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『アクワイア』攻略② ~アナログゲームマガジン~

こんにちは、とどちゃまです。
今回も『アクワイア』の攻略の続編となります。

前回は、「初期金6000を使い切る&7つのホテルチェーンが立ちきるまで」を「序盤」と定義し、そこまでについて書きましたが、今回は「中盤」、しかも中盤の前半の記事となります。

「中盤」の定義

「中盤」をさらに詳細にわける必要があるのは、ホテルの再設立ができるかどうかが、タイル配置の優先順位に大きくかかわってくるからです。そのため、7ホテル建ち切りの状態を「中盤1」、建ち切りでない状態を「中盤2」と定義します。

そして、そもそもの「中盤」の定義ですが、

「序盤終了時以降、現金より資産を求め始めるタイミングまで」

とします。合わせて「終盤」を、

「資産を求め始めるタイミング~ゲーム終了時」

とします。もう少し、ゲーム上明確な定量的な数字があるポイントを設定したかったのですが、ゲーム展開によってタイミングがこのポイントが変化しがちなため、こういった定義としました。

そして、『アクワイア』の「中盤」はどういうゲームかというと、「序盤」で大まかに決まった株券の配分を、合併によってお金が入ったプレイヤーが「順位確定」していくタイミング、もしくは、より良い現金や資産を求めて、未参入の株券の配当争いに参入し「株数の踏み越し」に行くフェイズです。

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この状況から、どうしていけばよいのかって話ですね。そういうわけで、今回の記事では「中盤1」のタイル設置基準を見ていきましょう。

「中盤1」のタイル設置基準

「中盤1」、7つのホテルが建ち切っている状態では、ホテルが設立されるタイルはルール上おくことができません。このルールはかなりプレイヤーにとって厳しく、苦しいゲーム展開になる事がほとんどです。その上で、

「自分は合併で資金を作れるようにしつつ、相手は合併できないようする」

という事をする必要がでてきます。

その前提のもと、今回の記事で大事なポイントは、後述する「相手がマイナスになる」タイル配置です。また、「序盤」のようにプラスだから優先度は必ず上とは限りません。微プラスよりも「相手のマイナス」が大きい手が優先されたりします。

1.自分が株券1位のホテルを合併する

中盤においてもベストなアクションです。この段階で、このプレイはプラスであり、マイナスになる事はありません。「中盤2」を一度通り越していると、買い物の順番の都合から合併を遅らせる可能性がありますが、基本的にはありません。1ターンでも早く他プレイヤーの株券に対して優位を築きたいためです。

もし、ゲームを通して初回の合併の場合、3000点以上のボーナスがもらえれば、「1つの株券での1位確定」、もしくは「他プレイヤーの株券の踏み越し」が可能になるため、勝ち組側としてゲームをすすめる事ができるようになります。逆に言えば、一番小さいホテルの2000/1000のボーナスでは、勝ち組までは確定しないという事です。再びホテルが建てられるようになるので、「中盤2」へとフェイズは以降します。

2.特殊条件下において株券2位のホテルを合併する

かなりシビアな条件をクリアしている場合、2位から合併しても1位のプラスを上回る事が可能です。

「2位で合併しても1位の人よりもプラスが大きい」

これが2位から合併できる最低条件ですので、2位は合併してよいなどと勘違いしないでください。具体例をあげると、

「自分が2位のホテル」が「自分が1位のホテル」に向かって合併した上で、「自身の手配的に有効な、もしくはボード上の位置取りが有効ないずれかの株券において、この合併の1位ボーナスを得たプレイヤーより優位に立つ事」

という条件になります。例えば「相手が1位の株券を、先手で買い始める事で1位を奪い取れる」「相手は有効な買い物がないのに自分はある」「他者から奪いとる株券が即合併できる手配である」などといった、限定的な条件が必要です。このくらいの厳しい条件を満たす場合だけ、2位から突っ込むことができます。

そして「中盤1」の最重要ポイント。相手の手を縛る行動が次の優先行動となります。

相手の手を縛るタイル配置

3.空白地にタイルを置き、4マスの有効マスを消す。
4.空白地にタイルを置き、3マスの有効マスを消す。
5.空白地にタイルを置き、2マスの有効マスを消す。
6.空白地にタイルを置き、1マスの有効マスを消す。

空白地にタイルを置き、有効マス(タイルを置くことが可能なマス)を消します

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タイルが置かれた上下左右のマスはホテルの設立マスとなるため、7つのホテルが建ち切っている「中盤1」では、そのマスにタイルを置くことができなくなります。そして、「中盤」では、「自身の合併ができない=手配は相手の有利になるタイルばかり」といった状況に、全員がなりがちです。自分が有利になるタイルの枚数は非常に少なく、気が付くと手牌がマイナスになるタイルばかりになり、いつかそれを置かざるをえなくなってしまいます。

自分がそうなる前にできる限り早く、相手にもプラス~プラマイゼロの行動がとれなくなるよう、縛り入れていく必要があります。そうすることで、相手のマイナス=自分のプラスになるタイルを置いてもらおうという事です。

