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[参考書レビュー]東大英語総講義

レベル 

東大2次レベル

メモ&レビュー

東進ハイスクール講師の宮崎尊先生による東大英語に特化した本。①文の構造,②精読問題と和訳,③論述の構造と長文問題,④基本語の用法,⑤小説のしくみ,⑥英文ライティング,⑦リスニング
という構成になっている。
 
まず、宮崎先生は『TIME』などの翻訳を担当した経験がある方なので、参考書のような文法講義を行なったり、厳密な構文解釈を行なったりというよりも、「英語を使える(書ける)人はどういう感覚を持っているのか」ということに重点を置いている。そのため、「型」であったり「カン」、「ニュアンス」といった言葉が多く出てくる。これが、「英文を感覚だけで読んでいる」という批判に近い感想を持たれやすい要因になっている。
 
しかし、英語が言語であり、実際に東大が「言語としての英語」という側面に重点を置いていることから考えるとこの主張は妥当である。実際我々日本人も話したり、書いたり、読んだりするときは日本語の構文解釈などせず、「型」や「カン」、「ニュアンス」を駆使している。もちろん東大は日本人が日本語を使うようなレベルの英語能力まで問うているわけではないが、そういった視点を獲得することは英語学習者にとって大切である。
 
特に「論述の型」、「小説の読み方」、「基本語」は筆者の得点力向上に非常に役立った上、「論述の型」の理論は大学でも使える。
 
ただ、やはりある程度英語の基礎が入っている人が知識を有機的に繋げたり英語能力を昇華させるための内容であるので、単語や文法が固まっていない人はまだ使わないほうがいい。
 
また、参考書の中にいきなり問題が出てきて解答がつながっている構造も考えものである。せめて問題と解答は別冊にまとめて欲しかった。

推奨する使用法

最後に述べたように問題集としてはあまり使い勝手がよくないので、過去問をある程度終えた受験生が+αの感覚で読むか、全ての問題を解くのはあきらめるかしないと迷子になりかねない。

宮崎先生の理論自体は、ハマる人は得点を一気に伸ばせるものなので合いそうだと思ったら頑張って吸収して欲しい。現役生なら東大特進で講義を受けるのもアリである。講義の方が吸収しやすい。

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