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レポ82:【番外編】関門"ノスタルジック"海峡クルージング(2024/5/26)

福岡県・山口県にある関門地域は、古来より交通の要衝で幕末の下関・門司両港の開港以降、海峡の出入口に双子の灯台が設置された。今回は関門海峡にある日本遺産を構成する灯台を巡るクルージングで、海上から灯台を眺めます。

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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、自身の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。

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◼️レポ82:【番外編】関門"ノスタルジック"海峡クルージング(2024/5/26)

この日は福岡県北九州市門司(もじ)区で、「門司みなと祭り2024」が開催されていました。その祭りに併せて、「日本遺産」である関門“ノスタルジック”海峡 ~時の停車場、近代化の記憶~の企画で、関門海峡をクルージングして、歴史的灯台である部埼(へさき)灯台や旧俎(きゅう まないた)礁標を海上から鑑賞してきました。

クルージングのレポートの前に、まず「日本遺産」について簡単に紹介します。

「日本遺産」とは、文化庁が認定した、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーのことです。そのストーリーに関連した構成文化財が「日本遺産」として認定されています。

ただイメージとしては、遺産保護を目的とした「世界遺産」とは異なり、文化振興を目的にしているのが「日本遺産」という感じです。ですから今回のような企画にも活用している訳ですね。

また「日本遺産」は"ストーリー"を中心に決定されているため、遺産単体の「点」ではなく地域全体に焦点を当てた「面」で構成されている、というのも特徴だと思います。

 

そんな中で関門“ノスタルジック”海峡 ~時の停車場、近代化の記憶~は、2017年4月28日に52番目に認定された日本遺産です。詳細は専用ページを見て頂きたいのですが、灯台だけに絞ると「部埼(へさき)灯台」「六連島(むつれしま)灯台」や旧俎(きゅうまないた)礁標」の3基が、日本遺産の構成文化財として登録されています。


では、ここからはクルージング企画の様子を、当日撮影した写真とともにご紹介します。次回参加のご参考になれば。

 関門"ノスタルジック"海峡クルージング

小型船舶で約50名ほどの参加人数でした。
出発は門司港の渡船場から
2階のデッキか船舶の中から鑑賞できます。
我々は当然、デッキにてスタンバイ
出発港は「門司西海岸5号防波堤灯台」が目印。
門司レトロ灯台との愛称で親しまれています
この日は天気も快晴でクルージング日和。
風は少しありましたが、非常に心地良い。
まずは「部埼灯台」に向かって九州北西部の端へ
山口県下関と福岡県門司を繋ぐ関門橋。
「関門」という由来は下関と門司からきています。
この橋を真下から見上げる機会は貴重ですね
関門橋の門司側ふもとには「門司埼灯台」があります。
地味ながら海峡の玄関口を照らすため担う役割は大きい
門司の部埼灯台は九州北西部の先っちょにありますが、
九州最北西端はこの太刀浦埋立地エリアだそうです
埋立地を過ぎると早速「部埼灯台」が見えてきました。
横から見るとこんな地形をしていたとは初めて知った。
しっかりとした台地の上に白亜の灯台が目視できます。
あっという間に灯台を通り過ぎます。
このアングルも中々ない貴重な機会。
正式な海上船舶からの灯台の見え方ですね。
途中、灯台以外の日本遺産の解説もありました。
こちらが長州藩下関前田台場跡(山のふもとあたり)
瀬戸内海側から関門海峡に入るアングル。
関門大橋が壮観です
赤間神宮
日本遺産ではないけど下関側の有名観光スポットです
唐戸市場
こちらも日本遺産ではないけど下関の有名観光スポット。
分かりにくいですが、赤白の夫婦灯台が港の入口にある
海峡ゆめタワー
足下には赤灯台の「下関岬ノ町防波堤灯台」
これは【導灯(どうとう)】という種類の航路標識
前後2本の灯が重なる位置が正しい航路を示します。
関門海峡は複雑な形状のためこのような航路標識も多い
いよいよ山口県側にある旧俎礁標が見えてきました。
位置としては下関側の最南端にあります
元々は岩礁の多い海峡の中に設置されていましたが
技術の進歩により機能的には不要となりました。
そんな時に山口市が文化財として買い取り、
現在の場所に移設したとのことです。
陸路からでは観にいけないので非常に貴重な機会でした。
約1時間のクルージングはあっという間に終了
本当に海風が心地良く、勉強にもなった企画でした。
10歳娘も中々ない経験で満足そうな様子
今回のような企画があれば、
是非また参加したいなと思いました。

村上 記

年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台を訪れる魅力などをお伝えするプロジェクト。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う方々の想いを大事にしていきたいです。