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レポ55:生石鼻灯台(2020/1/2)

和歌山県と兵庫県の間に流れる紀淡(きたん)海峡と瀬戸内海、その境界にある淡路島の灯台と要塞遺構を訪れました。

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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。

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◼️レポ55:生石鼻灯台(2020/1/2)

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兵庫県の淡路島の南東端である洲本(すもと)市由良(ゆら)郡にある生石鼻(おいしのはな)という岬の灯台を今回は訪れます。

出石神社をナビ設定して向かえば、生石山の頂上付近で登り道でこのような分岐になりますので左折します(奥に行っても灯台には辿り着けますが)。

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駐車場についてすぐの階段丘越しから、ひょっこり灯台の頭が見えています。

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生石鼻灯台はカクテルグラス型の象形をしています。周囲をクロマツや雑木林が生い茂って囲まれているため海が殆ど見えません。

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生石鼻灯台には電線が繋がっており電力供給されているようです。

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生石鼻灯台には「生石鼻南方照射灯」も併設されています。灯光は生石鼻灯台の南東方約300mの岩礁を照らします。

灯台前面に小さな窓があり、そこから照射されるようですが、前面が急斜面になっておりフレームで捉えるのが難しいです。

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眼前は瀬戸内海と紀伊水道を分かつ紀淡海峡。兵庫県と和歌山県の間にある紀淡海峡は、友ヶ島を間に置いて三分されます。

主航路は最も西寄りの淡路島側で、「由良瀬戸(ゆらせと)」「友ヶ島水道」と呼ばれており、大型船も航行しています。

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灯台のすぐ近くには出石(いずし)神社があります。

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出石神社の歴史は古く、「出石の刀子(いずしのとうす)」という宝物が倉から消え失せ、再度出現したという伝説が残っており、この宝物を祀ったのが神社の創建となります。

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周辺は生石公園にもなっており、所々に展望台があります。

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展望台から紀淡海峡が一望できます。友ヶ島は江戸幕府の頃より大阪湾に出入りする船舶を監視する上でも重要な位置にあるため、紀州藩も藩士を常駐させていたほどです。

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ちなみに周辺には要塞遺構が残っており、これは明治以降にフランスの指導を仰ぎ、大日本帝国時代に大阪湾防衛の目的で造られましたものです。

明治22年(1889年)に着工し、由良地区(淡路島由良)は勿論、友ヶ島地区、深山地区(和歌山加太・深山)にも造られました。

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今回は瀬戸内海の交通の要衝見守る灯台を訪問しました。

村上 記

年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台を訪れる魅力などをお伝えするプロジェクト。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う方々の想いを大事にしていきたいです。