このポイントは、「序盤」とうってかわって、中央の広い場所にタイルをおいていく事になります。ゲームの様子が様変わりするところなので、しっかりとタイルを置いて相手の手を縛っていきましょう。

7.合併リーチのある自分のホテルに、リーチ先のホテルよりも小さい範囲でタイルをつける

ちょいプラスな行動です。自身のホテルにタイルをつける事は、合併条件を満たしているうちはプラスです。ですが、この選択肢まで来ている=合併タイルを持っていないという事です。この合併タイルを引く確率は毎回2%程度ですので、確実に相手の手を縛るほうが優先され、このちょいプラスは、先の縛るプレイより低い優先順位となります。

また、ここで置こうとするタイルがリーチのマス数が増えるようなタイルの場合は、この優先順位で置いてはいけません。

後述しますが、他人のホテルを合併するタイルは、本当に置けるタイルが無くなってルール上仕方なく置くレベルのタイルであり、最後の最後まで抱え込まれてしまいます。

もし、リーチのマス数を増やすタイル(=タイルA)をおいてしまうと、その合併タイル(=タイルB)は、自分が引かなくてはなりません。もし、すでに誰かに引かれていたら抱え込まれて、合併が成就することはありません。

ところが、タイルAをできる限り出さないようにしておくと、タイルBはまだ合併タイルではないため、最後までではなくもっと手前で妥協して出てくる事があります。そうなるとタイルAが合併タイルに早変わりします

このように、リーチマスを増やすタイルというものは、1手で合併タイルになる可能性を含んでいるため、極力手元に残しておかなくてはなりません。

「もうだめだ、設立タイルと他人の合併タイルしかない」という状態くらいまでは引っ張って所持していたほうがメリットがあるでしょう。それくらい、関連タイルは引けないので、大事にしなくてはいけません。

8.中盤に関係なさそうな僻地にある自分のホテルにタイルをつける

合併が遠く即金にならないので、自身のホテルにタイルをつけて株券の価値をあげる事が肯定されます。ただし、近場にホテルが再設立してくる可能性がある場合は、即金になる可能性が発生するため、できる限り周りにタイルがないホテルのほうが、このアクションには好ましいです。また、合併までの距離が遠ければ遠いほどよく、この優先順位の中にも、さらに優先順位があります。

9.空白地にタイルを置く。消す有効マスは0マス

有効マスを消すことができない、空白地にタイルを置くだけの行動です。ボードの端っこなど、現状意味のないタイルを置くのですが、だいたいのゲームにおいてマイナスのタイルしか手元に無くなるので、こういうタイルは心に沁みます

マイナス行動のタイル配置

さて、ここからはマイナスの行動の説明となります。「中盤」は特にマイナス行動をしていかなくてはならないので、それについてもしっかりと優先順位をつけておかなくてはなりません。

「中盤」のマイナスの行動は、ほぼすべて「誰かのホテルにタイルをつける」という行動になります。いずれかのホテルにタイルをつけるとき、注意すべき項目は以下のものとなります。
・合併するタイルかどうか
・自分のホテルor他人のホテル
・合併リーチ⇔僻地
・合併リーチの場合、大小関係ランクはどれか
 既に大きい←その設置で大きくなる←その設置で同じになる←その設置でも小さいまま
・リーチマスは増加するか

これらを細分化して優先度をつけていくと、ここだけで半端ない組み合わせ数になってしまいます。そのため、まずは絶対にやってはいけない行動を示した上で、残った行動の中からどういった考え方で優劣をつけるべきかという説明を行っていきます。

マイナスの中でもやってはいけない行動

まず、明確にやってはいけない行動は、「(特殊条件のない)株2位のホテルの合併」「自分が関係ないホテル同士の合併」です。

株2位でのホテルの合併に関しては、先述のとおり特殊条件を満たしていれば、つまり1位よりプラスが大きければ問題ないのですが、そんな事はほぼありません。もし2位合併をしてしまうと、1位に勝てず、3,4位との差を開くだけのキングメイクになってしまうでしょう。

何回か「中盤1」「中盤2」を繰り返して自分が全体1位だという事が認識できると、2位からの合併が肯定されるのですが、それは資産形成の可能性が高いため、その肯定が起きえる時点ですでに「終盤」となっているはずです。

「自分が関係ないホテル同士の合併」がよくないのは明確ですので、説明は省きます。

では、あらためて合併タイル以外の「誰かのホテルにタイルをつける」行動の優先傾向を見ていきましょう。

「誰かのホテルにタイルをつける」時の考え方

僻地は比較的安全

まず、僻地にある他人のホテルにタイルをつける行為は、相手が株券の価値を増やすので自分としてはマイナスですが、合併が遠くすぐに資金ができない距離のホテルであれば、マイナスとはいえ比較的許容できます。特に「序盤」から「中盤」に移行した直後に気にするべきなのは、「自分の現金ができる可能性を下げない」「相手に現金ができないようにする」というケアの部分なので、即座にお金にならない距離のホテルのケアは薄くて良いです。

