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この1年で印象深かったマーダーミステリー

こんにちは、とどちゃまです。
今回は、うちのお店「ゲームショップとど」でもできる、マーダーミステリーのお話。

3月あたりからのコロナウィルスの影響によって、マーダーミステリーを遊ぶ量もGMする量も減ってしまっている僕ですが、そんな間に初マーダーミステリーから1年強が経過したわけです。すでに懐かしいという感覚になっていますが、2019年の7月頭に『約束の場所へ』『王府百年』『純白の悪意』という3日連続マーダーミステリーのスケジュールを組んだのが、僕のマダミ始めでした。

今までこういう総括はしてこなかったんですが、1年というせっかくの区切りですので、7月までの1年間で遊んだ作品に関して、個人的に印象的だったものを挙げて、コメントしていきたいと思います。

1.『王府百年』

マーダーミステリー2回目。1回目がインストゲームだった事を考えると、実質初回だと思ってるこの作品。まずシナリオを読んで、その深さ細かさにすごくワクワクした事を覚えています。そして、キャラクター的にそこそこ解けたでしょと思っていたら、答え合わせと解説で知らない事実がボロボロとでてきて、「俺は何もわかってなかった」と大きな衝撃を受けたことを覚えています。このときのワクワクと衝撃がなければ、これほどマーダーミステリーにはまってはいなかったでしょう。

日本ではおおよそ1年前くらいの作品で、マーダーミステリーが進化を経てきた結果、古典と呼ばれる立ち位置になってしまいまたが、ある1点を今の日本市場に合わせ修正し、リメイク版として出してくれると、本当に嬉しいと思っています。

2.『ヤノハのフタリ』

この作品のライターは20年来の友人で、ツイッターで制作したという情報を見かけてすぐに連絡をとり、翌日にはプレイさせてもらう事になりました。遊んでみたら、案の定面白かったんですよね。どちらかというとゲーム然としていて、感想戦がおおいに盛り上がりました。その場で友人に、うちのお店での公演取り扱いしたいと伝え、制作リーダーであるきつねさんを紹介してもらい、翌々日にお会いして、その場で購入したいと伝えたのを覚えています。その二週間後にはパッケージをいただいて、すぐにGMの練習を開始しました。

この作品のすごいところは、この当時に現在でも耐えうる形の作品として完成していたという事です。あれから軽く100を超える作品が公開されたにも関わらず、まだまだ現役で遊べるという事実が、この作品のすばらしさを物語っているのではないでしょうか。

3.『業火館殺人事件』

当時の僕の感覚として、遊びとしてはとても面白いものでしたが、ミステリーというには謎が簡単だなと感じていたのは事実です。文量も抑えられてるなと感じていました。そんなときに出会ったのが『業火館殺人事件』です。

ディアシュピールさんの公演に参加したのですが、パっと見てキャラシートが厚い。そしてそれは当然ながら、他プレイヤーも同様であり、それらの内容はゲーム中で他プレイヤーと会話していくことでどんどんわかってくるわけです。そうマーダーミステリーは会話の遊びですから。そりゃあもう、みんなが情報の波に押しつぶされますよね。この苦しみは絶対に僕の周りの人達にはヒットするだろう。そう思い、ディアシュピールさんに『業火館殺人事件』の取り扱いをお願いしました。案の定、多くの人が喜んでくれましたし、僕の周りには今でも『業火館殺人事件』を上位にランキングしてくれる人たちがいます。

4.『何度だって青い月に火を灯した』

2019年の秋のゲームマーケット。ここで多くのマーダーミステリー作品が公開されることは明らかでした。そんな中でも特に注目だったのは、グループSNEの『九頭竜館の殺人』『何度だって青い月に火を灯した』の二作品でした。そもそもとして、「TRPGで有名な物書き集団グループSNEが、マーダーミステリーを書く。」それだけで、30~40代のオタクのおっさんはときめいたわけです。

僕のお店「ゲームショップとど」はカードゲームだけでなくボードゲームの販売もしています。ですので、販売用として普通にこの作品の仕入れをしましたが、その上からAmazonでも自分用を買ったし、ゲームマーケットでも周りと遊ぶ用を買いました。

さて、そういうわけで『何度だって青い月に火を灯した』の話なのですが、僕の当時のツイッター見てもらうとわかると思います。ずっと、「青い月はいいぞ」と言っています。そうです、とても良かったんです。それは、ストーリー、推理導線、キャラクター、どこをとっても良いんですよね。当時(今でも)、否定派が多い白確キャラがとても大事だという事も印象に残っています。文句なく個人的2019年NO1作品は『何度だって青い月に火を灯した』です。

5.『裁判員の仮面』

OfficeKUMOKANAさんが年末くらいから、『一条家の人々』『裁判員の仮面』をひっさげてマーダーミステリー界に乗り込んできました。代表のだーしゅさんには、以前から作品を書いているということはお聞きしていて、「推理ものでいいのができそう。とどちゃまにやってほしい」とおっしゃってもらったため、「自分でハードルあげるやん」って思いながら、遊べるときを楽しみにしていました。そして、年が明けてすぐにその機会がやってきました。

