はしる

ぼくとあたしはけんかした
あたしはいかりにわなないて
ぼくのそばにいたくなくて
ぼくのかおをみたくなくて
ぼくにくるりとせなかをむけると
はしってぼくからとおざかった
ずんずんはしった
ひたすらはしった
ちのはてめざして
どこまでもはしった
はあはあ
たったっ
はあはあ
たったっ
はあはあ
はっはっ
はっはっ
はっ……
いきがきれて
たちどまったそこには
おいてきたはずのぼくのすがた
ちきゅうをいっしゅうしてきたの
ぼくのせりふがにくたらしくて
あたしはまたうしろをむいて
いまきたみちをはしりだす
さっきよりはやく
さっきよりとおく
はしれはしれもっとずっと
はあはあ
たったっ
はあはあ
たったっ
めをあげると
ゆくてにおぼろげなかげ
うしろにはだれもいない
ちきゅうはまわっている
あたしをおいてけぼりに
はなれているのか
ちかづいているのか
いきばがわからない
あしがとまる

ここはどこ?



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