リーチマスの増加は悪

「リーチマスの増加」が起きるタイルの取り扱いには注意が必要です。

自分のホテルがリーチの小さい側ホテルの場合、リーチマスを増加させるタイルは7番で説明した、合併タイルへの変化が起きえるので、できる限り引っ張って所持しておきたいです。

逆に、相手も同じ考えだった場合、リーチマスが増加するタイルを設置すると、相手がその間の合併タイルを我慢して持っていた、なんて可能性も十分にあり、即座に合併なんて事がよく置きます。

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例)2F3Fのホテルのオーナーのとき、7番の概念からこのホテルに1つタイルをつける事はよい行動です。しかし、1F2G3Gと3Eには決定的な差異があります。3Eはリーチマスが増えるタイルのため、1手3Dが置かれると合併タイルに代わるため、置かない方がよい。

そういうわけで、自分のであれ相手のであれ、リーチマスが増えるタイルの設置はよくないという事です。

合併リーチホテルの大小関係に注目

次は、合併リーチのホテル同士の大小関係についてです。

大小関係が変化するということは、誰かの手配の中で危険牌だったものが有効牌に変わるという事です。そういう事態は一気にゲームが変わるため、自分がその立場にたてないのであれば避けないといけません。しかし、ゲームシステム上、それでもタイルを置かなくてはいけないわけですから、大小関係についても、許容できるのはどこか知っておく必要があります。

まず自分のホテルにつける場合、リーチ先の相手ホテルより大きくなるのは論外です。しかし、一度誰かの手によってタイルがついて大きくなってしまと、安全・優先順位の問題でどんどん皆がタイルをつけていきます。そのときあきらめて、安牌として自分も置くことになるでしょう。自ら、合併の可能性をなくす行動はダメだという事です。

このように、大きい側のホテルにタイルをつける行為は、大小関係が変わらず一番マシです。では、小さい側のホテルにタイルをつける行為は大丈夫かというと、大小関係は変わりませんが合併したときのボーナスの額に直結します。そのため、1周手番をまわして合併タイルがないことを確認した後に限り、切羽詰まったら仕方なく置いてもよいでしょう。

大小関係が変わる設置は危険

では、大小関係が変わるタイル配置はどうかというと、危険なことが多いです。ただ、その中でも自分の合併リーチのホテルを、相手と同じ大きさにする配置は、相手に合併タイルがないのであればよい行動です。もし相手が持っていたら即合併ですが、持っていなかった場合のリターンは、結構大きいです。ハイリスクハイリターンではありますが、マイナス行動の中ではだいぶマシなほうです。

他人のホテルを小さいところから対抗ホテルと同数にする行為は、どちらにもチャンスを与える行動なので良くないものです。逆に、同じ大きさからどちらかを大きくする行為は、一方の選択肢を奪うのでマシです。

つまり、自分のものを同数にする行為と、相手のものを大きくする行為は、マイナスのマシという事です。

条件を複合で考える必要がある

とはいえ、マシだからといって、安直にその選択をとるわけにはいきません。大小関係でOKでもリーチマスを増やす行動のであれば、やはり良くない行動となります。

マイナス行動のいくつかの条件の中で、よくないとされる条件が少ないタイルからプレイしていく事が必要だという事です。

例題

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「序盤」終了時です。
2E、10D、11Cはいずれのホテルのオーナーも置くことができます。
大小関係が変わるタイルは置きがたいので、この段階ではホテルの合併ができなければ、空白地を埋めていくことを優先します。

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1周ほどして、空白地が埋まり始めました。1Gを置いた人はすでにほかのプレイヤーに比べて手牌が切羽詰まっている事がわかります。

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僻地の水色、紫にタイルがつけられました。黄色が肥大化したのをうけて3Gがつけられました。そのほかにも空白地を埋めるタイルが置かれていきます。茶色のオーナーは一番繊細なプレイが必要で、1F、2G、3H、4Gがいずれも黄色と同サイズになってしまうため、置きたくないタイルになってしまいました。

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8Cは1マス潰しですが、6Cは0マス潰しです。6C置いた人もここからはマイナスのタイルしか置いてこないと予測されます。

ここまで動かないと、2E、10D、11Cでの合併はトップデッキ(引き当てる)しかないため、どちらかというと5G6D6Eによる青の肥大化、6Bでの水色の肥大化、9C7Cの赤の肥大化による、これらの合併の方が視野に入ってきました。こうなると、6H7Aなどは合併ボーナスに直結しうるため、置き難くなってきました。どこが大きくなるのかを見極めてから置かないと、ボーナスなどに利用されてしまいます。

最後に

今回は「中盤1」のタイル配置の優先順位に関してお話をしました。次回は「中盤2」の株券購入とタイル配置の優先順位の追加項目についてお話します。

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