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戸田鳥
2015年7月17日 16:22
時計の針すら なりをひそめる夜更けには黒服の男がやってきた血の色をしたタイを着け闇にかくれて顔はみえないわたしははんぶん眠りにつき 醒めた片目で男をみとめる奴は語るでもなく 手をくだすでもなくただ存在するそのことだけで わたしのこころを削りとる感情はすべて眠りこけて わたしは抗うちからもない少しずつ すこしずつ わたしのこころは崩れて失われ暗闇のなかで奴がわらうそうして溜め