記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

ソンジェ背負って走れ②_終わってすぐの感想(ネタバレ有)

感想大枠

①の記事では、ストーリーというより私が感じたことを多く書いてしまった気がするので、この記事ではもっとドラマ本体にフォーカスしていこうと思います。ネタバレありなので!!気を付けてください!!

全体の物語構成について

私がこのドラマが本当にすごい、脚本狂ってると思うところは、視聴者の記憶を巻き込んでストーリー展開されるところです。

1話のアイドルきらきらソンジェ、2話のソンジェが恋に落ちる瞬間、3-6話の青春の息がつまるような思い出たちと、4話で明らかになる2023年ソンジェの苦しみ、7-8話の初めて思いが通じる瞬間、9-12話のソルの奔走とソンジェの卓越した愛、、、、

韓ドラ見ていると「この話いらないのでは…?」「なんかちょっとダレてきた…」と思うことがほぼすべての作品で1回くらいはあるもの…と思っています(どんなに名作でも)。

ただ、上記に書いたように、1話から12話まで、ソンジェとソル、またテソンの3人のシーンは特に一瞬たりとも見逃せない、すべてに意味があり、煌めいている…。そんな神のような展開を見せます。

そしてその記憶はもちろん視聴者にも生まれます。なんなら視聴者の記憶量が一番多い。どこを切り取っても素敵で、かわいくて、愛する人のために一生懸命な日々。

だからこそ13話、ソルがすべてをリセットしたのだと知ったとき、この煌めく日々をなかったことにしたと知った時、視聴者は「自分のあの素敵な記憶が失われたんだ」とショックを受ける構成になっている…と解釈しています。

つまり、1-12話が視聴者からみて微妙だったり、ダレたり、キラキラした失いたくないものであったりしたら、13話のあの絶望はなかったと思います。そして、すべてを思い出した瞬間の歓喜も生まれなかったのだと思います。

視聴者がドラマを通して得たソンジェ・ソル・テソンの記憶は消えるはずないのに、私は13話で全てを失った気持ちになりました。悲しくて、悲しくて、もう1-12話見返せないと思いました。

あんなにキラキラしていて、一瞬たりとも消えてはいけない思い出たち…。

最終的にソンジェはすべて思い出して万々歳なのですが、本当にこの視聴者の記憶を使って生み出される絶望と歓喜は、本当にすごいなと思います。仕組みを考えたこともそうだし、1-12話を視聴者にとってかけがえのない宝物に実際にできたところが本当にすごい…。ソンジェ思い出してくれてほんとありがとうね……。また1-12話見れるよ……。

過去回のオマージュ・繰り返しの描写・伏線回収

そして、このドラマの大好きなところ。それは過去回のオマージュがたくさんでてきて、きちんと対になっているところ。特に最終回はそのシーンが多く、「あんなシーンあったな…。」とまるで過去15話分を振り返りながら16話を見ている気分でした。むやみにオマージュするわけでもなく、きちんとつながりを持たせているところもとてもおしゃれ。毎回初めてソンジェとソルが出会うときのセリフ、自分の肩を濡らしながら相手に傘を傾ける描写はもちろんのこと、細かいところを挙げるときりがない。

これも「記憶はなくならなず魂が覚えている」というおばあちゃんのセリフや、「何度でも同じ選択をする」というソンジェのセリフに通ずるものがあります。

また、特に漢江やラジオのシーンかな…。繰り返し同じシーンが流れ、そして流れるたびに視聴者は異なる視点からそれを見ることになるため感じるものが毎回違う…という仕掛け。これがあるからこそ、何回も何回も過去の放送回を見返してしまう。特に4話を見た後に1話を見ると、運がとびきり良いファンと神ファンサをするアイドル、というキラキラした場面だったのが一気に泣けるシーンになる。また、7話を見た後に4話を見ると、ソルが家に入るのを見送ったソンジェの心情が、より一層悲しみを視聴者に連れてくる気がしています。

また、伏線回収がとにかく素晴らしかった。特にソンジェの告白録音をソルが聴くシーン、ソンジェがまだ自分しか知らないはずのソナギをソルの口から聴くシーン、そしてソンジェがタイムカプセルを開けてソルがタイムリープしていると気づくシーン。

特に後半2つ、私は鳥肌が立ちました。伏線回収ってたいていその前に不自然に映されたグッズによって回収されたり、視聴者には絶対分からないような裏ストーリーについて登場人物から「実はあのとき…」みたいな形で種明かし的に回収されることが多いと思っています。

でも、ソナギも時計も、すでに物語に何回も何回も登場していて、視聴者もそれが重要アイテム・歌だということはしっかり認識していて、時にソナギを使った伏線回収はぎり考察できた気がするのに、多分だれも考えもしなかったタイミングで回収された。そしてまだ自分とインニョクしか知らない歌をソルが知っているというのは、未来から来た以外説明ができないという完璧な証拠で………。

本当に本当に脚本狂ってるな…って毎回思わされるこのような仕掛け。もちろん前述したように、沢山沢山他にも素敵な要素(OST、キャスト、その他脚本、演出・・・)はあるけれど、私の中で一番この「ソンジェが背負って走れ」を上質なものに仕上げたのは、これら仕掛けだと思います。

はー、、、書いててもぞわっとする、、、

また2,000字越えてしまったので、また別の記事でお会いしましょう…(まだ書く気でいる…笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?