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普通な日々

ゴールデンウィークが終わって灯台が丘に普通の日々が戻ってきた。

きらきら坂に人影は少なく、カニと猫が散歩している。

ぼんやりと霞んだ海にはスナメリが泳いでいる。

数年前にきらきら坂周辺をマスコミが「廃墟がならぶ」みたいに紹介して、私は憤慨したのだった。だってたとえ一人暮らしのおばあさんがひっそり暮らしている元みやげもの屋でも、老夫婦が一部だけで暮らしている廃業した旅館でも、人が住んでる建物を廃墟だなんて失礼ではないか!

私は国立公園内なので立て直しができない元食堂を買い取って改修し、緞通ギャラリーにしていた。あれはたしかに廃墟だったけど…。

わずか数年のうちに、きらきら坂は人気観光地になって、緞通ギャラリーはもう少し地味な地域に引っ越し、ケイプハウスと名づけていた建物は保護ねこカフェになっている。

昨日web情報誌の取材を受けて、昔ながらの梁や木の引き戸やコンクリート床を、素敵といってバシャバシャ写真を撮ってもらった。それって一番昔のままの部分なんですよ、ペンキ塗ったりしただけ。。

観光客の姿は増えたけど、住んでいる人の数は減ってしまった。昼下がりに坂で向かいのおばあちゃんと立ち話していた昔が懐かしい。

って連休疲れかな?あのころと変わらずまわりは静かで美しい。これから何年たってもこの辺りは普通に美しいはずだ。海に囲まれ、人が作ったものの中で一番長持ちする神社の境内にある土地なのだ。気を取り直してケイプハウス向かいのガラス舎住人と前向きな話をしに行く。

赤穂緞通工房ひぐらしwrote #きらきら坂

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