死ぬかの瀬戸際、出産。
そんな命の現場でわたくしの身に起きた珍事。

執刀医がチャラかったお話です。
とくとご覧ください。



・不安が募る妊娠末期

妊娠末期。
わたくしはかなりナーバスでした。
お産直前の最後の検診で「お腹の中の赤ちゃんは2000g もないかもしれない。」と言われてしまったからです。
平均的な新生児の重さはおよそ3000g
2500g未満の赤ちゃんを「低出生体重児」といいます。
赤ちゃんは大きく生まれるほど体は丈夫なものです。
小さな赤ちゃんはそれだけで大変な宿命なのです。

第2子である次男坊は予定帝王切開でした。
第1子の長男氏が緊急帝王切開で産まれた為です。
緊急で産まれた長男氏は予定日を大幅に遅れ妊娠42週で産まれました。
対し次男坊は予定日より2週間ほど早くに取り出されることに。
お腹にいる時間が約1か月も短かったため大きくなる暇もなかったわけです。加えて出産時のリスクを最低限に抑えるために妊婦の体重増加の抑えねばならず、臨月で7kg増。腹囲に関しては80cmもありませんでした。
わたくしは「今からでも体重を増やした方が良いのでは。」と言いましたが
先生からは「所詮、あなたの体では赤ちゃんは大きくなりませんよ。」
と言われてしまいました。

そんな母体でも好きなだけお腹の中にいられた長男氏は大きいとは言えないながらも2810gと、なんとか平均的な大きさで生んであげることができましたが、母の都合で小さいまま予定日より早くお腹から出されてしまう次男坊が不憫で不憫で。
病院からの帰り道を泣きながら帰ってきたのを覚えています。

・ついに手術の日

わたくしの心は沈んだままでした。
ワクワクよりも「わたしの小さな赤ちゃんは無事に生まれていてくれるのだろうか…」という不安のほうが勝っていたからです。
ちゃんと産声を上げられるのか、無事に生まれてきても保育機に直行コースなのではないか。様々な憶測が頭の中を忙しなく駆け巡っておりました。

手術室には沖縄出身の新人オペナースさん。
まさしく沖縄の太陽のように温かい手が麻酔で冷え切ったわたくしの手をずっと握っていてくれて、不安を和らげるように「大丈夫ですからね。」と優しく声を掛けれくれていました。

緊張感帯びた手術室がやさしさに包まれたその刹那
神聖な手術室の空気が一変。

「よーろしくおねがいしまぁ〜す!」(うぇいうぇい!)←と聞こえる気がする。

手術室の緊張感も、新人オペナースちゃんのやさしさもすべてを打ち消すかのような声が響き渡りました。

そう。ノリノリで入ってきたその人こそが、紛れもなくわたくしの執刀医。
見た目もノリも完璧にオリラジの藤森氏そっくり。
これ意識していないはずないよね?ってくらいの完璧な再現度。
するとその藤森先生(以下、藤森先生)が田舎から出て来たばかりであろう純朴な新人オペナースちゃんを名字ちゃん付けで

「◯◯ちゃぁ〜ん!◯◯ちゃんって、俺のこと苦手っしょ〜!」

と両手指差しスタイルで言い放ちました。
神聖な手術室でだよ…。
引きつる新人オペナースちゃん。
わたくしは「『はい!』とか言えるわけねーだろっ!」
と、オペナースちゃんの代わりに
心のなかで吐き捨てつつ

え?ちょっと待って。
わたし、今からこのチャラい先生にお腹切られるの?
世が世なら切腹レベルにお腹切るのに??
この人が?…‥
もしかして、わたし、この世の最後になるかも
アディオス夫氏、そして長男氏。達者で暮らせよ…。

と0.5秒位で覚悟を決めました。

・お祭り出産

かくして手術が始まり、さすがの藤森先生も術中はナーバスになるのかと思いきや、終始ご機嫌ノリノリ。
この人の辞書に「緊張」の文字はないのか…1周回って尊敬の念さえ覚えるんですけど。

帝王切開は赤ちゃんを取り出す際、お腹をグッグッと押し出すのですが
(おそらく産婦の負担軽減の為、赤ちゃんが通れるギリギリの幅しか切らないので、枝豆方式でグイグイと押し出した赤ちゃんの頭がプリッと飛び出したらその後は引きずり出す感じ。)
2000gないかもしれないと言われた次男坊。
ちゃんと産声を上げてくれるのか、わたくしとしてはハラハラの瞬間。
祈るような思いでその瞬間を迎えました。
グイグイとお腹が押される感覚のあと
全身がお腹から出きる前に

おぎゃっ!

とんでもなく大きな産声を上げた次男坊
良かった!無事に産まれてきてくれた!涙腺が緩んだが早いか
フライングおぎゃーをキメた次男坊に間髪入れず藤森先生が

「早ぇよ!」

とチャラツッコミ。
尚も大きな声で

おぎゃー!!

と泣き続ける次男坊に

「お祭りだな〜!お〜い!」

とツッコミ続ける藤森先生

ついにわたくしと新人オペナースちゃんも笑ってしまいました(笑)
そうして安堵の涙も感動の涙も吹き飛ばしてしまった藤森先生。

今にして思えば、マタニティーズブルーで危うく妊娠うつになってしまいかねない状況だったわたくし。

藤森先生のチャラ手術のお陰で必要以上にナーバスにならずに済んだのかもしれません。
何気に傷口もキレイに縫合してくれて1回目の傷よりキレイになったし
案外名医なのではと思う今日このごろです。

・あとがき

ちなみに2000gないとされた次男坊は2432gと、低出生体重児ではあるものの保育機に入る必要もないほど元気に産まれ、生後1か月で約倍の4800gになりました。

人を見た目やノリで判断してはなりませんね。
きっと新人オペナースちゃんも少しは藤森先生のことを尊敬したことでしょう。

先日10歳のお誕生日を迎えた次男坊。
あれから10年かぁ。藤森先生元気にしてるかな。
あの時は笑わせてくださってありがとうございました。
とこの場をお借りして伝えたいです。

いかがでしたか?
一世一代の出産の日にわたくしの身に起きた珍事。
いつもと比べるとかなりショートストーリーです。

有名なイラストレーターさんが大変有意義な記事をシェアしている傍らでなんてくだらん記事をシェアしようとしているんだと。
ふと我に返ると思ってしまいますが、最近ちょっと元気足りなかった人とかが笑ってくれたらそれでいいやと思うトウドでした。

それではまた!
次は真面目な記事でお会いしましょう。

TOUDO YAYOI Illustration (^_^)ノ Thanks **




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