はい、設定されたハードルを軽々と乗り越えていきました。

いや、なんていうか想像以上でした。作者の狙いが綺麗に作品に落とし込まれていて、ぐうの音もでないくらいに完成度が高かった。こういう作品をやりたかったんだよなー、と心の底から思いましたね。当然の事ながら、すぐにうちのお店で取り扱いができないか打診をさせていただいたわけです。

6.『かぐや姫と月夜の殺人事件』

思ってるより評価している人が少ないなーと感じているのがこの作品、『かぐや姫と月夜の殺人事件』です。ストーリー、ロールプレイ、推理などなど、作品に含まれる要素をしっかりとまとめあげてバランスをとり、全体できちんとした統一感を与えているという点では、この作品が現段階でNO1です。ネタバレを避けるためにどこのどのポイントが良い、みたいな事が一切言えないのが悔しいのですが、体験してもらえれば、この作品がどれだけ良いバランスで成り立っているのかがわかってもらえると思います。あと、思ったより手応えもあります。公演していいなら公演したいぐらいです。

7.『ランドルフ・ローレンスの追憶』

この作品は2019年からプレイできた作品ですが、熾烈な抽選争いと個人的な事情からなかなか遊ぶことができず、2020年になってからやっとプレイする事ができました。RabbitholeのりゅうのすけさんのGMでやらせてもらったんですが、これがまた圧巻でした。

そもそもマーダーミステリーの枠を意識せずに作られた作品だという事もあり、どちらかという、ファミコンのゲームをリアルでやっている感覚を受けました。しかし、マーダーミステリーの要素もしっかりと含んでおり、そして何より感動したのが、あれだけプレイヤーを揺さぶるシナリオでありながら、推理導線が素晴らしかった。多くは語れませんが、『裁判員の仮面』と『ランドルフ・ローレンスの追憶』の推理導線は、現段階での双璧だと感じています。

そして、さらに魅力的に感じたのは、GMです。この作品を遊んでいる最中から、この作品のGMがしたいと思っていました。どれくらいそう思ったかというと、遊んだ日の夜中に、りゅうのすけさんに「GMしたいなー」って伝えましたし、冗談込みですが「最悪Rabbitでバイトだな」と、まで言いました。それくらい、GMをやることまで楽しそうって思った作品です。

推理、ロールプレイ要素、GM、シナリオ構成まですべて含めて、圧倒的なパフォーマンスでした。

8.『狂気山脈』

コロナウィルスの影響で人々が自粛生活を行う中、マーダーミステリーにも変革が起きた事は皆さんご存じでしょう。オンライン公演というものが行われるようになってきたのです。オンラインでの公演は手軽だったため、多くの作品が一気に登場したように思います。数が増えれば様々な形式の作品が現れる。そんな中で大当たりだと感じたのが、この『狂気山脈』です。

まずは、コンポーネントです。ボードゲームの『狂気山脈』をやった事がある人がみれば、人目で「『狂気山脈』じゃん」ってわかります。このボードゲームをしている感にしてくれる見た目に、まず一目ぼれをしました。ところが、この作品は見掛け倒しでなかったという事が遊んでみてわかるわけです。この作品に関しては遊んで、その理由を体験してもらったほうがいいと思います。感想戦が鬼ほど盛り上がります。

そういうわけで、リアルでできそうだなーと思ってたら、FAQに「リアルでやりたきゃ印刷して勝手にやって」って書いてあったので、印刷しました。ゲームボードも作成しました。こうしてうちのお店では『狂気山脈』がリアルでできるようになったのです。

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9.『遠き明日への子守唄』

「これ、もう公演やん」
舞台をやっているというAGATAさん制作のこの作品は、作者とその作品の良さがふんだんに味わえるものです。「推理がー」とか「ロールプレイがー」とか、マーダーミステリー的な事をいったん置いておいて、まっさらな気持ちでこの公演に参加してみるといいと思います。絶対に他では味わえない楽しみがある作品ですので、なんとかしてやってみて欲しいです。

難易度はかなり低く設定されているので、初心者の方にもオススメしやすいんですが、まあ東京の人間がやる機会はなかなかないんですよね……。

10.『WORLDEND』

『裂き子さん』でデビューを果たしたとんとんさん。そもそもデビュー作の『裂き子さん』自体の完成度はかなり高く、オリジナリティもありかなりのオススメなのですが、今回紹介したいのは『WORLDEND』。

コロナ自粛期間にオンライン公演として公開されたこの作品は、現段階でオンライン公演NO1だと思っています。そもそも、とんとんさんのシナリオはどれもキレイでまとまっています。何一つひっかかる部分がなく、本当にストレスフリーで作品に没頭できます。また、オンラインという仕組みにあわせてうまく作っている部分もあり、他のオンライン作品で感じる問題点を一切感じないあたりも、作者がケアにケアを重ねて作っているなと好感がもてる部分でもあります。とはいえ、この作品もリアルでもできるんじゃないかなーとは思いつつ、前述のオンラインのほうが良さそうな部分もあり……。

ということで、今後の展開に期待したいところです。いつも通りですが、公演できるものなら公演したいくらい良い作品です。


さあ、そういうわけで一通り見てきましたが、ちょうど10作品を挙げたところで今回は終了としたいと思います。どんどんと新しい作品がでてきて、このリストが更新されることを期待してます!

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