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レポ20:網代埼灯台(2019/5/2)

鳥取県北西部に位置する岩美(いわみ)町。この町には「日本百景」にも選ばれる浦富(うらどめ)海岸が約15kmも続いています。その景勝地の最西部の山頂にある灯台を訪ねました…

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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。

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◼️レポ20:網代埼灯台(2019/5/2)

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鳥取県岩美(いわみ)郡岩美町にある網代港。県有数の沖合漁業の漁港ですが、「日本百景」にも選ばれた『山陰の松島』こと浦富(うらどめ)海岸でのシーカヤック体験も出来るそうです。

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山陰海岸ジオパークの一部である中国近畿連絡道から灯台へ向かいます。後から知りましたが、この連絡道が浦富海岸方面への入口でした。

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えっちらおっちらと山道をグイグイ登っていきます。

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登り始めて5分。岬の上に向かってひたすら登ります。すると少し視界が開け、絶景ポイントに到着。浦富海岸は約15kmのリアス式海岸で、国の天然記念物にも指定されています。

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遠くの方に目を向けると、小山の上に小さく飛び出たキノコみたいな陰が見え、よく目を凝らすと網代埼(あじろさき)灯台っぽい雰囲気です。でも、まだまだ道のりは遠そう。

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灯台に向かって進んで行くと、山陰海岸ジオパークのビュースポットである「千貫松島(せんがんまつしま)」がありましたが、横目でチラ見だけしてほぼスルーでズンズン進みます。

「千貫松島」は浦富海岸を代表する黒雲母花崗岩の侵食地形です。名前の由来は、かつての鳥取藩主の池田公が「我が家にこの岩つきの松を移すことのできた者に銀千貫を与える」と感嘆したことから。

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まだまだ灯台は見えてきません。ブイブイ進んでいきます。

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連絡道を登り始めてここまで約15分。山陰の絶景を横目にスケール感に驚嘆しながらも、繰り返すアップダウンに息切れしてきました。雨上がりの朝方だからまだ涼しくて虫なども少なかったのですが、夏場の炎天下だったらと思うとゾッとします。

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登り始めて20分。ようやく網代埼灯台の足下まで到達しました。軽い気持ちで踏み入ったのですが、とんだアクティビティになりました。着ていた服も汗でびっしょり。

灯台そのものは景勝地に負けず劣らずの貫禄のある姿。でも、山頂の限られた土地に建てられており、全体像を収めるのに苦労しました。

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灯台近くの看板は来た道とは別方向に"やまみち"と書かれてありましたが、封鎖され道は荒れ放題。そのため、おそらく今回来た道が灯台への経路なのでしょう。

ここまで来て灯台に会えて良かったですが、問題は片道20分の道を引き返すか、来た道と同じ位の距離にある鴨ヶ磯海岸まで行ってみるか、です。

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悩んだ末に結局、前進することに。灯台が違うアングルから見れるかもしれませんので、その可能性を探りに行きます。

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…ということで、素晴らしい浦富海岸の景観ではあったのですが、灯台の姿は目視出来ずじまいです。鴨ヶ磯海岸経由では、行きと同じく約20分程度で道路に出られました。でも、まだまだ東方への経路も続いており、そちらに向かう観光客もいました。

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網代港への帰り道、道路を歩いているとひょっこり顔を出している網代埼灯台が見えました。

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先人はここから灯台まで到達していたようですが、おそらくここが灯台前の看板にあった"やまみち"の入口なのかもしれません。

今はとても立入れるような環境ではなさそうでした。

全行程で約1時間程度を要しましたが、ちょっとしたアクティビティになるので、とても良い汗をかきました。でも、軽はずみに行こうとすると大変なので、服装など十分に準備することをオススメします。

村上 記

年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台を訪れる魅力などをお伝えするプロジェクト。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う方々の想いを大事にしていきたいです。