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エッセイ

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日常に開いた穴を覗く。
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記事一覧

罪悪感、あるいは理想について

罪悪感にまみれて一歩たりとも動けなくなる人がいる。努力しなければならないのに、できない。…

歩くたまご
4か月前
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毒にも薬にもならぬ個性について

自分の特性についての悩みの解消の仕方は人それぞれだろう。真っ向勝負でたとえば「気になるも…

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自分は誰なのか

冗談のような話だが、私はよく自分が誰なのかわからなくなる。名前や記憶を失うわけではない。…

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私の「赤」とカタルシス

人は誰でも、自分の意識が「そう」知覚した仮想現実の中を生きている。 客観的な事実としての…

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議論を尽くすということ

議論を尽くすということはいつでもとても難しいと思う。社会的立場上、私には近頃「誰かに何か…

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自分語りについて思うこと

私はインターネット上ではいわゆる「自分語り」をすることをモットーにしている。自分が本当に…

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がんじがらめを受け入れる

たとえば、孤独を感じて傷ついているとき、誰かと繋がりを持ちたい一方で、いつまででもひとりきりで悲しんでいたくなることがある。あらゆる人のあらゆる主張に触れるたび、誰も悪くないのに、なぜか自分の心だけがすり減っていくことがある。なんとも不思議で不都合な現実だ。寂しいなら人を求めればいい、心のわだかまりは吐き出せばいいはずなのに、実際には何もできずにひとり体を固くしてじっと息を殺したりする。なぜだろうか。 臨床心理学の世界では、たとえばこれを「予期不安に対するオペラント行動」と

普通の幸せ

初対面の人や、付き合って日の浅い人と世間話をするにあたって、いつも答えに困る質問がある。…

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自由に生きるということ

「自分らしく生きる」「自由に生きる」ということについて、最近よく考える。どちらもよく似た…

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癒えないものと付き合うということ

人生において、何か望まぬアクシデントに遭遇して深い傷を負い、一握りの希望をどうにか見出し…

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必要な苦しみ、不必要な苦しみ

「大変だったけど、あれは必要な苦しみだった」と形容されるような人生経験のエピソードは、誰…

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アイデンティティについて

中高校生だったころ、自分には一切の長所もなければ嗜好もないと感じて悶々と悩んだことがある…

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思考の軌道修正について

誰にでもちょっとした思い込みや誤解はある。日々、人々の言動の中にふんだんに織り交ぜられ配…

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パンドラの箱を開けるということ

多忙につきしばらくまとまった量の文章を書くのをさぼっていたので、久しぶりに何か書いてみようと思う。 今年は世界的に重苦しい春となったが、それでも春は春である。年度も変わったことだし、本年度の目標でも考えてみることにする。 人生には、たとえ解決のめどが立たなくても、抱えていかなくてはならない、あるいは気づかなければならないものごとが存在するものだと思う。 いわば、誰もが例外なく何かしらのパンドラの箱を持っている。 さらにいえば、「持っている」というより、自分がパンドラの箱その