かお

先日、新潟から父が遊びに来た。
越して来てから初めての我が家のお客様だ。

まだお客様用のお布団がないので、
近々揃えなければなるまい。

父はずっと仕事で忙しくしていた人だけれど、
なのにかだからか、多様な人付き合いがあるようで
結構頻繁に世界中を飛び回ったりしていた。
仕事を引退してからも
やれ同窓会だの、先輩のお見舞いだの、食事会だの、
コトあるごとに遠出をしているようだ。

大人になってからSNSなどを通じて親しくなった友人知人の中には
普段「サラリーマン」そして
「おとうさん」や「おじいちゃん」している人も少なくない。
それ以外の顔で繋がった私からみれば
そんな「普段のかお」の方が想像しにくいのだけれど、
きっと向こうの会社の人やご家族からしたら
私とのような交流のほうが不思議なのだろうと思う。

小さい頃
父は仕事ばかりのひとだと思っていた。
でももしかしたら、
仕事や家庭とは全く関係のないところで友人たちがいたのかもしれないし、
少し、そうであってほしいな、とも思う。
家族だからと、父のことをよく知っている気でいたけれど
同窓会だといって楽しそうに出掛けていく父を見ていると
私の知らない父の顔がまだまだたくさんあって、
でも寂しくは決して無く、ちょっと嬉しくなる。
そして、そう思うと何故か
様々なことが許せてしまうのだ。

想像することを、怠ってはならない。

様々な環境で人付き合いをする上で、
とても大切なことだろうと思う。

いつもネコとお留守番の母にも
家族のまったく知らないところで、お友達がいればいいなと願う。

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