ルーツ
(7年前の記事より)
生まれ育った新潟の実家は、母方の実家。
つまり私の父は、言わばマスオさん。
以前、私が実家を離れてしばらくした頃
父に尋ねてみた事があった。
マスオさん状態は、やっぱ辛いものなの?
父は、笑いながらこう言ったのだ。
同居するなら、自分の両親とよりも
妻の両親とのほうが断然おすすめだよ。
どうせ自分は普段、寝に帰ってくる程度にしか家にいない。
日中大半の時間を、妻がリラックスして過ごせているかどうかが
夫婦の仲、家庭円満にも繋がるんだよ。
妻の実家なら、自分が忙しくてなかなか帰れなくても
安心して妻を放っておけるしね。(笑)
他人でいろいろ気も使うであろう自分の両親と、妻を家に残してなんかいたら
こっちがゆっくり仕事なんて出来ないよ。(爆)
そう話す父を観て
私は何故だか救われた気がしたのだった。
もちろん、夫婦にも家族にも百人百通りの形や想いがあるわけで、
これが答えな訳では決してないのだけれど
そんな父と、母と、祖父母と、、、
私は自分の生まれ育った家族というもを
とても誇りに思っている。
母は三姉妹。
実家の祖父は私が小学生の時に亡くなった。
その時も私は、祖父を失った悲しみとはまた違うなにかを
おぼろげに感じ取っていたのだが
今から数年前
実家の祖母が亡くなったときに
はっきりとその ” なにか ” がわかった。
1つの『家』が消滅する瞬間を、私は目の当たりにしたのだ。
歴史がぷっつり途切れたような
なんとも言えない、でもとても衝撃的な出来事だった。
私は当時、大好きだった祖母が亡くなったその悲しさと
目の前でそれこそ歴史がぐわんと一回転して
それまでキレイに並べられていたジオラマが
一気に流れ落ちて、もう戻せなくなってしまったような
そんなやるせない気持ちに
感情がまるで追い付かなかったのを憶えている。
私はふたり姉妹だから、
ウチの実家は両親の代で途切れる。
今年の春、
お姉ちゃんに子供が生まれた。
両親にとっては初孫。
母は、母となった自分の娘(私の姉)に、嬉しそうに甲斐甲斐しく世話を焼き
父は、孫とネコに夢中。
これがオトコ親とオンナ親の違いか。(笑)
妹の私はというと
ああ、この家の遺伝子がちゃんと受け継がれたんだなぁ、と
妹らしからぬも万感の思い。
こうやって
『家』は無くなったり生まれたりしながらも
『命』は一本線でしたたかに確かに繋がってゆくのだな。
私は幼い頃から祖母に似ているとよく言われていた。
容姿ではなく、流れている血が。
そして私はそう言われるのが、いつもとても嬉しかった。
そんな最愛の祖母は
上越(新潟)の、神に仕える家の出。
それはもう噂の美人三姉妹だったそうだ。←残念ながらそこは似なかった(笑)
そんな祖母が嫁いだこの祖父の実家は
負けず劣らずの由緒ある家だったらしい。
それだけに、そんな祖母ですら
厳しいお姑さんに相当苦労したと聞く。
祖母が亡くなってから、
いままで知らなかった祖母の素性が
あちらこちらからポロポロと伝え聞くようになった。
血が騒ぐ、とはまさにこのことだな。(笑)
いつか、祖母の(自分の)ルーツを辿る旅に出ようと決めている。
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